2014/01/18

HDC 77

核の時代の英国で、一般人向けとは別に医療機関・保健当局向けのガイドラインなどが出ていた。たとえば、1977年のHDCには...
HDC77_1.png

DISCHARGE OF PATIENTS
15. During a period of crisis and when so directed, Health Authorities should arrange for all patients in hospitals, nursing and convalescent homes, whose retention was not medically essential, to be sent home. The purpose of this evacuation would be to free hospitals to deal with later casualties, to afford patients the greater protection that dispersal to their own homes would provide and to allow for the redistribution of equipment and staff. It is hoped that there would be sufficient warning of an attack to allow seven days for the discharge of patients, but plans should allow for a more rapid discharge should this become necessary.

危機のとき及び命令を受けた時は、保健当局は、病院あるいは小規模私立病院などに入院している患者のうち、入院が医療上不可欠でない者を家に帰す措置をとらなければならない。この措置の目的は、今後発生する負傷者に対処するために病院に空きをつくり、自宅に分散することでより大きな保護を患者に提供し、設備とスタッフの再配置を可能とすることにあある。退院措置のために7日間が確保できるように、警告がなされると想定している。しかし、より迅速に退院でこいるように計画すべきである、

[Home Defence Circular HDC 77 1 quoted inhills borough independent gov uk]
強制的な退院のシーンが「Threads (BBC 1984) 32:53」にある。

さらに攻撃後の病院の対処について...
HOSPITALS
62. Despite any damage and the disruption of public utilities and service, the surviving hospitals might be expected to offer the best facilities for surgical procedures. The Director would have to enforce strict priorities for the admission of casualties to prevent hospitals being overwhelmed. In general, hospitals should, initially, accept only those casualties who, after limited surgical procedures, would be likely to be alive after seven days, with a fair chance of eventual recovery. The more complete the recovery that could be expected, the higher the priority for admission. People suffering from radiation sickness only, should not be admitted. There is no specific treatment for radiation injury, although spontaneous recovery may be assisted by good nursing, and all radiation cases should be nursed in the community. Hospitals would call forward priority cases from CCCs as space for their treatment became available. Casualties would be returned to the community as soon as their clinical condition allowed.

電気ガス水道事業や公共サービスのいかなる損害や混乱が生じようよも、生き残った病院は外科的処置のための最高の設備を提供することが期待される場合がある。責任者は病院が死傷者であふれかえらないように、負傷者の入院規制のための厳格な優先順位を強制しなければならない。一般的に、病院は、最初の段階では、限定的な外科処置後に、最終的に回復するか、7日後まで生存する可能性が十分ある負傷者のみを受け入れる必要がある。より回復が期待できる負傷者ほど、入院優先順位は高くなる。放射線障害のみの患者は受け入れるべきではない。放射線障害は、適切な看護で自然治癒することがあるが、治療法そのものは存在しない。放射線障害の患者はコミュニティで看護されるべきである。治療スペースに余裕が出てきたら、病院は優先順位CCCへ向かって、順次治療に取り掛かりことになるだろう。容体がコミュニティにもどせる状況になったら、その負傷者をただちにコミュニティに帰すことになる。

[Home Defence Circular HDC 77 1 quoted inhills borough independent gov uk]
かなり強力なトリアージを定めている。これに相当するシーンが「The War Game (BBC 1965) 25:28」にある。

医療リソースが潤沢な米国から見ると、このHDC77の記述は衝撃的なようで、米国の新聞にはこんな記事がある。
The single most harrowing paragraph, perhaps, comes from Health Circular HDC 77 with instructions to hospitals:

"Hospitals should accept only those casualties who would be likely to be alive after seven days with a fair chance of eventual recovery. People suffering from radiation sickness only should not be admitted. There is no specific treatment for radiation injury"

TheScaryAcceotance_ToledoBlade_19810510.png

[Mary McGrory:"The Sacry Acceptance of Nuclear War (1981//05/10) on Toledo Blade]

posted by Kumicit at 2014/01/18 11:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/01/13

Collier's 1950年8月5日が描くマンハッタンへの核攻撃

Collier's の1950年8月5日号に、John Learによるマンハッタンへの原爆攻撃の予測記事が掲載された[Copy]。この記事は、米国を代表するSFや科学をテーマとした画家・イラストレーターChesley Bonestell(1888-1986)による、マンハッタンへの原爆攻撃の想像図を使っている。
Colliers-00.jpg
[Colliers, 1950/08/05 (copy on japanfocus)]


記事2〜3ページ眼には、原爆の直撃を受けた場所は跡形もなく消し飛び、ダウンタウン・ブルックリン・クィーンズから、対岸のホーボーケンまでが焼け落ちようとしている光景が載っている。
Colliers-03-04s.png
[Colliers, 1950/08/05 (copy on drexel)]
マンハッタン俯瞰とともに、以下のような地上から見た光景もある。
Colliers-05-06s.png
[Colliers, 1950/08/05 (copy on drexel)]
この記事の1年前の1949年8月29日に、旧ソ連はセミパラチンスクで最初の核実験に成功している。LIFEの1945年11月19日号のときと異なり、このときには、これらの想像図は現実味を帯びているように見えただろう。

このような核攻撃想定記事は週刊誌ばかりでなく、新聞にも掲載されるようになる。たとえば、1956年7月20日のBuffalo Evening Newsや、1956年7月21日のThe Grand Rapids Heraldなど...
Buffalo125000.jpgRapids16200.png
いずれも、新聞社のある都市への攻撃を想定した、ご当地記事である。また記事の形式は、予測の説明というより、仮想報道である。

このような報道を受けて、米国の世論は、それなりに悲観的なものとなっていた。
Poll1956Nuke.png

あなたの住んでいる所は粉砕されるか?
粉砕される 43% (人口50万以上の都市住民 63% 人口5万以下の町の住人 25%)
粉砕されない 38%
わからない 19%

あなたの家族は原爆戦争を生き延びられるか?
生き延びられない 38%
生き延びられる 29%
わからない 33%

[The Lewiston Daily Sun - Jul 11, 1956]
政府の民間防衛映画から受けるイメージと異なり、米国の世論はそれほど楽天的なものだはなかった。
posted by Kumicit at 2014/01/13 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/01/11

LIFE 1945年11月19号が描く核戦争(2/2)

前回のつづきで、LIFE誌が1945年11月19日号で紹介する将来の核戦争:
36HourWar4.png

米国は反撃する



原爆戦争の防御に関して、Arnolod将軍は次のように述べている。「原爆に対する防御方法はいくつか考えられる。第1は、原爆から隠れられる場所は世界中のどこにもないことを、心得ることである。第2は、ひとたび原爆が発射されたときに備えて、我々は原爆攻撃をアクティブに防御する手段を開発することである。そして、第3は、脆弱性を最小化するように我が国を再デザインすることである。「しかし、見通せる将来において、原爆兵器に対する本当の安全保障策は、引き続き、圧倒的戦力で即時攻撃行動をとれる能力である。潜在的侵略者が米国への攻撃が自国への破滅的原爆攻撃を意味することを、明らかに分かるようにすることである。」

上図はArnold将軍の考えのうち2つ、すなわち分散と反撃を描いたものである。この断面は、地下のロケット発射基地と、原爆工場である。原材料をのぞき、すべてを完全に自給できて、大量在庫のもとで組み上げられる。労働者たちは工場近くの地下で、航空戦力による原爆直接攻撃以外からは防護されて生活する。米国はこのような基地を複数持つことになるだろうが、すべては独立に活動し、その一つが破壊もしくは占領されても、他に影響がでないようにするだろう。36時間戦争の開戦時に、米国は全人口を分散できておらず、そのコストは2500億ドルかかるが、それは国防の絶対的に不可欠なものである。

上図は、米国が攻撃を受けてから1時間後に、米国が戦争最初の攻撃ロケットを敵の都市へ向けて発射するところである。

[LIFE 1945/11/19 PP.32-33 ]
最も効果的な安全保障として、このときも報復を挙げている。その手段として、報復戦力の地下配備が想定されている。

そして...
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戦争の終わりに空挺部隊が来る



Arnold将軍は「現代戦争では、空挺部隊が最も有効な部隊のひとつとなる。完全武装した空挺タスクフォースは、はるかに離れた場所に、航空戦力だけで輸送される」と述べている。

原爆による破滅的破壊にもかかわらず、敵は戦争に勝つために、米国に侵攻しなければならない。敵の空挺部隊は巨大な破壊力を持つ軽ロケットを装備し、赤外線が見えるようにゴーグルをつけている。上図の敵兵は、米国の小さな町の電話線を修理している。

敵空挺部隊の降下までに、米国は恐るべき被害をこうむっている。4000万人程度が死亡し、人口5万人以上の都市が粉砕されている。サンフランシスコのマーケットストリート、シカゴのミシガンブルバード、ニューヨークの五番街は破片の中を通る道路でしかない。しかし、そのように破壊されても、米国は反撃する。敵の空挺部隊は一掃される。米国の空挺部隊が米国の都市を奪還する。米国は原爆戦争に勝利する。

[LIFE 1945/11/19 PP.34-35 ]
4000万人の生命を失って、米国は勝利するという想定を書いている。勝利後に残されるものは、廃墟と郊外・地方人口だと示唆する記事であり、それが麗しい状態ではないことは明かである。

そのような記事が、1945年11月の時点で一般の雑誌に掲載されていたのことは、ちょっと驚きだ。そして、この後も、米国の新聞や雑誌は、米国への核攻撃の想定記事を掲載し続ける。印象的な形で。
posted by Kumicit at 2014/01/11 23:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

都合の良い聖書

聖書は都合よく利用するもののようである。

共和党Fincher連邦下院議員の、フードスタンプ削減の論拠はテサロニケの信徒への手紙二/ 03章 10節『実際、あなたがたのもとにいたとき、わたしたちは、「働きたくない者は、食べてはならない」と命じていました。 』[関連エントリ]

Stephen Fincher連邦下院議員のもうひとつの論拠はマタイによる福音書/ 26章 11節『貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、わたしはいつも一緒にいるわけではない。』[関連エントリ]

また、Faith Bible Baptist Churchはテモテへの手紙一 第5章を論拠に「飢饉のときも銭払え」「施しには対価を」「施しの対象は厳格に判断を」と主張する。[関連エントリ]

これらは、聖書には相反する記述が多くあるので、どうとでも使えることの例でもある。たとえば、申命記6章16節やルカによる福音書4章9〜12節では神を試してはいけないが、士師記6章36〜40節や列王記下20章8〜11節では神を試して、神はそれに応えている。[関連エントリ]

また、民数記 / 15章 32-36節で、神は言っている「土曜出勤は死刑」と。しかし、ヨハネによる福音書 / 5章 5-18節でOKになっている。[関連エントリ]

さらに局所的に引用することで、都合の良い論拠を創り出すProoftextingという手法まである。ランダムに二つ選んだら「ユダは立ち去り、首をつって死んだ。」(マタイによる福音書 / 27章 5節)と「そこで、イエスは言われた。『行って、あなたも同じようにしなさい。』」(ルカによる福音書 / 10章 37節)というジョークが有名。[関連エントリ]

実例は多い。たとえば、詩編2編4節「天を王座とする方は笑う」は、神がユーモアのセンスを持っていることを示すと言うWaren牧師。しかし、原文の意味は真逆。
詩編 / 2編 1-6節 地上の王は構え、支配者は結束して、主に逆らい、主の油注がれた方に逆らうのか。... 天を王座とする方は笑い、主は彼らを嘲り、憤って、恐怖に落とし怒って、彼らに宣言される。「聖なる山シオンで、わたしは自ら、王を即位させた。」[関連エントリ]

ちょっと違ったパターンで、地球は温暖化しないという立場で、聖書を読み上げる共和党Simkus連邦上院議員という例もある。[関連エントリ]

マタイによる福音書25章14-30節を論拠に、化石燃料を使いまくれと主張する保守的根本主義団体幹部もいる。「怠け者の悪い僕」と主人が呼ぶ、不信心者の僕は、預けられたタラントンを地面に埋めて、何もせず、儲けなかった。化石燃料を燃やすなとい言うのは、これと同じだと言う。[関連エントリ]

特に、論敵を攻撃するときに、脈絡もなく聖書を引用する者たちは、Bible thumper (英語圏全般)あるいはBible basher(英国・豪州・ニュージーランド)とと呼ばれる

政府による福祉を推進しようとする民主党オバマや共和党マケインたちを批判して、「神は貧者と貧窮者を助ける方法を聖書で3つ提示している。1) 家族 2)教会 3)個人の慈善だ。これらの3つ方法は以下の節にある。申命記14章28-29節と民数記18章24節とマタイによる福音書6章1-4節およびテモテへの手紙一 5章 3-16節である」と主張する者もいる。[関連エントリ]

さらに、テモテへの手紙一5章 3-10,16節とレビ記22章13節を引用して、教会による援助は「身寄りがない(生存する夫や子供や甥姪などがいない)、六十歳未満の者ではなく、一人の夫の妻であった、善い行いで評判の良い、子供を育てあげた、旅人を親切にもてなした、聖なる者たちの足を洗った、苦しんでいる人々を助けたと、あらゆる善い業に励んだ」未亡人に限定されると主張する者もいる。[関連エントリ]

このあたりを見てくると、日本の生活保護制度はとてもキリスト教的・聖書的であると思える。

posted by Kumicit at 2014/01/11 16:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/01/10

LIFE 1945年11月19号が描く核戦争(1/2)

広島・長崎への核攻撃から3か月後に、米国陸軍航空軍司令官は国防長官あてに、将来の核戦争についても触れた報告書を出している。そして、核戦争についての内容を、LIFE誌が1945年11月19日号で紹介している。
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36時間戦争


次の大戦のカタストロフについて、Arnold報告はヒントを与える



今週、合衆国陸軍航空軍司令官Henry H. Arnold将軍は、国防長官に3つめの報告書を提出した。報告書は先の大戦末の陸軍航空軍の活動履歴とともに、将来の戦争への警告を記載されている。将軍は「かつて、米国は、先の戦争の終わりで使った装備とドクトリンを以って開戦するという立場に捕らわれるという、危険な意志を示してきた。... 既存航空軍の、非常時における新たな考えと技術を吸収する能力によって、航空戦力は広範囲に対応すべきである。」と述べている。

Arnold将軍は、陸軍航空軍が新たな考えを吸収する準備が整っていると述べている。「我々は、一つか二つの原爆を敵に撃ち込むためだけに、大規模航空作戦を遂行できる。発達した航空戦力によって、これが実行不可能になったときは、射程と精度を飛躍的に高めた、ドイツのV2タイプの兵器を準備すべきである。」

米国及び他国のそのような兵器は、あらゆる戦争を恐るべきものにする。敵対行動は、ロンドンやパリやモスクワやワシントン(上図)のような都市での原爆の爆発で始まるだろう。原爆による破壊はは迅速かつ恐るべきものであるため、戦争は36時間以内に終結するかもしれない。本記事のイラストは、樹たるべき戦争がどう戦われるかを描いたものである。

しかし、Arnold将軍は、発達した兵器だけが米国の防衛策だとは述べいていない。原爆を将来の戦争において使うよりも、おそらく国連安全保障理事会の決定を実施するための力として、平和のために今使う方が良いと、将軍は述べている。

[LIFE 1945/11/19 P.27 ]
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米国へ到達する原爆



次の戦争は破滅的な速さで始まるだろうと、Arnold将軍は述べている。「現時点で敵航空戦力が可能な装備で、警告なく、あらゆる正規に思いつける全ての障壁を突破し、我々の人口集中地帯や工業・経済・政府の中枢部へ、地上戦力が展開するよりも速く、壊滅的打撃を与えることが可能だろう。」

太平洋上の高度3000マイルから東を向いた、上図のパノラマで、LIFE誌の画家は、米国の主要13都市へ敵ロケットのシャワーが降り注ぐ、数年後に起きるかもしれないことを描いている。数秒で、ニューヨーク・シカゴ・サンフランシスコ・ロスアンジェルス・フィラデルフィア・ボウルダーダム・ニューオリンズ。・デンバー・ワシントン・ソルトレイクシティー・シアトル・カンザスシティ・ノックスビルで原爆が爆発する。一つの爆弾(左から2個目)が、米国迎撃ロケットによって、上空で爆発している。都市部では1000万人以上が原爆によって瞬時に死亡する。敵の目的は従来の標的だった工業の破壊ではなく、人口殲滅による米国の麻痺である。

秒速3マイルで大気圏を進む行程の一部が描かれている、上図のロケットは、ほんの一時間と少しで、1800マイル彼方に到達し、さらに地球を回って8000マイル彼方のアフリカ赤道地帯に到達する。

国連安全保障理事会の査察を逃れるために、ジャングルに迅速かつ秘密裏にロケット基地を建設できる、米国の敵国が存在する。ロケットの行程の大半は真空であり、そこでは比呂でも星が見える。薄い明るい水平方向の層は地球の大気圏である。

[LIFE 1945/11/19 PP.28-29 ]
既に、このときICBMによる核戦争が想定されていて、一般人に向けて記事が書かれていた。

そして、敵の核攻撃を迎撃することは困難だとの見方を示している。
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我々のレーダーセンターはロケット戦争に追随する



「レーダーは空軍の効率性に大きく寄与している。これは人間の視覚を徹底的に拡大する装置である。」とArold将軍は述べている。上図は、ロケット戦争に適用されたレーダーである。レーダービームは大出力で全空を走査しているので、宇宙空間の数千マイルの物体もエコーを返してくる。エコーは輝度スクリーン表示に変換される。そのようなレーダーが使われれば、米国は、このページに示した攻撃に対処する時間を30分ほど確保できる。

しかし、30分でも短すぎて、原子力戦争の兵器を制御できない。レーダーは敵のロケットを検出し、コースを描画し、迎撃ロケットに使う電子計算機にデータを渡す。それらは数秒で発射され、敵の攻撃を迎撃する。

しかし、レーダーは将来の戦争において、良くて点で防衛にしか使えない。人間の視覚のように、水平線までしか目が届かない。ドイツのV1ロケットのような低空飛行ロケットであれば、高空ロケットよりも効果的にレーダーを回避できるだろう。そして、レーダーは、敵国のエージェントが米国内で組み上げた原爆には効かない。

我々の迎撃戦力は攻撃のほとんどを防げない



Arnold将軍は「ドイツのV2に類似しているが、原爆を装備した原爆ロケットに対する、能動的防御には打ち克ちがたい困難が伴っていることが明らかになっている。この状況において、我々は効果的場防御手段の発見に努めるべきである。」と述べている。ロケットに対する現在可能な唯一の防御策は、上図のように発射された後にある。敵と遭遇する位置へ発射される高射砲のようなロケットである。発射されると、このようなロケットは敵機を探知し、自分の軌道を修正する。敵ロケットに接近すると、第二次世界大戦中に開発された電波近接信管により爆発する。しかし、迎撃に失敗することは避けられない。

上図は2つのロケットが遭遇する直前を描いたものである。敵のロケットは宇宙空間で燃料を使い尽くして、米国へと落下し始めている。迎撃ロケットは全出力で上昇している。地球の大気圏との摩擦で白熱している。2つのロケットが衝突すると、地上から見れば、原爆は新星のように見えるだろう。

[LIFE 1945/11/19 PP.30-31 ]
ABMによるICBMの迎撃及び、それが失敗することも多いと想定されている。

次回へ続く...
posted by Kumicit at 2014/01/10 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする