2014/08/17

メモ 1980年代の米国とカナダの「全面核戦争 or 共産主義者の支配下」

核戦争についての1956〜1987年の米国の世論調査は、米国人が核戦争に決して楽観的でなかったことを示している。それでも米国人は、共産主義者の支配下で生きるよりも、全面核戦争を選好した。

一方、隣国カナダ(Ottawa Citizen - Mar 22, 1984)では...
-全面核戦争共産主義者の支配下で生きるわからない/未定
米国(1987)72%19%9%
カナダ(1984)32%34%34%
カナダ(1982)40%25%34%
カナダ(1962)65%11%24%

自国が戦略核ミサイルをぶっ放すわけではないせいか、かなり弱気である。

特に1982年と1984年の間で、急激に弱気になっている。この時期には、1983年の米国ABCの"The day after"が放映されている。当時の印象的な映像であるBBCのThreadsはこの世論調査のあと、チェルノブイリ原発事故もまだ起きていない。これだけ変化させる冷戦状況の変化は何かあったかな?
posted by Kumicit at 2014/08/17 14:21 | Comment(1) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
このくらいの政策支持率の変化は短期的な政治情勢によるゆらぎかもしれないとも思いますが、思いあたることとして、いわゆる「核の冬」のTTAPS論文(SはCarl Sagan)が出たのが1983年です。とりあえずWikipedia英語版http://en.wikipedia.org/wiki/Nuclear_winter#1983 参照。最近出たHowe (2014) "Behind the Curve" という本(主題は地球環境問題ですが)の第5章でこの件の科学者の動きが紹介されています(わたしのメモ http://macroscope.world.coocan.jp/yukukawa/?p=3771 )。Weart (2012) "Nuclear Fear" では20章で言及されています(ただし、SDIに対する社会のさまざまな応答のひとつとしてであり特別に重視はされていない感じがしました)。
Posted by masudako at 2014/08/18 06:20
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