このような古い送電系では障害も発生しやすくなる。これとともに、最近の送電施設にあるような、機械的障害を自動検知するセンサはなく、ダウン時の初動の遅れを招いているという。
送電線投資の推移
[ECONOMIC BENEFITS OF INCREASING ELECTRIC GRID RESILIENCE TO WEATHER OUTAGES, Executive Office of the President August 2013 via By Brad Plumer, Washington Post Blog ]
自然災害の激甚化も影響しているとおもわれるが、自然災害を原因とする停電件数が増大している。
送電系の脆弱性は、2003年の北米大停電は送電線のダウン(自然災害が起きてないのに送電線ダウン)から始まったことからも、注目されてきた。しかし、最初のグラフにあるように送電系への投資は進んでいない。おそらくは収益の小さい送電系への投資が、電力自由化のもとでは進みにくいという現実があるのだろう。
停電の原因別発生件数の推移
[ECONOMIC BENEFITS OF INCREASING ELECTRIC GRID RESILIENCE TO WEATHER OUTAGES, Executive Office of the President August 2013 via By Brad Plumer, Washington Post Blog ]
そもそも、送電変電配電まとめれば、発電所関連よりも、資産としては大きい、日本の東電を見ても、資産価値でみると設備の2/3が送電変電配電系である。米国では、そのような送電変電系の投資、すなわち設備更新や増強が進んでいないという。米国エネルギー省としては、何とかしたいところ。
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