2007/08/21

人工生命はインテリジェントデザイン...の概念を証明する...?

The Associated Pressが2007年8月19日付で、「Artificial Life Likely in 3 to 10 Years (人工生命が3〜10年で誕生する)」という科学記事を配信した。ProtoLifeのMark BedauやHarvard Medical SchoolのJack Szostakが、コンピュータ上ではなく、実際に生命を合成することができるようになるだろうと語った記事である。その記事に
“We aren't smart enough to design things, we just let evolution do the hard work and then we figure out what happened,” Szostak said.
我々は生物をデザインできるほど賢くないので、進化にまかせ、何が起きたかを評価する。
という一節を見つけた、Dembskiと仲間たちブログUncommon DescentのDaveScotが「インテリジェントデザインが3〜10年で証明される」と主張した。
While they don't call it intelligent design research... that's in fact what it is. In the article a scientist is quoted saying once a container (cell wall) is synthesized and nucleotides are added in the right proportions then Darwinian evolution will take care of the rest. Yeah, right. Darwinian processes won't do jack diddly squat. It'll require intelligent design every step of the way. Mark my words. ID will be proven in concept and Darwinian evolution will (again) be disproven in concept.

彼らはそれをインテリジェントデザイン研究とは呼ばないが、実際はそうだ。記事では、科学者が、細胞壁が合成できて、ヌクレオチドを正しく注入すれば、ダーウィン進化が何とかしてくれると言った。はい、正しく。ダーウィン過程は何もできない。各段階でインテリジェントデザインが必要だ。私の言葉を銘記してほしい。インテリジェントデザインは概念として証明され、ダーウィン進化は再度、概念として否定される。
なんだか、よくわからない。色々と手をかけないと人工生命はできないはずだから、インテリジェントデザインだということかな?

そういえば、インテリジェントデザインが理論モデルを作るのは早くても2011年になるという。
I asked this question in a private conversation with a prominent IDM leader in 2003. He acknowledged the need for a model but said that he and his colleagues would need at least eight more years to develop one.

2003年に私はインテリジェントデザイン運動の有力な指導者と個人的会話でこれを聞いてみた。彼はモデルの必要性を認めたが、彼と仲間たちがモデルをつくるのに少なくともあと8年は必要だろうと述べた。
[Hugh Ross: Creation as Science(pp.31-33)]
インテリジェントデザイン支持者たちは急がないと、人工生命によって証明されるはずのインテリジェントデザイン理論モデルが間に合わなくなる。

おっと、そうでもないか。DaveScotが言ったのは"concept"だった。
タグ:id理論
posted by Kumicit at 2007/08/21 00:01 | Comment(2) | TrackBack(0) | Dembski | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
生命の人工合成に成功したら、彼らの一味である宗教右翼的にはダメージが大きいと思うのですが、その辺はどう考えているんでしょうね。
なんか脊髄反射で反応しているような感がぬぐえません。
Posted by 黒影 at 2007/08/24 01:04
ご存じのとおり、インテリジェントデザインの論理は、神と人間を同じインテリジェントエージェンシーとして扱うこと、すなわち、「時計と時計職人」vs「生命と生命職人=神」というアナロジーで、成り立っています。

なので、インテリジェントエージェンシーたる人間が生物を合成することは、インテリジェントデザインにとっても、創造論にとっても、何の問題もないはずです。建前上、情報源がインテリジェントエージェンシーであれば、そのあとに自然選択が働いてもかまわないわけで。

ところが、統一教会信者Dr. Jonathan Wellsなどは怒りまくり。
http://www.evolutionnews.org/2007/08/prediction_on_artificial_life.html

この「人間にできるのは部品の再構成であって、生命の合成そのものはできるわけがない」という反応からすると、Dr. Jonathan Wellsは「人間と神はまったく別物だ」と考えているようです。

ということは、「創造論を科学にしようとして作ったインテリジェントデザインと神への信仰がバッティング」していて、「人工生命」でそれが明らかなものになりそうで、とりあえず怒っている状態かも。
Posted by Kumicit 管理者コメント at 2007/08/25 12:30
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