2016/02/28

被害者叩きをすることで、加害者を免責し、被害者から救援を求める意志すら奪い去る

ぼくらは「世界が安全で、良き人に良きことが訪れ、悪い人は悪いことに見舞われるという」公正世界を築くために行動するのではなく、被害者を叩くことで、世界が公正世界であるという信念を守ろうとする、どうしようもないやつらであるらしい。

そして、被害者叩きをすることで、加害者を免責し、被害者から救援を求める意志すら奪い去る。
被害者叩きと虐待関係

センターの主たる目標の一つは、被害者が、安全とリソースとサポートにアクセスするのを阻害している障壁をとりのぞき、アクセスしやすくすることです。被害者叩きは、これらの障壁の一つであり、被害者を大きな危険にさらすことになります。


なぜ危険なのか?

被害者叩きは、被害者を過小評価し、被害者が進んで虐待を訴えるのを難しくします。被害者がもし、あなたや社会が虐待の被害者を叩いていると知れば、進んで被害を訴えることが安全なこと、あるいは安心できることだとは思えなくなるでしょう。

被害者叩きは、虐待加害者が言い続けてきたこと「被害者の落ち度で虐待が起きているのだ」を強めることになります。虐待は被害者の落ち度によるものではなく、虐待の解決は被害者の責任ではありません。それは虐待加害者のせいです。被害者叩きをすることで、虐待者たちが責任を回避しつつ、虐待関係や性的暴行を続けることを可能としてしまうのです。


なぜ被害者叩きをするのか?

被害者叩きを止めるのに、まず、なぜ人々が被害者叩きをするのか、理解することが役立つでしょう。被害者叩きの理由の一つは、不幸な出来事から距離をとることで、自分にはそのようなことは起きないのだという間違った気分を得られることです。被害者を叩くことで、被害者は自分たちとは違うのだと見ることできます。人々は「自分は、その被害者のような人間ではない。自分はそんな行為はしていないから、自分にはそのようなことは起きるはずがない」と考えて、自分自身を安心させる。そのような被害者叩きが役に立つ反応ではないことを、人々に理解してもらう必要があります。


被害者叩きとはどんなものか?

よくある被害者叩き文:

  • 「彼女が彼を怒らせた」
  • 「両者に問題があった」
  • 「彼女は彼と結婚すべきではなかった」
  • 「彼女は酔っていた」


被害者叩きの例: 「彼女が彼を怒らせて、虐待を招いた。二人とも改める必要がある。」

現実: この文は、被害者も虐待加害者と等しく瀬金があることを仮定しています。しかし、実際には、虐待は加害者が意図的に行った選択です。虐待加害者はパートナーの行動に対するリアクションについて、虐待以外に選択肢があります; 歩み去る・少し会話する・なぜその行動に苛立つのか丁寧に説明する・別れる・など。さらに、虐待は、加害者が被害者を痛めつける独立した行動ではありません。むしろ、パートナーをに対してどんなことでもできるという虐待加害者の権力感情です。友人や家族が、虐待に中立の立場をとり、「二人とも改める必要がある」と言うなら、それは、虐待加害者を免責し、虐待加害者と共謀して、被害者がサポートを受けにくくしています。

被害者叩きの言語表現
被害者叩きの最大の要因の一つは、物の言い方です。虐待や性的暴力にまつわる言語表現によって、ただちに、加害者から被害者へと注目点をずらすことにります。以下は、Julia Penelopeが作り、Jackson Katzがよく用いる例で、言語表現が被害者叩きとなることの例示です:

  • ジョンがメアリーを殴った: 能動態で書かれ、誰が暴力をふるったか明白です。
  • メアリーがジョンに殴られた: 受動態に変わり、メアリーが先に出てきます。
  • メアリーが殴られた: ジョンが文から完全に消え去ります。
  • メアリーは虐待されている女性である: 虐待されている女性であることが、メアリーのアイデンティティの一部となっていて、ジョンはこの文には存在しません。

以上のように、注目の対象がジョンからメアリーへと完全にシフトし、話を聞いた人々に、加害者の行動ではなく、被害者の行動に注目するように誘導している。


...

["AVOIDING VICTIM BLAMING" on Center for Relationship Abuse Awareness]

タグ:被害者叩き
posted by Kumicit at 2016/02/28 14:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック