2013/03/02

ホメオパシーは「気」だった

英語圏でHomeopathyとSpontaneous Remission(自然治癒)をリンクさせる記述は見当たらない。以前も触れたように、「レメディ―が効いた」と「自然治癒」が背反事象になっていて...
Dr. Randy S. Baker answered: Can homeopathy cure child asthma?

YES (in some cases)

While controversial & considered unproven by many doctors, homeopathy is often very successful in treating asthma. There are many many cases of asthma, both in adults & children, that have fully disappeared after homeopathic treatment. While some doctors may consider this a spontaneous remission or placebo effect, it is a cure nonetheless

ホメオパシーは小児喘息を治癒できるか?
イエス (場合により)

異論があり、証明されていないと多くの意志が考えているが、ホメオパシーは喘息治療にとても成功している。喘息には多くの症例があるが、ホメオパシー治療すると、大人も子供も症状が完全に消える。これを自然治癒やプラセボ効果だと考える医師がいるかもしれないが、しかしながら、これは治癒である。

[HealthTap]

The claim that there is no proof that Homeopathy has ever cured anyone is another false and unscientific premise. .. These are often incurable cases according to them and yet they unscientifically conclude that it was just some spontaneous remission.

ホメオパシーが治癒したと言う証明が存在しないと言う主張もまた、誤りであり、非科学的である。... これらは通常医療によれば治癒困難だが、彼らはそれでも非科学的に、それは自然治癒だと結論する。

[David Shapley: "4 Reasons Why Homeopathy Works" ]
自然治癒ではなくホメオパシーが効いたのだと主張される。

これに対して、Wikipedia日本語版の「ホメオパシー」では「極度に希釈した成分を投与することによって体の自然治癒力を引き出すという思想に基づいて、病気の治癒をめざす行為」と言う形で「自然治癒」と「ホメオパシー」を関連付けている。履歴を辿ると、2010年8月27日 (金) 06:08から2010年8月28日 (土) 02:55へのYozakuran氏の編集により「自然治癒力を引き出す」が加えられており、そのあたりが初出のようである。

日本語で2000年以前に、自然治癒とホメオパシーをリンクさせたのは、googleでたどる限り、以下の記述。
ホメオパシーは病気の症状に対抗して表面的に症状だけを消すのではなく、体内の気の流れや活力を刺激し、自らの自然治癒力で根本から病気の根を溶かしていくホリスティックな医学です。身体内の気の流れを刺激し、自然治癒力を高める。 由井寅子先生は英国唯一の日本人ホメオパス。

[自然治癒力 〔1997・2〕 ホメオパシー(同種療法)はホリスティックな自然療法医学!Copy on Homeopathy-Books]

「ホメオパシーのレメディーは、成分で無理に作用を引き起こすものではありません。 人間の自然治癒力を揺さぶり、刺激し自ら健康を取り戻す力を与えるものですから、投与する レメディーは最小限の種類、最小限の量に抑えるという基本原則があります。

[気の森 14号(1997) ホメオパシーそのベーシックと治療の実際(前編)-- 取材・文 森春生(在ロンドンジャーナリスト)
Copy on Homeopathy-Books]


私たちのからだを取り巻く生体エネルギー その微細なエネルギーに 働きかけるホメオパシーは、東洋医学の鍼灸によく似ています。心とからだの問題箇所にレメディーと呼ばれる砂糖玉(=ハリ)を うつことで、自然治癒力を刺激し、エネルギー(気)の流れを促すのです。
...
<ロビン>鍼灸とホメオパシーは異なる点よりも似ている点が多いです。大きな類似点は「バイタル・フォース」という概念です。これは中国医学で「」と呼ばれているものと同じで、ヨーロッパではバイタル・フォースと言い伝えられています。気の働きを重視する点は両者が密接に関連する部分です。

[アネモネ 1999年12月号 最新ヒーリング・ガイド 癒しの人&癒しの技 第2回 : ロビン・マーフィー独占インタビュー, お話…ロビン・マーフィーさん, 取材協力…ホメオパシージャパン(株)Copy on Homeopathy-Books]


症状を無理やり抑え込むのではなく、症状 と同種のレメディーを与えることで一時的に症状を増幅させ、それによって自然治癒力を刺激し高 めるというのが、ホメオパシーの考え方です。

[日刊現代 1999年5月22日 話題の焦点ホメオパシーで病気に勝つ! 副作用も依存症も心配なし!毒をもって毒を制す! Copy on Homeopathy-Books]
いずれも「自然治癒」であって「自然治癒」ではない用例。ホメジャの記述からすると「気」があって、それを「自然治癒」と呼ぶことがあり、もののついでに生気論由来のホメオパシーの要素である「バイタルフォース」にも関連付けているようだ。

つまり、「自然治癒力」は"Spontaneous Remission"とは関係がなく、出所は「気」であり、一応はHomeopathyの"Vital Force"とリンクしている...と。

posted by Kumicit at 2013/03/02 23:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | Quackery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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