2013/08/22

送電変電系の投資不足と自然災害原因の停電の増加

米国エネルギー省の送電線強化による自然災害原因の停電への対処についての報告によれば、送電投資は減少しており、送電及び変電施設の70%は建設から30年以上が経過している。

送電線投資の推移
[ECONOMIC BENEFITS OF INCREASING ELECTRIC GRID RESILIENCE TO WEATHER OUTAGES, Executive Office of the President August 2013 via By Brad Plumer, Washington Post Blog ]
このような古い送電系では障害も発生しやすくなる。これとともに、最近の送電施設にあるような、機械的障害を自動検知するセンサはなく、ダウン時の初動の遅れを招いているという。

自然災害の激甚化も影響しているとおもわれるが、自然災害を原因とする停電件数が増大している。

停電の原因別発生件数の推移
[ECONOMIC BENEFITS OF INCREASING ELECTRIC GRID RESILIENCE TO WEATHER OUTAGES, Executive Office of the President August 2013 via By Brad Plumer, Washington Post Blog ]
送電系の脆弱性は、2003年の北米大停電は送電線のダウン(自然災害が起きてないのに送電線ダウン)から始まったことからも、注目されてきた。しかし、最初のグラフにあるように送電系への投資は進んでいない。おそらくは収益の小さい送電系への投資が、電力自由化のもとでは進みにくいという現実があるのだろう。

そもそも、送電変電配電まとめれば、発電所関連よりも、資産としては大きい、日本の東電を見ても、資産価値でみると設備の2/3が送電変電配電系である。米国では、そのような送電変電系の投資、すなわち設備更新や増強が進んでいないという。米国エネルギー省としては、何とかしたいところ。

posted by Kumicit at 2013/08/22 07:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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