2007/12/10

DembskiとJonathan Wellsによるインテリジェントデザイン副読本の一部紹介から(3)

インテリジェントデザインの数学・哲学・神学担当Dr. William Dembskiと、生物担当その2の統一教会信者Dr. Jonathan Wellsによる、インテリジェントデザイン副読本改訂版"Design of Life"の特設ページにある、本文ちょびっと紹介な「Design of Life Excerpts」を見てみよう....の残り。

"The claim that natural laws are sufficient to account for the origin of life is far-fetched. Natural laws work against the origin of life. Natural laws describe material processes that consume the raw materials of life, turning them into tars, melanoids, and other nonbiological substances that thereafter are completely useless to life." (Ch.8)
自然法則が生物の起源を説明するのに十分だという主張は、不自然である。自然法則は生命の起源に反するように働く。自然法則は生命の原料を消費して、生命にまったく役に立たないタールやメラノイドや非生物物質に変える過程を記述する。(Ch.8)
なんとなく、古典的な創造論者の主張。このあたりも、Jonathan Wellsな感じ。Jonathan Wellsは創造論者の本から適当にネタを拾ってページを埋めたのかな?

これは定番というか、ちょっとネタとしては古いめだが、目は進化できないシリーズ:
"Darwinists have traditionally hidden behind the complexities of biological systems to shelter their theory from critical scrutiny. Choose a biological system that is too complex, and one can't even begin to calculate the probabilities associated with its evolution. Consider the eye. A widely held myth in the biological community is that Darwin's theory has explained the evolution of the vertebrate eye. In fact, the theory hasn't done anything of the sort." (Ch.7)
ダーウィニストたちは伝統的に、生物学的システムの複雑さの背後に、彼らの理論を隠して、批判から護ってきた。複雑すぎる生物学システムを選んでも、それが進化の可能性を計算することすら不可能である。生物学界に広まっている神話はダーウィンの理論が脊椎動物の目の進化を説明したというものである。しかし、実際には何も説明できていない。(Ch.7)
これも、Jonathan Wellsによる創造論本のコピペみたい。

新奇な主張をする本ではなく、コンパクトに創造論者ではなくインテリジェントデザインの主張をまとめて提示するのが目的なので、これはこれでもいいけどね。

Machines act blindly and automatically -- they are not responsible moral agents who can legitimately be blamed for their actions. For Clarence Darrow, evolution justified a biological determinism that turned humans into puppets of their evolutionary past." (Ch.9 Epilogue: The "Inherit the wind" stereotype)
マシンは盲目に自動的に動く。それらは自らの行動について責めを正当に受けられる、責任ある倫理実行者ではない。クラレンス・ダローにとって、進化は人間を進化の過去の操り人形に変えた生物学的決定論を正当化するものだった。(Ch.9)
この章はScopes Trialをスペシャルに扱った章なので、そのときの弁護士Clarence Darrowが登場している。基本的に第9章は、Scopes Trialにおける反進化論州法サイドを擁護する内容だが、この紹介部分は、それを露骨には出したくなかったのかな。


そして、最後はまったく正しい言明:
"Gould admits that anything Dawkins really cares about regarding biological structures -- their origin, function, complexity, adaptive significance -- is the product of natural selection. Gould was as much a Darwinist as Dawkins." (Ch.3)
グールドは、ドーキンスが起源・機能・複雑さ・適応度などの生物学的構造について問題にしたことをすべて自然選択の産物であると認めた。グールドはドーキンスと同じくダーウィニストだった。(Ch.3 Fossil Record)
インテリジェントデザインの本山たるDiscovery InstituteはStephen J Gouldの唱えるNOMAを認めない[ie Benjamin Wiker, 2003]ので、当然のことながら、Stephen J Gouldは敵。


ということで、「一部紹介から」はおしまい。

関連エントリ

DembskiとJonathan Wellsによるインテリジェントデザイン副読本登場 (2007/11/25)
DembskiとJonathan Wellsによるインテリジェントデザイン副読本のFAQ (2007/11/30)
DembskiとJonathan Wellsによるインテリジェントデザイン副読本の一部紹介から(1) (2007/12/04)
DembskiとJonathan Wellsによるインテリジェントデザイン副読本の一部紹介から(2) (2007/12/05)
posted by Kumicit at 2007/12/10 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | Dembski | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック