2008/04/17

Expelled試写会Q&Aで気に食わない質問者に...

PZ Myers準教授を追い出しても、ちっともうまくいかないインテリジェントデザイン宣伝映画Expelledの試写会。NewScientistからも試写会に参加した報告が掲載されている。これによれば、プロデューサーMark MathisはQ&Aタイムでネタを提供した模様:
I shot my hand up to ask a question. "The intelligent design movement has gone to great lengths to argue that intelligent design is not religion, that it's science. And you made a whole film arguing that it is religious. How do they react to that?"

"Well," Mathis said, "I guess it makes them a little uncomfortable."

私は手を挙げて質問した「インテリジェントデザイン運動は、インテリジェントデザインは宗教ではなく、科学だと主張するために、あらゆる手段をつくしてきた。そして、あなたの映画では、インテリジェントデザインが宗教だと論じている、彼らはどう思うだろうか?」


Marthisは「さて、たぶん、彼らは少し不快だろうと思う。」と答えた。

[Amanda Gefter: Are ID proponents being silenced? (2008/03/24) Short Sharp Science]
インテリジェントデザイン宣伝映画Expelledはインテリジェントデザインは宗教だと主張したとあっさり認めるMark Mathisである。それでは理科の授業に侵入できなくて当然。


Some arguing ensued concerning the scientific merits of ID, and someone asked, "Where's the evidence? Where are the peer reviewed papers?" to which Mathis proudly proclaimed, "Actually, there are ten peer reviewed papers."

A guy in the front row scoffed. "Ten papers?" he asked sarcastically.

Mathis told the guy not to interrupt, and then mockingly called him "Mr Darwinist." Zing!

インテリジェントデザインの科学的メリットについて議論があったと、誰かが「証拠はどこに?査読のある論文は?」と訊いた。これにMathisは自信を持って「10本の査読のある論文がある」と述べた。

前列の誰かが「10本?」とあざ笑って問い返した。

Mathisは人の話を遮らないようにと言ってから、その人を「ミスターダーウィニスト」と呼んだ。

[Amanda Gefter: Are ID proponents being silenced? (2008/03/24) Short Sharp Science]
インテリジェントデザインの始まりが1990年代初頭なので、10本だと年間1本にも満たず、研究者0.5名分の生産量。無に等しいわけだが、無に等しいというのはダーウィニストになるらしい。これはまあお約束の会話だが、この後...

さらに、学問の自由とかなんとか主張するExpelledだが、実態は逆だと示すパフォーマンスをやってしまう:
Another man in the front row wondered about the film's premise that supporters of ID are being silenced. He pointed out that a recent trial about the teaching of intelligent design held in Dover, Pennsylvania, gave supporters of intelligent design all the time in the world to make their case, but most of the 'leading lights' of ID didn't even show up.

When Mathis was responding, the guy asked another question, and the producer shot back, "How about you let me finish talking?" Then, a security guard for the film approached the calmly seated man and told him, "I may have to ask you to leave."

"Does anyone else see how ironic this is?" the guy asked.

"Shut up!" someone shouted from the back.

前列のもう一人の男性は、インテリジェントデザイン支持者が沈黙しているという映画の前提が怪しいと指摘した。彼はペンシルバニア州Doverでのインテリジェントデザインを教えることについての裁判で、常に世界中でインテリジェントデザイン支持者たちが実例を作ろうとしているが、インテリジェントデザインの指導者たちは姿が見えなかったと指摘した。

Mathisが答えていると、その男性はさらに質問した。Mathisは「最後まで話させてくれないか」といった。そうすると映画の警備員が、静かに席についていいる男性に近づいて、「退出をお願いしなければならなくなる」と告げた。

「これは見事な皮肉だと思わないか?」とその男性は言った。

背後のほうから誰かが「黙れ!」と叫んだ。

[Amanda Gefter: Are ID proponents being silenced? (2008/03/24) Short Sharp Science]
これは見事な、異論は力で抑えるというパフォーマンス。



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タグ:id理論
posted by Kumicit at 2008/04/17 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | News | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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