2014/11/16

マリの2回目のエボラ感染

WHOの発表(2014/11/12)及び各種報道によれば、マリのエボラアウトブレイクは以下のように進行したもよう。
2014/10/17ギニアのSiguiri県Kourémalé村在住のイマーム(70歳)が、診断未確定の病気を発症。
2014/10/18Siguiri県の鉱山町の私立病院に入院(Siguiri県はエボラ感染地域)
2014/10/25症状が改善しないため、イマームはマリのPasteur Clinicに入院。イマームは、エボラ後期症状に見られる急性腎臓不全になっていた。移動の自動車には家族4人が同乗。
2014/10/27イマームがPasteur Clinicで死亡。血液サンプルがなく、エボラ検査不可。
-イマームをPasteur Clinicで見舞った友人が突如死亡。血液サンプルがなく、エボラ検査不可。
-Pasteur Clinicの患者が死亡。血液サンプルがなく、エボラ検査不可[LA Times 2014/11/12]。
-グランドイマームという宗教上の地位により、聖職者の洗浄の儀式のため、死体はBamakoのモスクに送られた。
2014/11/01死体は正式葬儀及び埋葬のため故郷のKourémalé村に送られた。[BBC 2014/11/14]
2014/11/06イマームの第1夫人が診断未確定の病気で死亡。(イマームのBamakoへの移動に同乗していた)
その後、イマームの第2夫人とイマームの兄弟1名がギニアのGueckedouのエボラ治療センターに収容。(いずれも、イマームのBamakoへの移動に同乗していた)
2014/11/10イマームの娘が診断未確定の病気で死亡。家族は安全な埋葬を拒否。
Pasteur Clinicの看護師がエボラらしき症状が出たため隔離。(ギニア保健当局よりの通報があった)
2014/11/11Pasteur Clinicの看護師がエボラ検査陽性。夜に死亡。
イマームの息子が、EUの移動レベル3ラボの検査でエボラ陽性。エボラ治療センターに収容。第1夫人もエボラ感染していた可能性が高まった。
Pasteur Clinicのスタッフ及び患者を隔離。
2014/11/12Pasteur Clinicの医師1名がエボラ陽性で、Bamakoのエボラ治療センターに収容[Sante.gov.ml 2014/11/12]
2014/11/13イマームの死体洗浄を手伝った女性がBamakoのGabriel Toure Hospitalで死亡。エボラ検査初期テストで陽性[Reuters 2014/11/14]。

このギニアのSiguiri県Kourémalé村はギニアとマリの国境線上の両国にまたがる村であり、ギニアの首都コナクリよりも、マリの首都Bamakoにはるかに近い。都市部の病院での治療を求めるなら、国境を越えてBamakoに行くことは不自然には見えない。

また、ギニアのSiguiri県はエボラ感染が広まっているが、葬儀・埋葬でエボラ感染を抑止しようとしておらず、エボラであると思ってなかったようにみえる。
EbolaWHO_20141114.PNG
[WHO: Situation Report (2014/11/14)]



posted by Kumicit at 2014/11/16 07:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | Disease | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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