2007/03/09

似ている創造論者とLeftist

創造論者たちは、進化論を唯物論だと批判する

創造論者たちは、進化論を唯物論すなわち形而上学的自然主義(超自然は存在しないという主張)だと批判する。たとえば、インテリジェントデザインの本山たるDiscovery Instituteのサイトには:
Yet a little over a century ago, this cardinal idea came under wholesale attack by intellectuals drawing on the discoveries of modern science. Debunking the traditional conceptions of both God and man, thinkers such as Charles Darwin, Karl Marx, and Sigmund Freud portrayed humans not as moral and spiritual beings, but as animals or machines who inhabited a universe ruled by purely impersonal forces and whose behavior and very thoughts were dictated by the unbending forces of biology, chemistry, and environment.

一世紀少し前に、この基本的な考え方は、現代科学の発見に近づく知識人による大規模の攻撃を受けた。伝統的な神と人間の概念の両方をデバンクし、チャールス・ダーウィンやカール・マルクスおよびジーグムント・フロイトのような思想家は、人間をモラルと精神的な存在ではなく、純粋に非人格な力によって規定された宇宙に居住する動物や機械であって、その挙動とまさに思考が確固たる生物学と化学と環境に支配されていると描写した。
This statement highlights one of the animating concerns of Discovery Institute's Institute’s Center for Science and Culture: the worldview of scientific materialism. We. think this worldview is false; we think that the theories that gave rise to it (such. Darwinism, Marxism and Freudian psychology) are demonstrably false; and we think that these theories have had deleterious cultural consequences.

この言明はDiscovery InstituteのCenter for Science and Cultureの行動中の懸念のひとつたる科学的唯物論の世界観をハイライトしたものだ。我々はこの世界観が間違っていると考えている。我々は、好ましくない結果をもたらした、これらの理論が明らかに間違いだと考えている。我々はこれらの理論が文化的に有害な効果を与えたと考えている。
[THE WEDGE STRATEGY]
とか
Thus Darwinism, like Freudianism and Marxism, is another example of modernity's attack on the very idea of the human, a reduction of people to mere things in the world completely determined by the brute forces of nature. Needless to say, to dismiss free will and spiritual reality is to make not a scientific claim, but rather a philosophical or a religious one:

従ってダーウィニズムはフロイディアニズムやマルキシズムのように、自然界の知性なき力によって完全に決定される世界にある物体に過ぎないものへと人間を貶めるという、人間についての考えそのものに対する近代の攻撃の例だ。言うまでもなく、自由意志やスピリチュアルな存在の否定は、科学の主張ではなく、むしろ哲学あるいは宗教の主張である:
{Bruce Thornton: "A review of Uncommon Dissent" on Discovery Institute]
とかがある。

これを真に受けるなら、Marxismは形而上学的自然主義すなわち、「科学の原則たる方法論的自然主義」+「超自然はない」のはず。少なくとも科学の版図内で、反進化論にはならないずだが...

Marxist/Leftistたちは、進化論を機械論的唯物論だと批判する

というこで、調べてみたのが、一昨日のエントリ。「自然選択+ランダムな突然変異」による進化が嫌いなLeftistたちが結構見つかった。たとえば:
こうした学説では、偶然すなわち「突然変異」といった概念が特別の意義を獲得するようになるのは、一つの必然であろう。
...
正統派は進化やその原因、その本質的な契機については、依然としてダーヴィン(自然淘汰説)や突然変異説の限界の中に低迷している。

[マルクス主義同志会:マルクス主義入門: 自然科学と階級的立場]
これらの言説はとても創造論に近い。そうすると、機械論を攻撃したMarxismは、「進化の到達点が人間および人類であり、そこまで到達したのはそうなるべき定めにあったからである」という物活説なのだというJacques Monodの指摘はとても正しいと思える。

もちろん、Marxist/Leftistであれば、必ず「自然選択とランダムな突然変異による進化」に敵対すると言うつもりはない。ノーベル賞受賞な生物学者であるJacques Monod自身は、若き日の経歴:
Monod was not only a biologist but also a fine musician and esteemed writer on the philosophy of science. He was a political activist and chief of staff of operations for the Forces Françaises de l'Interieur during World War II. In preparation for the Allied landings, he arranged parachute drops of weapons, railroad bombings, and mail interceptions
[wikipedia: Jacques Monod]
からすれば、katsuya氏のコメントの指摘の通り、どちらかと言えばLeft-wingだったようではある。


創造論者とLeftistはダーウィニズムと自らの敵を同一視する

集団遺伝学者でLeftistなRichard Lewontinは:
ダーウィン自身は、生存闘争の自分の考えの出所を自覚していました。18世紀末の牧師であり、経済学者でもあるトマス・マルサスの有名な「人口論」を読んで、自然選択による生物進化の考えが浮かんだとダーウィンは述べています。このマルサスの書物は、当時のイギリスの貧民救済法に反対したもので、マルサスはこの法律をあまりに気前がよすぎると考えていて、貧民が子を産まず、社会不安を生みだすことがないように、貧民のよりきびしい管理を提唱していました。
[レウォンティン(川口啓明・菊池昌子訳): 遺伝子と言う神話, 大月書店, 1998], 科学は社会を反映する p.25
と、Leftistの定番である、「悪魔化したマルサス」と結びつける。

同様にインテリジェントデザインなWeikartは、定番どおりに反キリスト教に結びつける:
Weikart explains the revolutionary impact Darwinism had on ethics and morality. He demonstrates that many leading Darwinian biologists and social thinkers in Germany believed that Darwinism overturned traditional Judeo-Christian and Enlightenment ethics, especially those pertaining to the sacredness of human life. Many of these thinkers supported moral relativism, yet simultaneously exalted evolutionary "fitness" (especially in terms of intelligence and health) as the highest arbiter of morality. Weikart concludes that Darwinism played a key role not only in the rise of eugenics, but also in euthanasia, infanticide, abortion, and racial extermination, all ultimately embraced by the Nazis.

Weikartは、ダーウィニズムが倫理と道徳に及ぼした革命の影響を説明する。彼は、ドイツの多くの主要なダーウィン生物学者と社会思想家がダーウィニズムが伝統的なユダヤ教・キリスト教と啓蒙倫理を逆転させ、特に人間の生命の神聖さにかんする倫理を乗っ取るものと信じていたことを証明する。これら多くの思想家たちは倫理相対主義を支持し、同時に、特に知性と健康において進化論的適応を道徳の最高権威として崇めた。Weikartはダーウィニズムが優生学の高まりだけでなく、安楽死、幼児殺し、妊娠中絶と人種根絶にも重要な役割を演じたと結論する。それは、ナチスによって完全に受け入れられた。
[Discovery Institute: New books from Discovery Fellows]
いずれにせよ、進化生物学の科学としての正否とは何の関係もない話だ。


創造論者とLeftistはダーウィン個人を描写する

LeftistなDr. Richard Lewonthinは、「株式投資によって生計をたてて」いたことを進化論の構築につなげる:
自然選択による生物進化というダーウィンの理論全体は、当時のスコットランドの経済学者たちが展開していた初期資本主義の政治的、経済的な理論に、実際、異様なほどよく似ています。ダーウィンは、経済的な最適者の生き残りについて、かなりの知識を持っていました。毎日、新聞を読んで、株式投資によって生計をたてていたからです。ダーウィンがなしたことは、19世紀初めの「政治的な」経済を理解し、それを「自然の」経済すべてをふくむように拡張することでした。

さらに彼は、生物進化での性選択の理論を展開しました。その理論では、識別能力のある雌の関心を引こうとする雄同士の競争が、進化の主要な推進力になります。この理論は、なぜ、しばしば雄の動物があざやかな色をしていたり、複雑な求愛行動を誇示するのかを説明することを目的としていました。性選択についてのダーウィンの見方が、ビクトリア時代の中流階級がいだいていた男女関係についての標準的な見方にいかに類似しているかどうかを、ダーウィン自身が自覚していたかどうかははっきりしません。ダーウィンの性選択の理論を読むと、上品な若い女性がソファにすわり、彼女をしたう若者が、彼女の父親に自分の年収がどれくらいかを述べてから、彼女の前にひざまずいて求婚する情景が思い浮かぶでしょう。
[レウォンティン(川口啓明・菊池昌子訳): 遺伝子と言う神話, 大月書店, 1998], 科学は社会を反映する pp.25-26


インテリジェントデザインのDr.Dembskiは、ダーウィンの娘の死を進化論の動機につなげる:
Although Paley’s basic notion was sound, and influenced thinkers for decades, Paley never provided a rigorous standard for detecting design in nature. Detecting design depended on such vague standards as being able to discern an object’s "purpose." Moreover, Paley and other "natural theologians" tried to reason from the facts of nature to the existence of a wise and benevolent God.

ペイリーの基本的主張は正しく、数十年にわたって思想家たちに影響を及ぼしたが、ペイリーは自然界にあるデザインを検出する合理的な基準を提示しなかった。デザインの検出に、物体に目的を認めることができるというような漠然とした基準に依存していた。さらに、ペイリーたち自然神学者は、自然界の事実から賢明で慈しみ深い神の存在を導き出そうとした。

All of these things made design an easy target for Charles Darwin when he proposed his theory of evolution. Whereas Paley saw a finely-balanced world attesting to a kind and just God, Darwin pointed to nature’s imperfections and brutishness. Although Darwin had once been an admirer of Paley, Darwin’s own observations and experiences especially the cruel, lingering death of his 9-year-old daughter Annie in 1850 destroyed whatever belief he had in a just and moral universe.

これらすべてにより、チャールズ・ダーウィンが進化論を提唱したときに、デザインを容易に標的にできた。ペイリーが見事に調和した世界が神の存在を証明していると見たのに対して、ダーウィンは自然の欠点と野蛮さを指摘した。ダーウィンはかつてはペイリーのファンであったが、ダーウィン自身の観察と経験、特に1850年に9歳の娘の悲惨で長引いた死は、正義と道徳に満ちた宇宙についての彼のいかなる信仰をも破壊した。

[William A. Dembski: "What isintelligent design"]

大量の研究者が大量の論文を生産する進化生物学の世界において、今は亡き創始者の個人属性が何であるかと理論の正否など無関係。でも、印象操作しようとするLewontinとDembskiという形而上学的には正反対の立場にあるLeftistとインテリジェントデザイン支持者。しかし、言うことは何故か近い。


タグ:leftist id理論
posted by Kumicit at 2007/03/09 09:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | Creationism | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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