2007/06/03

英国国教会の教育関連責任者が、インテリジェントデザインを理科で扱ってもいいかもと発言

Gurdian紙によれば、英国国教会の教育関連責任者が「理科の授業にインテリジェントデザインを扱う場所がある」と述べた。
The Rev Jan Ainsworth, who is responsible for more than 4,600 CofE schools, said intelligent design could form part of discussions in science lessons under the heading of history of science.
...
Ms Ainsworth told the Times Educational Supplement: "While it is not something I would subscribe to, it is a recognition that there are different ways of looking at the evidence.

"You would get howls of protest from the scientific community, which would say there is absolutely no place for it in the curriculum. But you could do it in history of science," she added, pointing out that religious education lessons in CofE schools include discussions of different beliefs.

4600以上の英国国教会系学校の責任者であるJan Ainsworth師は、科学史に関して、理科の授業の議論のひとつとしてインテリジェントデザインを扱ってもよいと発言した。
...
Ms. AinsworthはTimes Educational Supplementに対して次のように語った。「私はこれに同意するものではないが、証拠について異なる見方があるというのが認識である。それは理科の授業にはありえないという科学界からの一斉批難をあびるかもしれない。しかし、科学史では教えてもよい。英国国境会計学校の宗教教育の授業は異なる信仰についての議論を含んでいる。」
[Donald MacLeod and agencies: "Intelligent design has place in science lessons, says CofE" (2007/06/01) on Education Gurdian]
しかし、すぐに英国国教会は火消しに走った。
A spokesman for the Church of England said Ms Ainsworth was "simply representing the fact that some schools currently discuss intelligent design within the context of lessons exploring how our understanding of science has developed historically".

He continued: "Ms Ainsworth was not suggesting that intelligent design should be taught as a scientifically-based theory, but merely stating that some schools do include the topic on their history of science curriculum, and that she does not propose to prevent them from doing so.

"She believes that schools should take a lead from the national curriculum, and use discretion in enhancing this with discussions about the theory of intelligent design where appropriate," he added.

英国国教会のスポークスマンは次のように述べた。「Ms. Ainsworthは、我々の科学の理解がどうように歴史的に発展してきたかを探求する授業のコンテキストの範囲内でインテリジェントデザインを論じている学校があるという現状を述べたに過ぎない。Ms. Ainsworthは、インテリジェントデザインが科学的な基礎を持つ理論として教えられるべきだと発言したわけではない。幾つかの学校が科学史のカリキュラムのトピックとしてインテリジェントデザインを含んでおり、それを禁止する意図がないことを述べたものである。Ms. Ainsworthは、学校は英国カリキュラムを指導すべきであり、これを強化するために、必要に応じてインテリジェントデザイン理論についての議論を使う裁量権があると信じている。」
[Donald MacLeod and agencies: "Intelligent design has place in science lessons, says CofE"]
なお、Gurdianはこれについての英国国内の批判としてキリスト教系シンクタンクの批判を記事に載せている。
The Christian thinktank Ekklesia criticised Ms Ainsworth for flirting with intelligent design which was "creationism masquerading as science" and "appallingly bad theology".

キリスト教系シンクタンクEkklesiaは、"科学を偽装する創造論"であり、"悪い神学"であるインテリジェントデザインに面白半分に手を出していると、Ms. Ainsworthを批難した。
[Donald MacLeod and agencies: "Intelligent design has place in science lessons, says CofE"]


18世紀以降、地質学の発展によって、地球も宇宙も6000歳という主張が崩れ落ちる。それでも聖書の記述は正しいのだと主張すべく、地質学と合致するような聖書解釈を行うコンコーディズムが20世紀初頭まで存在していた。

==>忘却からの帰還: "聖書と科学は一致する"という死屍累々 (1),(2),(3)

そんな科学史を教え、さらに力尽きるコンコーディズムと対照的に、キリスト再臨予言がはずれて崩壊に危機にあったカルトSeventh-Day Adventistを再興したEllen G Whiteの著作物に始まる"若い地球の創造論"の歴史。そして、社会的ダーウィニズムが大嫌いで、3回にわたって民主党大統領候補になったけど全敗したWilliam Jennings Bryanによる米国反進化論州法たちの成立と消滅。さらに創造科学を理科の授業で教えることに対する最高裁判所による違憲判決[Edwards v. Aguillard 1987]。

そんなことまでいちいち教えるのが理科の授業ではないだろう。

「地球は若くて、ノアの洪水はあった」という主張でも、地質学の発展する前の時代のThomas Burnet [1691]を扱うなら、科学史上の意味はあるかもしれない。ついでにペアにして、地球は6000歳よりも、はるかに古いと科学的に主張した、地質学の祖たるJames Hutton [1788 and 1795]も扱うなら。しかし、Dr. Henry M. Morrisたちの始めたCreation Scienceはもはや科学史における出番はない。歴史学上は相マ系と同じくサブカル。

そのCreation Scienceから、宗教色をこそぎとしたら「方向性不明な方向性のある選択能力たるインテリジェンスによる、意図不明な意図的な部品配置であるデザインが、方法不明な方法で配置されたかフロントロードされた」という何を言っているのかわからない主張になったインテリジェントデザインが、科学史に復帰できるとは思えない。



タグ:id理論
posted by Kumicit at 2007/06/03 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | News | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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