2016/05/05

メモ「ホメオパシーとデュナミスの関連調査中...」

ホメオパシーの始祖Samuel Hahnemannを肯定的にとらえていたMartin Gumpert (1945)によれば、ホメオパシーが呪術とみなされないように、HahnemannはSchellingのDynamis(デュナミス)の概念を使った。そして、その過程で、物質を無限に希釈できて、それにより物質はより純粋になるという考えを、Schellingから取り込んだという。

Hahnemann saw things with an independent, timeless eye, but he was forced to speak and express himself in the language spoken by all those around him. A vast number of most necessary physical and physiological conceptions were still lacking. The law of the "conservation of energy" had not yet come into existence. Thus Hahnemann was compelled to take over the conception of the "dynamic" from the highly suspect natural philosophers, in order to avoid the danger that the increased effects he had observed in his homeopathic medicine would be classed as mere magic. The first revealed facts of colloidal chemistry were thus veiled in the cloud-high abstractions of Schelling, the "philosopher of medicine." The "dynamic" idea, premising a strange, immaterial, "spirit-like" function, satisfied a medical science which was beginning to turn away in ... from the humoral pathologists' "atomic" material world of ideas.

ハーネマンは物事を、独立した時間を超えた目でみていたが、彼の周りにいる人々の話す言語で、自らを表現せざるを得なかった。物理学及び生理学の多くの概念は、まだなかった。エネルギー保存則もなかった。したがって、ハーネマンは、ホメオパシー薬剤について観察できた増大する効果をただの呪術だと見なされないために、疑いを持っている自然哲学者の概念用語「ダイナミック」を流用するしかなかった。したがって、コロイド化学の事実は、まず、医学哲学者シェリングの高度な抽象化で隠さなければならなかった。奇妙で非物質的でスピリットライクな機能である「ダイナミック」という考えは、[血液・粘液・黄胆汁・黒胆汁の4種類を人間の基本体液とする]体液病理学者たちのアトミックな物質世界という考えから、転換を始めていた医学を満足させた。

Hahnemann already knew that "although theories may imagine that they can observe a weakening of the action of a dose of medicine by its dilution with a large quantity of liquid, experience asserts exactly the opposite, at all events in the homeopathic employment of medicines."

Schelling taught the infinite divisibility of matter. The more unsubstantial the matter became by dilution, the purer and more effective could be its "spirit-like" and "dynamic" functions. Hahnemann discovered the increased power of shaken or grated medicines, which constitute the basis of homeopathic preparations;

ハーネマンは既に「大量の液体で希釈した薬剤摂取の効果が弱くなることが観察できると理論は想定していたが、ホメオパシーを採用した医療での事象すべてで、真逆であることを実験は示していた。」

シェリングは物質の無限分割可能性を教えていた。物質はその実態を希釈によって失うほど、より純粋で影響力が強くなるのは、そのスピリットライクでダイナミックな機能によるものだ。ハーネマンは、シェイクした薬剤のパワーが増大することを発見し、これがホメオパシーレメディの基礎的構成要素となった。

[Martin Gumpert: "Hahnemann: The Adventurous Career of a Medical Rebel", p.147, 1945]
Hahnemannは、その時代の医学とは折り合いを付けて、ホメオパシーを語ろうとしていたといのうが、Matrin Gumpertの主張。Hahnemannが医学教育を受けた時代は、まだ生気論も健在だった。細菌が病気を起こすことや、ウィルスの存在や、進化論の登場は、Hahnemannの死後。ドイツ観念論の3人の有力な思索家の一人であるFriedrich Wilhelm Joseph von Schelingのアイデアを使うことも、おかしなことではない。

ただし、Hahnemannの後継者たちは、Hahnemannの生きていた19世紀前半の生物学・医学の世界から前へは進まなかった。かつては時代の生物学・医学から大きくは離れていなかった場所が、オカルト世界に分類される領域になり、結果として、後継者たちは、オカルト世界の住人になってしまったようである。
posted by Kumicit at 2016/05/05 11:44 | Comment(1) | TrackBack(0) | Quackery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
どこが妥当かわかりかねますので、こちらに。

米国で、小児用のホメオパシー生歯製品による被害が発生しているそうです。
国内でも当該製品が販売されてる恐れがあるそうです。

国立健康・栄養研究所
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail1557.html
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail3347.html


東京新聞などによれば、米国で10人の死者と、400人以上の健康被害が出ている可能性があるとか

東京新聞:日本でも販売「ホメオパシー」幼児薬 米で10人死亡?調査へ:国際(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201610/CK2016101502000247.html


どうも、希釈濃度が低すぎたことが原因のようです。

米国のホメオパシー規制が緩いためか、時々、このような事件が起こりますね。
Posted by att460 at 2016/11/25 19:02
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