2005/11/13

Kumicitのまとめ「インテリジェント・デザイン」

2010/02/21追記: このエントリから時間がたって、それなりわかってきて、書き直した以下の再編集エントリを参照ください:





黒影さまにまとめていただいてしまったが

ID論関連クリップ[幻影随想]
これを機会に、私もいったんインテリジェントデザインについて、これまで書いてきたことを、まとめておこうと思う。

インテリジェントデザインの立ち位置
キリスト教の創造論には変種群が多数ある。

  • 理神論/自然神論(Deism)[wiki]
  • 有神論的進化論(Theistic Evolution) あるいは進化論的創造論(Evoluationary Creation)[wiki][エントリ]
  • 進歩的創造論 (Progressive Creation)[wiki][エントリ]
  • 古い地球の創造論 (Old Earth Creation)[wiki][エントリ]

    • "日=時代"の創造説(Day-Age Creationism)[wiki]
    • "隔たりのある"創造説(Gap Creationism)[wiki]

  • 若い地球の創造論 (Young Earth Creation)[wiki][エントリ]

インテリジェントデザインの立ち位置の前に、これらの主張を整理しておこう。なお、「進歩的創造論」は「古い地球の創造論」の変種だが、ここでは別扱いさせていただく。また、これらの分類の境界線は厳密ではなく、やわらかめ。

地球は40〜50億年前に出来たか?
YES: 理神論, 有神論的進化論, 進歩的創造論, 古い地球の創造論
NO : 若い地球の創造論(6000年前)

生物は進化した?
YES: 理神論, 有神論的進化論, 進歩的創造論
NO : 古い地球の創造論, 若い地球の創造論

生物は自然法則したがって進化した?
YES: 理神論(神様が決めた自然法則にしたがって)
YES': 有神論的進化論(神様が自然法則を使って進化させた)
NO: 進歩的創造論(大進化は神様・小進化は自然法則)

神様は宇宙を創造した?
YES: 有神論的進化論, 進歩的創造論, 古い地球の創造論, 若い地球の創造論
YES': 理神論(ビッグバン直後に神は去った or いなくなった)
NO:

神様は物理法則と物理定数を決めた?
YES: すべて
NO:

神様は検知可能?=神様の奇跡があった?
YES: 進歩的創造論, 古い地球の創造論, 若い地球の創造論
NO': 有神論的進化論(魂は神様が創造した)
NO: 理神論

進化論 vs 創造論の戦いでは
進化論サイド: 理神論, 有神論的進化論
創造論サイド: 進歩的創造論, 古い地球の創造論, 若い地球の創造論


インテリジェン・トデザイン理論は上記質問の神様を知的存在に読み替えて

  • 地球は40〜50億年前に出来たか?.......... YES言及しない
  • 生物は進化した?........................ YES言及しない
  • 生物は自然法則したがって進化した........ NO
  • 知的存在は宇宙を創造した? ............. YES
  • 知的存在は物理法則と物理定数を決めた?.. YES
  • 知的存在は検知可能?.................... YES
  • 進化論 vs 創造論の戦いでは ............. 創造論サイド
知的存在を神様にもどすと、インテリジェン・トデザインは「進歩的創造論」と同じ若い地球の創造論と古い地球の創造論に互換な最小主張 (2009/01/10修正)


インテリジェントデザインは"God of the gaps"理論
"God of the Gaps"論[エントリ]とは
  • 科学には解明できないことがある
  • それは「神様」のせいなのさ
というもの。
インテリジェントデザイン理論の基本を見れば、まさに"God of the Gaps"論であることは明らか。

理論によれば、なんらかの現象あるいは生物などがデザインされたことの証拠は、「設計された複雑さ(Specified complexity)[wiki]」であり、それは

  • 問題となるパターンが、そのパターンを形作る個々の要素の意味あるいは意義とは独立な機能や構造あるいは目的を表している
  • この明らかに意味のあるパターンがなんらかの法則や規則によって説明できない
  • そのパターンが偶然によるものではない

が条件であり、このうち、偶然か否かの判断基準は確率1/10^150としている。この数値の根拠は
「宇宙に存在する粒子の推定個数(10^80)」 × 「 1秒間に素粒子が変化する回数(10^45)」× 「宇宙の推定年齢 10^25秒(約150億年もしくは10^16秒 × 10億)」
による(このSpecified complexityはDr.William Dembskiの担当)。

ただし、「問題となるパターン」が複数のパターンの組み合わせに分解されてしまうと、実現確率が高まってしまう。そこで出てくるのが、「還元不可能な複雑さ(irreducible complexity)[wiki]」だ。これ以上は、分解すると機能しなくなるまで分解したときの複雑さ。それが、自然法則や偶然で説明できなければ、設計された複雑さと判定され、「それは知的存在のせいなのさ」という結論にいたるというもの(このIrreducible complexityは生化学者Dr. Michael Beheの担当)。

つなげると、「現在の生物学」でわかっている範囲において「還元不可能な複雑さ」が「設計された複雑さ」であれば、それは自然法則と偶然によってだけでは存在しえないので、「知的存在」によるものだというのが、インテリジェントデザインの主張の基本。

現在わかっている自然法則と偶然によってだけでは存在しえない」ということは「わからない=Gaps」というだけなのだが、これを「知的存在=God」によるものと主張する。まさに、「God of the gaps」理論だ。

インテリジェントデザイン支持者たちは「普通にわからない」ではなく「根本的(fundamental theoretical)にわからない」ことだから、「God of the gaps」理論ではないと反論する[ IDEA Center FAQ]。しかし、それは反論ですらない。そうだとしても、「God of the fundamental theoretical gaps」でしかないからだ。

そして、この「God of the gaps」理論は、科学がどこまで進歩しても決して死なない。科学が進歩すれば、いまわからないことは解明され尽くしてしまうかもしれない。しかし、そのときにはまた新たにわからないことが見つかる。そして、「それは神様のせいなのさ」と主張できるからだ。


インテリジェントデザインは科学の停止装置(Science Stopper)
インテリジェントデザインの主張は

  • 現在わかっている自然法則と偶然では説明できないことがある
  • それは「知的存在(インテリジェントデザイナー)」のせいなのさ
  • その「知的存在」が何者なのかを問うな

というものだ。「それ以上は研究するな」という主張なので、「科学の停止装置(Science Stopeer)」と呼ばれる。

インテリジェントデザイン支持者は、「答えの出ない研究をやめて、その労力と資金を別の研究につぎ込めば成果が出る」から「科学の停止装置(Science Stopeer)」ではないと反論する。しかし、それは「科学の停止装置」という呼ばれ方が嫌いだというだけであって、呼ばれる理由はまったく否定していない。


インテリジェントデザインは宗教
インテリジェントデザイン支持者たちは言う。
進化論が正しいなら、生命は偶然の産物でしかない。もしそうなら、何故、クローンも堕胎も安楽死も脱税も殺人もしてはいけないか。[ハリス&カルバート]


前者は"科学"の命題たりうるが、後者は"科学的"な命題ではない。「何をしてよいか悪いか」という判断は、「メカニズムの解明」という「科学の方法論」からは出てこない。「良い」か「悪い」かは宗教か倫理か慣習か道徳か法律の領分だ。
「クローンも堕胎も安楽死も脱税も殺人もしてはいけない」という主張は、科学によって裏付けられることも、否定されることもない。

しかし、インテリジェントデザイン支持者たちは、「科学的」裏づけを以って「クローンも堕胎も安楽死も脱税も殺人もしてはいけない」と言いたがっている。
もし生命がまったくの偶然のできごとでないなら、何かデザインされ、作られたものであるなら、生命には本来の目的があるはず。[ハリス&カルバート]


しかし、それではインテリジェントデザインは科学ではなく、宗教であると言ったのと同じ。


インテリジェントデザインは..
まとめると、インテリジェントデザインとは

  • 大進化は神様によるものだという進歩的創造論と同じ立ち位置のようにも見えるが、実際は、若い地球の創造論と古い地球の創造論に互換な最小主張 (2009/01/10修正)
  • 進化論 vs 創造論の戦いにおいては創造論サイド
  • "God of the Gaps"理論(科学に解明できないことは神様のせいなのさ)
  • 科学の停止装置(その神様を問うな)
  • 科学ではなく宗教



引用元を明記していないインテリジェントデザインの主張はすべて、
William S. Harris and John H. Calvert: Intelligent Design: The Scientific Alternative to Evolution, http://www.intelligentdesignnetwork.org/NCBQ3_3HarrisCalvert.pdf
による
posted by Kumicit at 2005/11/13 02:47 | Comment(2) | TrackBack(1) | ID Introduction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005/10/14

インテリジェント・デザイン・ネットワークの言い分を読んでみる(5)

インテリジェント・デザイン・ネットワークの言い分を読んでいく。今回でやっと終わり。とても一般人向けとは思えない、長文...

いずれもを支持する証拠は何も証明しない
あまり重要な点ではないが、とりあえず"進化論の証拠"はID理論の否定にならないと言っているようだ。

  • 分子レベルと解剖学レベルの種の間の類似

    Proteins are made of amino acids (virtually the same twenty) in all life forms, and proteins can be very similar in bacteria and humans. Does this prove ancestral relationship, or does it suggest a common designer? Either is theoretically possible.
    バクテリアと人間のタンパク質はよく似ていることがあります。これは同一の祖先をもち得ることを立証するでしょうか、それとも共通のデザイナーの存在を示唆するでしょうか?理論的にはどちらも成り立ちます。

  • 抗生物質と薬剤耐性

    these organisms did not “gain” resistance; they “lost” sensitivity. They contain mutated or damaged proteins that fail to bind to or fail to take up toxic chemicals that would cause normal varieties to die.
    これらの生物は、抵抗力を"獲得"したのではなく、感受性"を喪失したことです。正常な種類の個体を死なせる有毒化学物質と結合できなくなったか、取り付けなくなったかした変異もしくは破損したタンパク質を持っているのです。



"人生の目的"を語る......これすなわち宗教なのだが
ウィリアム S ハリス博士とジョン H カルバート法学博士はここで高らかに、人生の目的を語る。


if life is an accident, why not alter it to suits our needs? If we can, why not make human clones? Why not abort unwanted children? Why not euthanize the "useless" aged? Why not end a challenging marriage? Why not cheat on our taxes? Why not "steal, kill, and destroy?" ...... "If there is no God, all things are permissible. However, if ... life is not just an accident or occurrence, but is something that has been designed and made, then life must have an inherent purpose. 生命が偶然のものであるなら、なぜそれを私たちの必要に応じて変更しなてはいけないのでしょうか?もしできるなら、何故ヒトクローンを作ってはいけないのでしょうか?何故、望まれぬ子を堕胎してはいけないのでしょうか?何故、もはや働けない老人を安楽死させてはいけないのでしょうか?何故、結婚制度を廃止してはいけないのでしょうか?何故、脱税してはいけなのでしょうか?何故、盗んだり、殺したり、破壊してはいけないのでしょうか?.....「神がまったくいなければ、なんでもは許される」しかしながら、もし生命がまったくの偶然のできごとでないなら、何かデザインされ、作られたものであるなら、生命には本来の目的があるはずです。


IDが科学ではなく宗教であることを高らかに宣言しているような記述でこのエッセイは終わる。

  • 生命は偶然の産物でしかない
  • もしそうなら、何故、クローンも堕胎も安楽死も脱税も殺人もしてはいけないか。

という流れだが、前者は"科学"の命題たりうるが、後者は"科学的"な命題ではない。「何をしてよいか悪いか」という判断は、「メカニズムの解明」という「科学の方法論」からは出てこない。「良い」か「悪い」かは宗教か倫理か慣習か道徳か法律の領分だ。

「クローンも堕胎も安楽死も脱税も殺人もしてはいけない」という主張は、科学によって裏付けられることも、否定されることもない。しかし、ID理論家たちは、人生の目的・善悪を科学として語りたがっている。ということは、ID理論は科学ではなく宗教なのだ。
最後まで読んだ証拠としての和訳を見たい場合は...
posted by Kumicit at 2005/10/14 23:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005/10/11

インテリジェント・デザイン・ネットワークの言い分を読んでみる(4)

前々々エントリ前々エントリ前エントリに続いて、インテリジェント・デザイン・ネットワークの言い分を読んでいく。今回は「インテリジェント・デザインへの反論への反論」の部分。 というより、リチャード・ドーキンスを攻撃する部分。


IDは科学の停止装置ではない....しかし神を問うな
「科学の停止装置(science stopper)」とは「わからないことはIDのせいにし、それ以上の探求を止める」という意味。ID理論サイドは次のように反論する。
Did the discovery that the earth was round“stop science? .... These were discoveries of the truth, and therefore they did, in a sense, “stop” scientific inquiry. They stopped it for the same reason that you stop looking for your car keys when you find them. There is no need for further investigation.
地球が丸いという発見は「科学を止めた」でしょうか?...これらの発見は科学の発展を止めたでしょうか?これらは真理の発見であり、したがって、科学的探究をある意味とめました。彼は、自動車のキーが見つかれば、キーを捜すのをやめるのと同じ意味で、科学的探求を止めたのです。それ以上の探求の必要がなくなったからです。

しかし、なんのことはない。
If ID theory is true and life and its diversity did arise by the action of an unknown intelligent agent, then the only “intelligent” response is to take it as a given (like gravity), stop trying to prove the counter argument, and intensify research efforts into the discovery of how life works, not where it came from.
ID理論が正しければ、生命とその多様性は未知の知的存在によるものであり、そうなれば、(重力と同じく)それを所与のもととして、反論を証明するのをやめて、生命がどこからきたかではなく、生命がどう機能するかの発見に研究を努力を費やすのが、知的対応です。

インテリジェント・デザイナーを問うなと言っている。そう、それ以上、探求するなと。つまり、「科学の停止装置(science stopper)」であることを自白している。

IDは"god of the gaps"理論ではない.....しかし進化論で説明できないものはIDのもの
"god of the gaps"とは、「隙間はすべて神のもの」という論法、つまりは国境紛争で、敵国でないものは自国のもの。ID理論サイドは次のように反論する。

A design inference can be falsified simply by showing a lack of any apparent design or meaning in the pattern, or by demonstrating (not imagining) that unguided natural processes can produce the pattern or object in question.
指導されない自然の過程でそのパターンあるいは物体を創れないかを(想像ではなく)論証して、明らかなデザインや意味がそのパターンに欠けていることを示せば、デザイン推論を論破できます。

論破できない隙間はすべてID理論のもの。


IDは宗教ではない....しかし宗教

Furthermore, a design inference does not seek to advance a particular religious belief system and does not have a clergy, a set of ethics and morals, religious texts or any of the other trappings of recognized religions.
さらに デザイン推論は、特定の信仰システムを唱えようとはしておらず、知られている宗教の聖職者、倫理とモラルのセット、宗教テキストあるいは装飾を持っていません。

であるので、最高裁判所の判例に示される宗教の要件を満たしていないとID理論サイドは主張する。

これはもちろん、創造説や創造科学が裁判で敗退してきたこと意識したもの。ただ、科学であることと、法的に宗教とみなす条件を欠いているかもしれないということは、同じではない。疑似科学や似非科学から与太話まで、宗教と科学の間にはいろいろある。

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posted by Kumicit at 2005/10/11 04:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005/10/08

インテリジェント・デザイン・ネットワークの言い分を読んでみる(3)

2006/3/14 文字化け状態を修復

前々エントリ前エントリ
に続いて、インテリジェント・デザイン・ネットワークの言い分を読んでいく。今回は「インテリジェント・デザインを支持する証拠」についての部分。

国境紛争のごとく...

前述のように、もし2つしか可能な説明方法がないなら、一方に否定的な証拠は、他方に肯定的な証拠となります。


彼らは近代の国境紛争のような議論の進め方をしようとする。敵地でない(進化論で説明できない)なら自国(ID理論によるもの)だと。もちろん、それは間違いだ。科学とは無主の地を少しずつ既知の領土としていくもの。進化論によって説明できない現象があったところで、それは再び無主の地に還るだけ。その無主の地を自ら(ID理論)が領有するためには、積極的に領有権を主張(ID理論が正しいという証拠)をする必要がある。

何故、科学ではない、"国境紛争"のような論の立て方をするかといえば、積極的にID理論を肯定する根拠がないから。あるいは、ID理論は「創造説」の代替品なので、科学と宗教の国境紛争の延長線上での、進化論とID理論の国境紛争という論の立て方はむしろ自然かもしれない。

今後も、進化論や生命の起源についての実験・観察・モデルが登場し続けていくだろう。そして次第に現在「わからない」ことも「既知」になっていくだろう。そうなっても、必ず進化論では説明できない「わからない」部分は新たに登場してくるだろう。そしてID理論が、そこは「進化論の領土でないならID理論の領土」という論の立て方をするなら、ID理論は死なない。

もちろん、この論の立て方は「ID理論とは未解明の別称」を意味する。

還元不可能

複雑なものが、「単純なものの組み合わせ」あるいは「単純な過程の積み重ね」に分解できる=還不可能。これで、複雑なものがゼロから出現するよりも、確率は桁違いに大きくなる。ID理論は「確率が小さすぎて、自然法則と偶然では実現できない」が基本なので、
還元不可能な複雑な生物学的システムの例としてバクテリアのべん毛をあげています。...それの組み立てと動作には少なくとも40個の、とても複雑で、結合されて、動くタンパク質部品が必要であり、....全部の部品が同時にそろわない限り、それは動作しません。個々の部品がばらばらではダーウィンの自然淘汰は効かないので、自然淘汰によってこのような機械は作れない

のように還元不可能性を主張する。

もちろん、ここでは『遺伝子の変化と生物の形態(表現形)の変化は同じではない』ことには触れていない。また、還元不可能性そのものは、ダーウィン自身もわかっていたこと。これをタンパク質レベルでの議論にした。そして、"国境紛争"的には、未知なることはすべてID理論の領土にしてもよいので、現時点で還元不可能なものはインテリジェント・デザインによるものと主張する。

カンブリア紀の爆発に対して

ID理論サイドの主張は

  • 5億5000万年前には「カンブリア紀の爆発」があり、漸進変化するダーウィン進化論と矛盾
  • 断続平衡説は証拠がない(変化が速すぎて化石が残らないというのは希望的観測)
  • ID理論は生物種の変化速度を問わずに適用できる

である。

既に、進化が"生物形態"の漸進変化のみよって実現するとは考えられていない。また、断続平衡説も主流ではない。カンブリア爆発のバージェス動物群にせよ、ここでは触れられていないがスノーボールアース後のエディアカラ生物群にせよ、まだ生物学として答えが出るには遠いかもしれない。

で、ID理論の論の立て方「進化論の領土でない=ID理論の領土」を発動してくる。
ID does not claim that no evolutionary process is involved in the origin of various species. It merely claims that evolution is inadequate to explain all of the diversity of life.
ID理論は、どんな進化論の過程も多様な種の起源に関与していないとは主張しません。ID理論は進化が生物の多様性を説明するには不十分であると主張しているだけです。

過去を直接観察できるわけではないので、進化論の"隙間"が埋め尽くされることはないだろう。その隙間はID理論の領土だと主張する限り、いつまでもID理論は存在できる。


生物学的システムの人間の創ったシステムの類似性

生命形態によらず分子は類似しており、異なる動物のボディプラン(形態の設計)は類似しているなど。もちろん、類似性は同様に、共通のデザイナーを示唆し、それによって進化論者は生命の可能性としてデザイン(哲学ではなく証拠に基づく)の可能性を排除できません。


どこまで行っても、「知的存在によるデザイン」を否定できるわけはない。偶然かもしれずデザインかも知れずと言い張ることは可能。それだけ。
科学者は多くの生物学的システムが人間が作ったシステムと同じ特徴を持つことを発見しています。ひとつの例はモールス符号のコンセプトと遺伝子コードの類似です。

だから、「知的存在によるデザイン」かもしれないと言う(もちろん、そうでないかもしれない。)

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posted by Kumicit at 2005/10/08 02:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005/10/07

インテリジェント・デザイン・ネットワークの言い分を読んでみる(2)

前エントリに続いて、インテリジェント・デザイン・ネットワークの言い分を読んでいく。今回は「デザインの検出方法」についての部分。


デザインされたことの証拠は複雑さ.....しかし

彼ら(ウィリアム S ハリス博士と弁護士のジョン H カルバート法学博士)によると、
「デザインは検出可能」であり、その方法は

  1. 問題となるパターンが、そのパターンを形作る個々の要素の意味あるいは意義とは独立な機能や構造あるいは目的を表しているかどうか
  2. この明らかに意味のあるパターンがなんらかの法則や規則によって説明できるか
  3. そのパターンが偶然によるものなのか


そして、偶然か否かの判断基準は複雑さであり、確率1/10^150を基準としている。
Dembskiは、確率の下限を1/10^150と見積もりました。彼はこの数字を a) 宇宙に存在する粒子の推定個数(10^80) × b) 1秒間に素粒子が変化する回数(10^45)× c) 宇宙の推定年齢 10^25秒(約150億年もしくは10^16秒 × 10億)と見積もりました。

化学および物理法則とは戦っておらず、確率統計に持ち込んで、一見もっともらしい説明に見えるかもしれない。

しかし、これは何も言ったことにならない。確率とはまず以って、問題の定義。定義次第で、計算される確率はまったく違う。「盲目の時計職人」は生物進化の確率をまったく違うものにしていることは周知の通り。従って、ID理論サイドはまずもって、「盲目の時計職人」に攻撃を仕掛けることになる(実際、この後の部分で、ハリスとカルバートは「盲目の時計職人」を攻撃する)。

さらに、「他人の領土でなければ自分の領土」という論になっていること。
if it is too complex to be explained by chance, then the design inference is warranted.

これは「"ID"という棚に、"生命の起源"を入れる」のではなく、「"未知"というラベルが貼られた棚に、上から"ID"というラベルを貼り付ける行為。("既知"の棚から無理矢理"未知"の棚に移した上で)
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posted by Kumicit at 2005/10/07 00:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID Introduction | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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