2013/08/10

メモ「2003年時点のMCS患者個人の負担」

2003年時点の米国の数値[Gibson et al 2003]ではあるが...
Only 23% of respondents were working outside of the home. Mean annual household income was $46,000; mean personal income was $20,000. For many, a substantial amount of this personal income was worker's compensation or disability income. Thirty-one percent of respondents (286 people) had been involved in a worker's compensation claim; 115 received compensation and 54 had cases pending. Fifty-five percent (505 people) had filed for Social Security disability; 376 received it and 38 had cases pending. Private disability was sought by 23% of respondents (or 206 people); 156 were granted and 13 had cases pending. Participants had consulted a mean of 12 health care providers, but the mean number described as helpful was only 3. A considerable amount of income was spent on medical treatments. Participants had spent a mean total of $51,000 on health care, $7,000 in the past year. This means that 15% of their annual household income went to health care costs. In addition, respondents had spent a mean of $57,000 in their attempts to create safe homes.

回答者の23%が、家庭の外で仕事をしている。平均年間世帯収入は4万6000ドルであり、平均年間個人所得は2万ドルである。多くの人々にとって、個人所得の少なからぬ割合が、労災補償金か障害保険金である。回答者の31%(286名)が労災を申請して、115名が補償を受け、54名が保留となっている。、55%(505名)が社会保障身体障害保険を申請し、376名が保険金を受け取り、38名が保留となっている。回答者の23%(206名)が個人障害保険を申請し、156名が保険金を受け取り、13名が保留となっている。

回答者は平均で12の医療機関で診察を受けているが、役に立ったのは平均3つだった。回答者たちは、少なからぬ金額を治療に費やしている。平均で総額5万1000ドル、過去1年で7000ドルを治療に使っている。これは平均世帯所得の15%を治療に使っていることを意味する。さらに、回答者たちは平均で5万7000ドルを、安全な住環境を作るために費やしている。

[Gibson et al 2003]
MCSの症状の原因が何であろうとも、MCSによって労働の継続が困難になることが多い。すなわち、収入を絶たれることが多い。そして、米国で、それを補償しているのは、労災補償・社会保障・一般の保険である。

この状況が現在も変わっていないなら、MCSの原因についての医学的な議論とは無関係に、「MCSの症状発症の原因は化学物質である」という前提で労災補償・社会保障を行うという政治的な措置は必要だろう。
posted by Kumicit at 2013/08/10 15:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | Quackery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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