2013/06/09

フードスタンプをめぐる「テサロニケ信徒への手紙二」対「マタイによる福音書」

先月(2013/05)、フードスタンプをめぐって、新約聖書を掲げて論じた米国連邦下院議員たちがいた。
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Tennessee GOP Congressman Stephen Fincher, swept into office in the Tea Party wave of 2010, is on a mission from God.

Armed with an array of proverbs and quotes from the Holy Bible, Congressman Fincher is pressing his fight to dramatically curtail the Supplemental Nutrition Assistance Program (SNAP)?better known to most Americans as food stamps?relied upon by 47 million Americans for some or all of their daily sustenance.

Why?

Because the Bible tells him so.

Appearing this past weekend at a gathering at a Memphis Holiday Inn, Fincher explained his position on food stamps by stating, “The role of citizens, of Christians, of humanity is to take care of each other, but not for Washington to steal from those in the country and give to others in the country.”

The Congressman’s remarks come on the heels of his taking the biblical route when responding to Representative Juan Vargas’ (D-Calif.) somewhat different take on the teachings of Jesus. During a recent House Agriculture Committee debate over the Farm Bill (which contains the food stamp budget), Vargas, citing the Book of Matthew, noted, “[Jesus] says how you treat the least among us, the least of our brothers, that’s how you treat him.”

Vargas also noted that Jesus directly mentions the importance of feeding the hungry.

Not to be outdone by a Godless Democrat, Congressman Fincher responded with his own Bible quote taken from the Book of Thessalonians?“The one who is unwilling to work shall not eat.”

テネシー州選出共和党Stephen Fincher連邦下院議員は、2010年のTea Partyの勢いで当選し、神からの使命を果たしている。聖書の引用で武装したFincher連邦下院議員は、4700万の米国人が日々の糧の一部あるいは全てに充てている、フードスタンプとして大半の米国人に知られている補助栄養支援プログラム(SNAP)の劇的な削減のために奮闘している。

なぜか?

聖書が彼に、そう告げているから。

先週(2013/05/18)のMemphis Holiday Innでの集会で、Fincher連邦下院議員はフードスタンプ対する自らの立場を次のように表明した。「市民の役割、キリスト教徒の役割、人類の役割は、互いに面倒をみあうことである。連邦政府のために、米国の誰かから盗んで、米国の誰かに与えることではない」

Fincher連邦下院議員の発言は、少し違うイエスの教えを取るカリフォルニア州選出民主党Juan Vargas連邦下院議員への反応として、彼自身の聖書の教えの取り方にしたがって行われた。直近の連邦下院農業委員会でのFarm法案(フードスタンプの予算を含む)の審議で、、Vargas連邦下院議員はマタイによる福音書を引用して「イエスは『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。』と言った」と述べた。

Vargas連邦下院議員はまた、飢えた人々への食事の供給の重要性にイエスが直接言及していると指摘した。

神を恐れぬ民主党に負けるべきではなく、Fincher連邦下院議員はテサロニケの信徒への手紙二からの引用「働きたくない者は、食べてはならない」で対抗した。


[Rick Ungar: "GOP Congressman Stephen Fincher On A Mission From God-Starve The Poor While Personally Pocketing Millions In Farm Subsidies" (2013/05/22) on Forbes]
引用元の聖書の記述は...
テサロニケの信徒への手紙二 3章 6-12節 :

兄弟たち、わたしたちは、わたしたちの主イエス・キリストの名によって命じます。怠惰な生活をして、わたしたちから受けた教えに従わないでいるすべての兄弟を避けなさい。あなたがた自身、わたしたちにどのように倣えばよいか、よく知っています。わたしたちは、そちらにいたとき、怠惰な生活をしませんでした。また、だれからもパンをただでもらって食べたりはしませんでした。むしろ、だれにも負担をかけまいと、夜昼大変苦労して、働き続けたのです。援助を受ける権利がわたしたちになかったからではなく、あなたがたがわたしたちに倣うように、身をもって模範を示すためでした。実際、あなたがたのもとにいたとき、わたしたちは、「働きたくない者は、食べてはならない」と命じていました。ところが、聞くところによると、あなたがたの中には怠惰な生活をし、少しも働かず、余計なことをしている者がいるということです。そのような者たちに、わたしたちは主イエス・キリストに結ばれた者として命じ、勧めます。自分で得たパンを食べるように、落ち着いて仕事をしなさい。

マタイによる福音書 25章 34-40節

そこで、王は右側にいる人たちに言う。『さあ、わたしの父に祝福された人たち、天地創造の時からお前たちのために用意されている国を受け継ぎなさい。お前たちは、わたしが飢えていたときに食べさせ、のどが渇いていたときに飲ませ、旅をしていたときに宿を貸し、裸のときに着せ、病気のときに見舞い、牢にいたときに訪ねてくれたからだ。』
すると、正しい人たちが王に答える。『主よ、いつわたしたちは、飢えておられるのを見て食べ物を差し上げ、のどが渇いておられるのを見て飲み物を差し上げたでしょうか。いつ、旅をしておられるのを見てお宿を貸し、裸でおられるのを見てお着せしたでしょうか。いつ、病気をなさったり、牢におられたりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。』
そこで、王は答える。『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。』
この「テサロニケの信徒への手紙二」は。もともとは「イエスの再臨は起きたと信じたテサロニケの信徒が仕事をやめてしまった」ことへの対処だったが、前世紀には資本家・富農を断罪するレーニンのスローガンとなり、現在は反福祉の論拠となっている。

で、話はこれで終わらなかった。ForbesNYTimesが、Environmental Working Groupの調査結果を引用する形で、共和党Fincher連邦下院議員にブーメランが突き刺さっていると指摘した。
USDA data collected in EWG’s 2013 farm subsidy database update -- going live tomorrow --shows that Fincher collected a staggering $3.48 million in “our” money from 1999 to 2012. In 2012 alone, the congressman was cut a government check for a $70,000 direct payment. Direct payments are issued automatically, regardless of need, and go predominantly to the largest, most profitable farm operations in the country.

Fincher’s $70,000 farm subsidy haul in 2012 dwarfs the average 2012 SNAP benefit in Tennessee of $1,586.40, and it is nearly double of Tennessee’s median household income. After voting to cut SNAP by more than $20 billion, Fincher joined his colleagues to support a proposal to expand crop insurance subsidies by $9 billion over the next 10 years.

Keep in mind that while SNAP benefits are restricted to families whose income is below specified limits, crop insurance subsidies have no such limitations. Some farmers annually receive more than $1 million each in premium support, and more than 10,000 annually collect more than $100,000 each in insurance subsidies.

EWG(Environmental Working Group)が米国農務省から集めた"2013 farm subsidy database update -- going live tomorrow --"(2013年農場補助金データベースアップデート)によれば、Fincherは「我々」のお金から1999〜2012年の間に合計348万ドルを集めていたことが分かった。2012年だけで、Fincher連邦下院議員は、直接支払のために政府小切手を7万ドル切っていた。直接支払いは自動的に発行され、必要性に関わらず、米国内最大の、最も収益性の高い農場事業に送られている。

Fincherの2012年の7万ドルの農場補助金は、2012年のテネシー州のフードスタンプの平均額1586.40ドルを大きく上まわり、テネシー州の平均家計所得の2倍に相当する。Fincher連邦下院議員は200億ドル以上のフードスタンプ予算削減に賛成票を投じた後、彼は同僚議員とともに、今後10年以上にわたる90億ドルの作物保険補助金拡大を提案した。

フードスタンプの受け取りは、収入が規定以下の家族に限定されているが、作物保険補助金にはそのような制限がないことを、覚えておこう。農場主たちの中には。、100万ドルの保険料補助を受けている者たちもいる。毎年10万ドル以上の保険料補助金を、1万戸以上が受け取っている。

[Donald Carr: "The Fincher That Stole Food Stamps" (2013/05/21) on Environmental Working Group via Forbes & NYTimes]
とはいえ、作物保険の農場補助金について、聖書の規定はないので、キリスト教的には問題ないだろう。


posted by Kumicit at 2013/06/09 13:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | News | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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