2006/01/27

簡単にインテリジェントデザインを語ってみる

とりあえずキーワード3つでインテリジェントデザイン

  1. 創造論から進化論への連続性
  2. "God of the gaps"論としてのインテリジェントデザイン
  3. 経験的に検出可能


1: 創造論から進化論への連続性


  1. 平らな地球(Flat-Earthism)

    • 地球は円板である。主唱者がお亡くなりのため消滅状態らしい

  2. 地球中心(Geocentrism)

    • 地球は球だが動かない。

  3. 若い地球の創造論(Young Earth Creationism)

    • 銀河系・太陽系は科学どおり
    • 旧約聖書創世記は字義通り正しく、創造は6日間(1日=24時間)
    • 地球の年齢は約6000年
    • 生物は進化しない
    • 創造科学(Scientific Creationism)は"若い地球の創造論"ベースの"科学"。
    • Ken Ham主宰のAnswers in Genesisがもっともアクティブな"若い地球の創造論"サイト

  4. ギャップ創造論(Gap Creationism)

    • 創造は6日間(1日=24時間)
    • 地球の年齢は45億年。ただし、創世記と次の間に数十億年の隙間がある
    • 生物は進化しない

  5. 日-時代 創造論 (Day-Age Creationism)

    • 創造は6日間だが、創世記の1日は非常に長い(億年単位かも)
    • 地球の年齢は45億年。
    • 生物は進化しない?

  6. 進歩的創造論( Progressive Creationism)

    • 地球の歴史は科学どおり
    • 小進化するが、大進化や生命の起源は神による
    • 人類と猿は共通祖先を持たない

  7. 有神論的進化論(Theistic Evolution/Evolutional Creationism)

    • 進化については科学どおり
    • ただし神は進化を通して人類を創造した

  8. 理神論(Deism)

    • 神は宇宙を創造したら、いなくなった



これらのうち、有神論的進化論と理神論は進化論サイド、進歩的創造論までが創造論に分類される。理科の授業に入れるのは違憲となった創造科学は、若い地球の創造論に相当する。

インテリジェントデザインは若い地球の創造論と古い地球の創造論の両方と互換性をとるために、地球と宇宙の年齢やノアの洪水に言及しない。形式基本的には進歩的創造論に位置するようにも見えるが、生物の進化史を含む地球の歴史そのものが取扱対象外となっている。(2009/01/10修正)

カトリックとメインラインバプテストはおおよそ有神論進化論あたりに位置しており、理科教育に創造論を入れることには反対。2005年12月にペンシルバニア・ドーバーでインテリジェントデザインを違憲判決に持ち込んだ原告代理であるAU(政教分離のための米国人同盟)は、メインラインバプテストの指導者が代表をつとめている。また、バチカンはインテリジェントデザインは科学ではなく、理科で教えることは間違いという意見を表明している。

これに対して、南部バプテスト系。本来は若い地球の創造論を支持しているが、理科教育への侵入という目的の都合でインテリジェントデザインを支持している。若い地球の創造論の"神様"を"インテリジェントデザイナー"に全置換すれば、インテリジェントデザインだと思っている人も多いようだ。

2: "God of the gaps"論としてのインテリジェントデザイン
インテリジェントデザインとは

  • 生物および宇宙のデザインは知的原因によってもっともよく説明される
  • デザインは経験的に検出できる

という前提で、生物構造および宇宙を見る。主として相手は生物で、宇宙論はもののついで。

ただし、あらゆるものすべてをインテリジェントデザイナーによるデザインであると言ったのでは、信憑性も説得力もない。そこで

  • 自然法則に従って必然的におきる現象はデザインではない
  • 偶然(確率的にそこそこでおきる)による現象はデザインではない
  • "意味"がない現象はデザインではない

として、既に科学が説明済みの現象は対象としない。

つまり、科学の隙間に神様の居場所を確保する。というより、科学に説明できないことをデザインであることの論拠とする。「科学には説明できないことがある。それは神様のせいなのさ」という論。これを一般に"God of the gaps"論という。

3: アナロジーが理論の一部経験的に検出可能

"経験的に検出"可能であるという前提があるため、インテリジェントデザインは理論にアナロジーが含まれているアナロジーで論を語ることになる。「道端の落ちてる石ころは自然現象だが、道端に落ちてる時計は誰がみても"時計職人"によるデザインだ」から、同様に生物構造にもデザインを見つけられる...(2009/01/10修正)

  • "意味"のある情報である (Specified)
  • 複雑すぎて偶然では説明できない (Complex)
のがデザインの条件となる。これを"指定された複雑さ"(Specified Complexity)と呼ぶ。

ただし、そもそも"意味"も"複雑さ"も定義があやしいしろもの。経験的には"意味"も"複雑さ"も明白な言葉だが、数学的には定義しずらい。

たとえば、米国西部方面にはネイティブアメリカンが生活用に使っている橋のような、自然の造形があったりする。見た目も用途も人工物であり、"意味"のある構造物だが誰もデザインしていない。
複雑さには、その文字列を生成するに必要最小限のプログラムサイズというコルモゴロフ複雑性という定義がある。しかし、インテリジェントデザインでは"複雑さ"についての定義は、"とても複雑なので自然にできるには確率が小さすぎ"というものでしかない。


posted by Kumicit at 2006/01/27 12:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006/01/24

IDEAセンターのID理論FAQをながめる(3)

インテリジェントデザインを大学生に広めるIDEA CENTERの作ったFAQを眺めるの3回目。インテリジェントデザイナーに迫る質問に、関知しないと答える部分。


どのように、いつデザイナーはデザインしたのか?
デザイナーをデザインしたのは誰か?
デザイナーのアイデンティティは?
デザインされた物の目的を言えるか?
デザイナーはデザインにどんなメカニズムを使ったのか?
ある物は馬鹿にデザインされており、ある物はしょぼくデザインされている。准最適なデザインはインテリジェントデザインの反証ではないのか?
悪のデザインであるかのようにデザインされうるか?
インテリジェントデザインは奇跡や超自然を主張するのか?
インテリジェントデザインはインテリジェントデザイナーの存在を認めろと強要するものか?インテリジェントデザイナーが存在する証拠は?


特に最後の「インテリジェントデザイナーが存在する証拠は?」はとてもすばらしい回答だ。「インテリジェントデザイン理論そのものがインテリジェントデザイナーの証拠である。」だそうである。


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posted by Kumicit at 2006/01/24 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006/01/23

IDEAセンターのID理論FAQをながめる(2)

インテリジェントデザインを大学生に広めるIDEA CENTERの作ったFAQを眺めるの2回目。
疑似科学ではないという回答をする部分。もちろん、いかにも疑似科学な回答になっているのだが...

どのようにデザインを検出するのか?
インテリジェントデザインは"God of the gaps"論か?
インテリジェントデザイン理論は"説明されていないこと"を"説明できないこと"にしてしまう詭弁か?
インテリジェントデザインはただの"Arument from igonorance"か?
インテリジェントデザインはただの進化否定論か?
インテリジェントデザインは間違ってデザインされたと推論したり、すべてはデザインされたと推論しないか?
インテリジェントデザイン理論は科学探求を終わらせるもの"科学の停止装置"ではないか?
インテリジェントデザインは間違いだと証明されたのでは?


笑わずについてこれる人は....
posted by Kumicit at 2006/01/23 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006/01/22

IDEAセンターのID理論FAQをながめる(1)

インテリジェントデザインを大学生に広めることを主目的とするIDEA CENTERFAQがかなり増強されているので、一通りながめることにしたい。このFAQは「問い・短い答え・長い答え」という形式をとっているので、とりあえず「問い・短い答え」だけを紹介しつつ、ささやかにツッコンでおく。で今回は..

インテリジェントデザインとは何か?
インテリジェントデザインは予言できるか?検証可能か?
何かがデザインされたと肯定的に言えるか?
アナロジーでインテリジェントデザイン理論は正しいというのは適切か?
インテリジェントデザインは完全にダーウィン進化論を拒絶するのか?
インテリジェントデザインは科学的方法論を採っているか?
"生物機械"は人間が作る機械とは違いすぎる。デザインされた機械の例として考えられるのか?
インテリジェントエージェントとは何で、どう働くのか

をながめようと思う。


笑わずについてこれる人は....
posted by Kumicit at 2006/01/22 02:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005/12/05

インテリジェント・デザインを語る

いつも英文引用ばかりなので、今日はKumicitの言葉でインテリジェント・デザインを語ってみよう。なお、論拠はこれまでの「遠望」カテゴリで明示済み。


続きを読む(たぶんKumicitは酔っている...)
posted by Kumicit at 2005/12/05 00:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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