2014/11/17

ホメオパシー団体2つのエボラに対する立場

英国のホメオパス団体"Faculty of Homeopathy"は最近、「ホメオパシーだけをエボラに使うのではなく、通常医療とともに使うことを支持する」との声明を出した。
The Faculty of Homeopathy denounces the use of homeopathy as an alternative in the management of the Ebola outbreak. We support the use of homeopathy alongside conventional care in order to make a difference for any individual. Good public health has always been a cornerstone of high quality homeopathic practice.

Faculty of Homeopathyはエボラアウトブレイク対策において、代替策としてホメオパシーを用いることを非難する。力を発揮するために、我々はホメオパシーを通常医療とともに用いることを支持する。良き公衆衛生は、高品質ホメオパシー実践の基礎である。

{Position Statement - Ebola (2014/11/15) on Faculty of Homeopathy]
リベリアに4人のホメオパスが行った後に出されており、ホメオパスによるエボラ感染拡大リスクという批判をかわす意図があるかも。

一方、米国ヴァージニア州を本拠地とするホメオパス団体"National Center for Homeopathy"は「ホメオパシーはエボラに効くはずだが、どのレメディが効くかはわかっていない」という立場を表明している。
Homeopathy has had a longstanding record in our over 200 year history in the successful treatment of a wide variety of epidemic diseases, including hemorrhagic fevers, some of which are in many ways very similar to Ebola. In our tradition of working with epidemics, homeopaths attempt to determine a central or core remedy that proves effective for most individuals who have contracted the disease, which is named the “genus epidemicus.” ... While there is ample reason to expect that such a remedy can be found for Ebola, to date our homeopathic world community has not yet determined what that remedy or remedies might be.
...
The good news is that a small international team of experienced and heroic homeopaths have arrived in West Africa, and are currently on the ground working hard to examine patients, work out the “genus epidemicus,” and initiate clinical trials.

ホメオパシーには、エボラと多くの点でよく似た出血熱など、多様な感染症の治療に成功してきた200年以上の歴史がある。感染症に取り組む我々の伝統において、ホメオパスは"genus epidmicus"と呼ぶ、感染症に感染した人々の大半に効果が示された中心あるいはコアレメディを決定しようと試みる。... エボラに対して、そのようなレメディが見つかること期待する十分な理由はあるが、現時点では、我々ホメオパシー世界コミュニティは、どのレメディがそれであるか、決定できていない。
...
グッドニュースは、経験豊富で英雄的なホメオパスの国際的な小チームが西アフリカに到着し、患者を検査し、"genus epidemicus"決定の活動を行い、臨床試験を始めようとしていることだ。

[The Ebola Crisis & the Homeopathic Community (2014/10/24) on National Center for Homeopathy]
ここに書かれた国際的な小チームは、エボラ感染者に接触することができずに帰国した4人のホメオパスたちのことだと思われる。もちろん、彼らはエボラに効くレメディを試すことすらできていないので、今のところホメオパシーはエボラに効くはずだが、どのレメディが効くかはわかっていない」という状況のままということになる。

今回のエボラアウトブレイクでは医療体制の悪いところでも1/4は生存しており、ホメオパスたちは、たまたま生存した感染者に使ったレメディが、エボラに効くレメディだと決定してしまう可能性がある。そうなれば、一気にホメオパスたちによるエボラ感染拡大という事態も起きうる。
posted by Kumicit at 2014/11/17 07:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | Disease | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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