2007/03/11

Green Nude

アーウィン・ショーの短編小説に「緑色の裸婦」[Amazon]というのがある。「ソ連で成功した画家が"緑色の裸婦"の絵を描いたことで、国を追われ、芸術を擁護するナチス政権のドイツへ逃れる。そこでも"緑色の裸婦"で国を追われ、自由の国たる米国へ逃れる。しかし...」という文庫本41頁の短編。時代は第2次世界大戦前から戦後まで。

初めて読んだのは大学のとき、英語のテキストにあった英語バージョン(The Green Nude)で、そのときは特に印象に残ることもなく、そのまま忘れてしまっていた。

で、ここ数日、「ランダムな突然変異と自然選択による進化」を否定するLeftistたちの文書を調べていて、ふと"Green Nude"という短編のことを思い出した。もちろん大学のテキストなんか残しているわけもない。作者がアーウィン・ショーだということも、主人公の名前がバラノフだということも忘れていた。同じ絵について、罵声として「その国が敵と見なす国の体制・イデオロギー」をあびるというアウトラインだけ。

気になったので、あらためて訳本を買って読んでみた。作者アーウィン・ショー本人がインタビューで言っているように、とっても"funny"なお話だった。オチを知っていても面白い。


で、今日もネタをさがしていて、"Green Nude"をマジにやっている"Religious right"と"Leftist"に遭遇してしまった。とってもLeft-wingなDefence of Marxismにある「Alan Woods and Ted Grant: " Reason in Revolt: Marxism and Modern Science"」の「The Selfish Gene?」と、とってもreligous-rightなDiscovery Instituteにある、インテリジェントデザインの父たるPhillip Johnsonの「The Robot Rebellion of Richard Dawkins」の2つだ。

ふっと意識が途切れた後、Phillip Johnsonを読んでるつもりで違和感を感じて、よく見たらWoods&Grantだった...という勘違い。そのままWebを見ていれば間違うことはないのだが、コピペのためにテキストエディタに全文貼り付けていたので、区別がつかなくなっていた。意図的に似ているテキストをさがしたのだから、似ていて当然なのだけれど。

たとえば
In this view, the replicator of life is the gene; thus the organism is simply the vehicle for the genes ("survival machines-robot vehicles blindly programmed to preserve the selfish molecules known as genes"…"they swarm in huge colonies, safe inside gigantic lumbering robots"). It is a recasting of Butler’s famous aphorism that a hen is simply the egg’s way of making another egg. An animal, for Dawkins, is only DNA’s way of making more DNA. He imbues the genes with certain mystical qualities which is essentially teleological.

この見方では、生命の複製者は遺伝子である。したがって、生物は遺伝子の乗り物に過ぎない。(遺伝子として知られる利己的分子を保存するように盲目的にプログラムされた乗り物にして生存機械 ... 遺伝子たちは安全な巨大な鈍重なロボット内側に巨大なコロニーをつくる)。これは「雌鶏はもう一つの卵を作らせるための卵の手段である」というButlerの有名な警句の再演である。Dawkinsにとって動物は、さらに多くのDNAを作らせるためのDNAの手段である。Dawkinsは本質的に目的論である神秘的な性質を遺伝子に持たせる。
Woods&Grantであることがわかるのは、最後の一文。これはインテリジェントデザインなPhillip Johnsonは言わないはず。

This is not only absurd but embarrassingly naive. If human nature is actually constructed by genes whose predominant quality is a ruthless selfishness, then pious lectures advocating qualities like generosity and altruism are probably just another strategy for furthering selfish interests. Ruthless predators are often moralistic in appearance, because that is how they disarm their intended victims. The genes who teach their robot vehicles not to take morality seriously, but to take advantage of fools who do, will have a decisive advantage in the Darwinian competition.

これは不合理で、その上にあまりに単純である。もし、冷酷で自分本位な遺伝子によって人間性が構築されているのなら、寛大さや利他主義を主唱する偽善的な指導も、さらなる利己的な利益を得ようとする別なる戦略でもあるのだろう。冷酷な捕食者は道義的に装う。それは狙った犠牲者たちを武装解除するためだ。遺伝子はその乗り物に道徳をまじめに受け取らず、道徳をまじめに受け取る馬鹿を利用するように教えることが、ダーウィンの競争で決定的に有利になる。
こっちはPhillip Johnsonなのだが、Woods&Grantでも言うかもしれない。道徳はPhillip Johnsonらしいが、競争を嫌うことは共通。

科学の中味ではないところで、罵倒用語「科学的唯物論」を振り回すPhillip Johnson:
The cold philosophy that causes a sensitive human spirit to recoil is not scientific investigation but scientific materialism, the philosophical dogma that insists that only mindless matter is ultimately real and that only science holds the key to knowledge.

繊細な人間の精神を後退させる冷たい哲学は科学的探究ではなく、科学的唯物論である。この科学的唯物論は、マインドのない物質だけが究極の現実であり、科学だけが知識の鍵を握ると主張する哲学の教義である。
と、"bourgeois"を振り回すWoods&Grant:
Selfishness and "individualism" (in the bourgeois sense of the word) is quite self-defeating for the working class.



こうやって、「緑色の裸婦」は続いていくのだろう。
タグ:創造論 leftist
posted by Kumicit at 2007/03/11 02:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | Creationism | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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