2007/09/21

キリスト教系学校向け生物の教科書はこんなもの (1)

Panda's Thumbの執筆者のひとりMike Dunfordが、Biology for Christian Schoolsという教科書にブチ切れそうな記述を見つけた。それは3rd edtion p.225にあった次のパラグラフ:
Analysis of Darwin's Theory ダーウィン理論の分析

Today scientists know that the inheritance of acquired characteristics by pangenes is false. When introduced, however, Darwin's pangenes sounded interesting and scientific. The abundant examples of natural selection he gave in his works were accepted as adequate proof of pangenes. Examples of natural selection, however, have little to do with proving the inheritance of acquired characteristics through pangenes.

パンゲンによる獲得形質の遺伝が間違いだということ、今日の科学者たちは知っている。しかし、ダーウィンのパンゲン説を唱えたとき、それは興味深く、科学的に見えた。ダーウィンが自身の著作で提示した自然選択の例は、パンゲン説の適切な証明であると認められた。しかし、自然選択の例はパンゲンによる獲得形質の遺伝の証明とは、ほとんど関係がない。

[William S. Pinkston et al.: "Biology for Christian Schools [TEACHER'S EDITION] (Spiral-bound)"]
宗教学校向けの理科の教科書で、「Teach the Controversy」をやると、こんな記述が出てくる。

UC Berkeley Newsによると、こんな記述も:
Bones of the Upper Exremities

God designed our upper extremities for both strength and dexterity; the large bones and muscles of the shoulders and arms provide great strength, while the intricate structures of the wrists and hands allow for precision movements. Each upper limb is composed of a total of 30 bones, only three of which form the arm itself; the remaining 27 bones from the wrist...

強さと巧みさを実現するように、神は我々の腕をデザインした。型と腕の大きな船と筋肉が強さを実現し、手首と手の複雑な構造が正確な運動を実現する。上腕部は30の骨で構成されるが、3個の骨だけが腕を構成し、27個の骨は手を構成する。
さすがは宗教学校用の理科教科書である。神様が簡単に登場。

憲法の定める政教分離原則によって、公立学校の理科には侵入できない神様だが、宗教系私学だと、その制限はないので、あっさり侵入している。

南部バプティスト連盟系の私学が増殖することになれば[1]、危険なことになりそう。


関連エントリ

キリスト教系学校向け生物の教科書はこんなもの (2) (2007/10/01)
公立学校から子どもを取り出す福音主義者たち (2006/09/17)
posted by Kumicit at 2007/09/21 01:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | Creationism | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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