2010/04/14

シミュレーション・アーギュメントとインテリジェントデザイン

シミュレーション・アーギュメント関連のエントリを忘却からの帰還 ATWIKIバージョンに再配置した。



シミュレーション・アーギュメントとインテリジェントデザイン



シミュレーション・アーギュメントという論が前世紀末からある。これは、我々が現実世界ではなく、虚構世界に生きている確率を論じるものである。

技術的に成熟した人類の次の段階の文明には、巨大な計算力があるだろう。この経験的事実に基づくと、シミュレーション・アーギュメントは次の命題のうち少なくとも一つは真であることを示す。(1)人類段階の文明が、次の段階の文明に到達する可能性は限りなくゼロに近い。(2) 次の段階の文明は、自らの祖先のシミュレーションを実行することに興味を持つ可能性は限りなくゼロに近い。(3) すべての人々のうち、シミュレーションの中に生きている人々の比率は限りなく1に近い。
このシミュレーション・アーギュメントは原理的に反証不可能であり、科学ではなく論理学の範疇にある。


これに関して、Dr. Whitworthは、シミュレーション・アーギュメントを科学の版図内で証明する方法がないか探求しているが、それは無理で、やはり論理学の版図内にあるとしか言いようがない。


ところで、このシミュレーション・アーギュメントの特殊例として、インテリジェントデザインを考えることは可能かもしれない。


ただし、インテリジェントデザイン運動な人々は、シミュレーション・アーギュメントには関心がない。というか2007年まで存在すら知らなかった。


なお、シミュレーション・アーギュメントの(1)に関連して、誕生する人間の総数の推定だけを基に、人類の存続期間を予測すると主張するDoomsday Argument(終末論法)というものが存在する。


これは、シミュレーション・アーギュメントと同じく、コペルニクス原理に基づく論である。
posted by Kumicit at 2010/04/14 00:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010/03/12

インテリジェントデザイン(還元不可能な複雑さ)のアウトライン

「還元不可能な複雑さ」とはインテリジェントデザイン理論家Dr. Michael Beheが1996年に、漸進進化不可能性の証拠として提唱した概念である。

Systems are irreducibly complex if removing any one part destroys the system's function. Irreducible complexity in organisms indicates they were designed.

もし、部品を一個でも取り除くとシステムの機能が失われるなら、そのシステムは還元不可能に複雑である。生物器官にある還元不可能な複雑さは、それがデザインされたことを示す。

[Michael Behe: "Darwin's Black Box", New York: The Free Press. 1996]

このときBeheは、アナロジーとしてネズミ捕りを、生物器官の例として細菌の鞭毛を挙げている。これについての、インテリジェントデザイン運動側の簡単な解説が以下にある。



あまり言うことがないのか、同じセンテンスが繰り返されている。

それはさておき、この「還元不可能な複雑さ(Irreducible Complexity)」の定義が1974年に出版された"若い地球の創造論"(創造科学)の本"Scientific Creationism"に書かれている。

The problem is simply whether a complex system, in which many components function unitedly together, and in which each component is uniquely necessary to the efficient functioning of the whole, could ever arise by random processes. The question is especially incisive when we deal with living system. Although inorganic relationships are often quite complex, living organisms are immensely more so. The evolution model nevertherless assumes all of these have arisen by chance and naturalism.

問題は、多くの部品がいっしょになって機能し、全体が効率的に機能するには個々の部品が代替不可能な必須である複雑なシステムが、ランダムな過程によって形成されるかどうかだ。この問題は我々が生物システムを取り扱うときに痛烈な問いとなる。非有機的な関係でもしばしば複雑になるのだから、生物でははるかに複雑になる。進化モデルはこれらすべてが、偶然と自然主義によって起こったと仮定する。

[Henry M. Morris: "Scientific Creationism", 1974, 1985, p.71]

また、Beheが例として挙げた鞭毛も、すでに創造科学のネタとして使われている。つまり、Beheの還元不可能な複雑さは、創造科学のパクリ、あるいは再包装である。



ただし、Beheは還元不可能な複雑さの例として、鞭毛以外に、血液凝固系、免疫系などを挙げており、それらについては創造科学のネタではなく、Beheオリジナルである。

これらの例は、実際にはどうかというと、何らかの形で分解されている。鞭毛はType III Secretory Systemのコオプションの可能性が指摘され、ヤツメウナギの血液凝固系は半分でも機能していることが示され、免疫系も分解されている(末尾参照)。



このことは、たまたまBeheが挙げた例が進化可能だったということにとどまらない。もっと重要なことは「部品を一個でも取り除くとシステムの機能が失われる」ことが「進化不可能」を意味しないことが示されていることだ。


アナロジーが理論の一部になっているインテリジェントデザイン


「還元不可能に複雑な」ものが分解されてしまうと、「還元不可能な複雑さ」は何の意味もない概念になってしまった。

これとともに、そもそもの「還元不可能な複雑さ」には、「アナロジーが理論の一部を構成」しているという問題がある。実際、インテリジェントデザイン運動側は「アナロジーの例と実際の例に十分な類似性があるなら、アナロジーによる議論は有効でありうる」とIDEA FAQなどで堂々と述べている。



しかし、そもそも、アナロジーは可能性の示唆はできても、証明にならないと既にHumeが論じている

アナロジーは、科学的な仮説と同じように、可能性を「示唆」するだけであって、決して証明にはなりえないのである。科学の仮説は実験によって検証しうる。しかし、創造の背後にある知性についての仮説が同じようなやり方で検証し得ないのは明らかだ。世界が創造される現場を目撃した人はいないからだ。

我々が知っているのは一つの世界だけである。もし様々な世界を比較検討できるのであれば、「この」世界のほうが「あの」世界よりも機械に似ているとか似ていないとか言えるだろう。しかし、世界の単一性を奉じている我々に、どうしてこのような優劣の選択が正当化できるのか。

[JH ブルック: 科学と宗教, pp.201-203]




「ネズミ捕り」のアナロジーで語られた「還元不可能な複雑さ」をめぐる論争は、生物器官の進化可能性という生物学の世界とともに、アナロジーの世界でも進むことになってしまった。

Beheの提示した部品5個で構成されるネズミ捕りについて、部品1個からの漸進進化や、ネクタイピンからのコオプションなど「進化可能」な経路が提示された。



新しいところでは「血液凝固系」をめぐる論争がある。人間などが持つ血液凝固系の半分の部品でヤツメウナギの血液凝固系が構成されていることがわかったとき、インテリジェントデザイン支持者Casey Luskinは格調高く、「一輪車が機能しても、前輪のない自転車は機能しない」と述べた。Casey Luskinnは、かっこよく決めたつもりだったが、血液凝固系ではなく自転車ネタで対抗されて、笑われてしまうことになった。




「還元不可能な複雑さ」は"God of the gaps"詭弁となる



いまひとたび、「還元不可能な複雑さ」の定義を見てみよう。

もし、部品を一個でも取り除くとシステムの機能が失われるなら、そのシステムは還元不可能に複雑である。生物器官にある還元不可能な複雑さは、それがデザインされたことを示す。

ここで問題となるのは、進化不可能性を示すとBeheが主張する「還元不可能な複雑さ」という概念によって検証できるのは、まさに進化論ではないのかという点である。還元不可能に複雑な生物器官がデザインだと結論する理由・論理がどこにも示されていないのだ。



そうなると、「還元不可能に複雑な生物器官は進化不可能なので、デザインだ」と言ってしまうと、それはまさに「科学で説明できないものは神様のせいなのさ」という"God of the Gaps"詭弁そのものになってしまう。

実際、インテリジェントデザイン理論家(数学・神学)は、インテリジェントデザインの反証可能性として、「還元不可能に複雑な生物器官について進化過程が示される」を挙げている。




哲学者Soberが還元不可の複雑さを斬る



「還元不可能な複雑さ」という概念でデザインの存在の証拠を示したとみなしているインテリジェントデザイン運動だが、ちっともそうでないことを哲学者はSoberは明らかにした。



「還元不可能な複雑さ」を創れるインテリジェントデザイナーは「還元不可能に複雑な」のかと言う点を誰も語っていないこと。もし、
「還元不可能な複雑さ」を創れるインテリジェントデザイナーは「還元可能に単純」だったとしたら、どうなるだろうか?

論理的には、突然変異と自然選択というシンプルな「デザイナー」によってでも進化は可能だと言っていることになる。すなわち、「還元不可能な複雑さ」は進化論を支持することになってしまう。

それが嫌なら、「還元不可能な複雑さ」を創れるインテリジェントデザイナーは「還元不可能に複雑」であると明示する他ない。そうなると、そのインテリジェントデザイナーもまた、「還元不可能に複雑な」存在によって創られないと存在しえなくなる。最終的には「還元不可能に複雑な」第一原因がなければならない。すなわち、現実がどうであれ、概念の定義上、超越的神の存在を仮定することになる。





Dr. Michael Beheは還元不可能な複雑さに関して、次のように豪語していた:
There has never been a meeting, or a book, or a paper on details of the evolution of complex biochemical systems.

複雑な生化学系の進化の詳細についての学会や本や論文はまったく存在しない。

[Michael Behe: "Darwin's Black Box", 1996]
しかし、Kitzmiller v. Dover裁判で、免疫系につい、こんなやりとりがあった。
ERIC ROTHSCHILD. And when I say new, I just meant different from the eight that I identified with Dr. Miller.

私が新しいものと言ったのは、Dr. Millerが挙げた8つの論文とは別にあるという意味です。

MICHAEL BEHE. Yes, that's right.

そのとおりです。

ERIC ROTHSCHILD. A minimum of fifty, and you're right they're not all new. Some go back as early as 1971, and they go right through 2005, and in fact there's a few that are dated 2006, which I guess would indicate a forthcoming publication.

少なくとも50の論文があります。それらがすべて新しいわけではないということについては、あなたは正しい。いくつかは1971年の論文であり、2005年のものまであります。そして、2006年のものは少しあります。これは、さらに新しい論文が登場することを示していると考えられるでしょう。

MICHAEL BEHE. I assume so.

私もそう思います。

ERIC ROTHSCHILD. Okay. So there's at least fifty more articles discussing the evolution of the immune system?

はい。したがって、免疫系の進化について論じた論文が、少なくとも50あることになります。

MICHAEL BEHE. And midpoint I am, I certainly haven't had time to look through these fifty articles, but I still am unaware of any that address my point that the immune system could arise or that present in a detailed rigorous fashion a scenario for the evolution by random mutation and natural selection of the immune system.

私は確かに時間がなくて、これら50の論文に目を通していませんが、免疫系が出現可能あるいは、免疫系のランダムな突然変異と自然選択による進化についての詳細かつ厳密な形でシナリオを提示したものという私が指摘点に該当するものを知りません。

...

ERIC ROTHSCHILD.. And in addition to articles there's also books written on the immune system?

これらの論文に加えて、免疫系について書かれた本がありますね?

MICHAEL BEHE lot of books, yes.

多くあります。

ERIC ROTHSCHILD. And not just the immune system generally, but actually the evolution of the immune system, right?

そして、それらは免疫系について書いているだけでなく、実際に免疫系の進化について書いてありますね?

MICHAEL BEHE. And there are books on that topic as well, yes.

そのようなトピックについての本はあります。

ERIC ROTHSCHILD. I'm going to read some titles here. We have Evolution of Immune Reactions by Sima and Vetvicka, are you familiar with that?

本の題名をいくつか読み上げます。Sima and Vetvickaの"Evolution of Immune Reactions"はご存知ですか?

MICHAEL BEHE. No, I'm not.

知りません。

ERIC ROTHSCHILD.. Origin and Evolution of the Vertebrate Immune System, by Pasquier. Evolution and Vertebrate Immunity, by Kelso. The Primordial Vrm System and the Evolution of Vertebrate Immunity, by Stewart. The Phylogenesis of Immune Functions, by Warr. The Evolutionary Mechanisms of Defense Reactions, by Vetvicka. Immunity and Evolution, Marchalonias. Immunology of Animals, by Vetvicka. You need some room here. Can you confirm these are books about the evolution of the immune system?

これらは免疫系の進化についての本ですね?

MICHAEL BEHE. Most of them have evolution or related words in the title, so I can confirm that, but what I strongly doubt is that any of these address the question in a rigorous detailed fashion of how the immune system or irreducibly complex components of it could have arisen by random mutation and natural selection.

ほとんどの題名に進化か、進化に関連する言葉が入っているので、そうだと言えます。しかし、これらが、厳密かつ詳細な形、あるいは免疫系や還元不可能に複雑な部品がランダムな突然変異と自然選択によって出現した方法を指摘していないのではないかと思います。

immune_evolution_michael_Behe.jpg

[Kitzmiller v. Dover Area School District
Trial transcript: Day 12 (October 19), PM Session, Part 1
]
研究者ひとりが読める文献の量は無限ではなく、Dr. Michael Beheが免疫系の進化についての論文や本を読み通していないことは何ら不思議ではない。それは問題でもなんでもない。

ただ、「複雑な生化学系の進化の詳細についての学会や本や論文はまったく存在しない。」というBeheの記述は、関連する大半の文献に目を通すことなく書かれたものである。そして、それが、「還元不可能な複雑さが進化不可能性を示す」根拠となっている。それが問題。
posted by Kumicit at 2010/03/12 07:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010/02/22

インテリジェントデザインのアウトライン

あらためてインテリジェントデザインについて概説しようとすると、以下のようなアウトラインになりそう。


多様な創造論が米国には存在している。

==>創造論の連続分布

その中でも40〜50%の人々が信じているのが、地球も宇宙も6000歳で、人類は現在の形で6000年前に創造されたという"若い地球の創造論"(創造科学)である。

==>世論調査

20世紀初頭には進化論教育を禁止するなどの動きがあったが、紆余曲折を経て、公立学校から創造論が排除され、進化論教育がおこなわれるようになってきた。そして、最後に残った創造論教育は、ルイジアナ州の「進化論と創造科学を同一時間教えることを義務付けた州法」だった。

これは、1987年に連邦最高裁で米国憲法の定める政教分離原則に反するとの判決が出て、葬り去られた。

==>Edwards v. Aguillard裁判(1987)

この違憲判決で公立学校から完全に排除された創造論者たちは、再度侵入を果たすべく動き始めた。

コンテンツはそのままに、「創造論」を「インテリジェントデザイン」に、「創造論者」を「デザイン支持者」に書き換えることで、再侵入を果たそうという試みもそのひとつだった。

==>Common Descentな創造科学とインテリジェントデザイン

創造論の副読本として編集が進んでいた"Of Pandas and People"もそのように書き換えられた。しかし、その過程で全置換に失敗した。

==>中間化石 cdesign proponentsists

もちろん、この書き替えだけでは公立学校への再侵入は果たせない。もはや宇宙も地球も6000歳とは言えない。しかし、宇宙は135億歳・地球は45億歳と言っても、45%の"若い地球の創造論"支持な人々はついてこない。

そこで、宇宙と地球の年齢を棚上げし、研究の対象外にした。これは、"古い地球の創造論"を支持する人々をも取り込むために都合がよかった。

==>ID理論の主導者Phillip Johnsonは進化論は有神論と相容れないと語った

そして、インテリジェントデザインのコンセプトができあがる。

==>インテリジェントデザインの定義あれこれ
==>IDEA Center FAQ (ショート版2)
==>IDEA Center FAQ (ショート版1)

ここで重要になるのが、デザインの検出。聖書ではなく科学で、生物が進化したのではなく、インテリジェントデザイナーによってデザインされたことを示す手段。それが、Demhbskiの説明フィルタだった。

==>どのようにデザインを検出するのか(IDEA Center FAQ)

そして、デザインの検出をSETIになぞらえた。しかし、その過程で、59は素数ではなくなった。

==>インテリジェントデザインでは59は素数ではない by Dembski

SETIとデザインの検出の根本的違いをつきつけられることになる。SETIは異星人の属性を仮定するが、インテリジェントデザインはデザイナーの属性を仮定しない。SETIは信号を見つけた所から研究が始まるが、インテリジェントデザインはデザインを見つけたら研究完了。

==>SETIとIDのアナロジーをめぐる戦い〜Robert Camp
==>SETIとIDのアナロジーをめぐる戦い〜PvM
==>「SETIはデザイン推論」ではない

SETIとのアナロジーとは別に、Dembskiの説明フィルタが古典的な詭弁である「God of the gaps」(科学で解明できないものは神様のせいなのさ)そのものだと指摘される。

==>God of the gaps詭弁および関連の詭弁
==>どのようにデザインを検出するのか(IDEA Center FAQ)

これに対抗して...

==>インテリジェントデザインは"God of the Gaps"ではない

あまりにも明瞭な"God of the Gaps"形式であるため、言い逃れしようがない。そこで...

==>科学も"Natural Law of the Gaps"だ

しかし、「進化したはずだ」というのは研究の始まりであって、結論ではないという、SETIとのアナロジーと同じ問題につきあたる。

そして、もうひとつ、ハイレベルのコンセプトである共通祖先と、ロウレベルの理論である個々の生物器官の進化メカニズムの違いにも突き当たる。個々の進化メカニズムが解明しつくされなくとも、ハイレベルのコンセプトである共通祖先は確立されている。

==>進化論は正しいと言う創造論者
==>創造論者の攻撃に対して"共通祖先"が無傷である理由


そんなこんなで、インテリジェントデザインは中味の何もない"理論"になったが、それを気にする者は支持者にもいなかった。所詮は進化論は間違っていると言えれば内容など不要だったからだ。

==>復習インテリジェントデザイン

そんなものが科学であるわけもなく...

==>インテリジェントデザインが科学ではない理由

ペンシルバニア州Dover学区に侵入を果たしたものの、すぐに違憲判決を受けた。

==>Kitzmiller v. Dover裁判(2005)

それでインテリジェントデザインが終わるわけではないが、同様の試みは困難になった。



還元不可能な複雑さやNFL定理の意図的誤用などは後回し。
posted by Kumicit at 2010/02/22 02:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009/11/25

"Common Design"

「相同性は"Common Descent"あるいは"Common Ancestor"の証拠ではない」という主張をするために、インテリジェントデザイン支持者と創造論者が仲良く使っている用語に"Common Design"というのがある。

わかりやすい定義は、こんなかんじ:
[John H. Calvert: "INTELLIGENT DESIGN IS GOOD SCIENCE" (2006/08) on Intelligent Design Network]

Furthermore, the patterns reflected by the fossil record and genetics cited by Materialists in support of their claim, are actually more consistent with a claim of common design then a claim of gradual descent with modification in the pattern of a branching tree. Thus, the evidence tends to rule in design as the best explanation for much of the diversity of life.

唯物論者たちが自らの主張を支持するものとして挙げる化石記録と遺伝子を反映したパターンは、分岐する樹状パターンの漸進的な"変化を伴う系統"の主張よりも、"Common Design"の主張の方が実際的には適合している。したがって、生命の多様性についてデザインが最もよい説明として認められる傾向がある。

...

Design Theorists argue that all of this evidence is also consistent with an intelligent cause. Antibiotic resistance appears to result from a system having an extraordinarily high mutation rate, perhaps that is a design feature of the system. Although the fossil record shows increasing complexity it also shows long periods of stasis, very sudden increases in complexity, the absence of many transitional forms, and many instances of novel systems arising repeatedly without any apparent common ancestor. All of these clues as well as common bio-software, implicate common design rather than unguided evolutionary change. Because the clues the materialist is using are consistent with both design and materialism, they prove neither. To show a material explanation as the “best” of the two, he must show positive evidence for his claim and show evidence that tends to rule out the evidence of design. In many respects his evidence does neither

デザイン理論家はこれらすべtねお証拠がインテリジェントな原因とも整合すると論じる。抗生物質抵抗性は高い突然変異率のシステムから生じるが、これはおそらくシステムのデザイン特性だ。化石記録は複雑さの増大を示しているが、長い安定状態と、突如の複雑さの増大と、多くの中間化石のけつじょと、共通祖先なしに新システムが登場する。これら手がかりすべては、共通の生物ソフトウェアとともに、導きない進化による変化よりも"Common Design"を意味している。唯物論者が使う手がかりは、デザインとも唯物論とも整合するので、それらはどちらも証明しない。唯物論的説明が2つのうちの最良であることを示すには、その主張を支持するポジティブな証拠を示し、デザインを除外する証拠を示すべきである。多くの点で、証拠はどちらも示さない。
もちろん、「そうとも言える」という説明はオッカムの剃刀に引っかかるだけなので、科学のフィールドでは無意味なインテリジェントデザインの主張。ただし、創造論支持者たちには訴求力はあるだろう。

それはさておき、オッカムの剃刀に引っかかるだけの"Common Design"を持ちだしたインテリジェントデザイン支持者たちだが、その意味するところは語られることは、ほとんどない。

普通、"Common Design"とは、能力的にばらつきのある複数デザイナーに基本設計と部品共通化させるための守るべきパターンだったり、大失敗しないための設計指針だったりする。

そして、複数デザイナーに"Common Design"規約を厳格に守らせたら、変なデザイン続出。腰痛不可避な二足歩行のデザインも、その例とか。ゼロベースの再設計ができないと、無理なデザインになるのは仕方がない。

とはいえ、ゼロベースの再設計は土地勘が効かないので、大失敗になりやすい。有限な能力しかないデザイナーが、前任から引き継いだ設計指針の範囲でものづくりするのが正解かもしれない。

とすると、"Common Design"規約を構築するまでに、不様な失敗作が山積みで、その後に収束・洗練というところ。そして、成功と失敗の判断は、それなりの時間をかけた自然選択に委ねると。もし、デザインの成否を即判断できるなら作るまでもない。だいたいCommon Design規約など不要。

もちろん、完全かつnon commonだと、逆に複数デザイナーが存在するように見えるので、あえて変なデザインになっても、Common Designにしたと言う主張もある:

==>デザイナーの意図を解明するインテリジェントデザイン支持者ReMine (2007/03/23)

でも、それなら人間中心設計でも良さそうだが、何故か腰痛仕様。

まあ、行き当たりばったりに生物を創造して、次第に使えるデザインを見いだしていきつつも、正確に至ることのないデザイナーたち。というのは、洪水を起こしてから結果に驚くシュメールの神々には似つかわしいが、雷神の成れの果てのヤウェには不似合い。

現代的なスタイルだと、God Inc,のProduct Developmentとか...


タグ:id理論
posted by Kumicit at 2009/11/25 01:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009/10/10

創造論者の主張:インテリジェントデザイン関連こんぷ

Mark Isaakの創造論者の主張( Index to Creationist Claims )の和訳を増強して、CI(インテリジェントデザイン)の項目をコンプした。まだ、先は長そうだけど、一通りは始末するつもり。


posted by Kumicit at 2009/10/10 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする