2013/08/26

米国の地下水のラドン

2013年5月に韓国環境部が「2012年に、全国92の自治体及び個人の飲用地下水563か所について、自然放射性物質の含有実態を調査した結果、全体の16.3%にあたる24か所で、米国の飲料水基準値を超えるラドンが検出された」という発表した話を、数日前に取り上げた

報道ではラドンの米国基準(4000pCi/ℓ)と書かれていたが、実際には米国環境庁提案値であり、基準値(MCL: 300 pCi/ℓ = 11.1Bq/ℓ)と、ラドン対策を行っている場合の許容値(AMCL: 4000pCi/ℓ = 148Bq/ℓ)がある。米国では、1992〜2003年に調査がおおなわれており、そのときには、3877の井戸でラドンが測定され、65%の井戸がMCL超過、2.7%の井戸がAMCL超過だった。
RadonUSGS.png
[Trace Elements and Radon in Groundwater Across the United States, 1992–2003 on USGS]
AMCL超過した地点の比率は、韓国に比べれば、かなり少ない(韓国 16.3% vs 2.7% 米国)。とはいえ、ニューイングランド方面に、AMCL超過した井戸が多くあるので、北東部の地下水は注意した方がいいかもしれない。

なお、韓国の地下水のラドン最高記録は32924pCi/ℓだったが、米国では220,000pCi/ℓという例がある。


posted by Kumicit at 2013/08/26 06:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013/08/24

天然ガス価格上昇により、2013年上期に上昇した米国の卸電力価格

米国エネルギー情報局(EIA)によれば、全米の卸電力価格は大きく上昇した。これは、2012年上期に10年来の安さだった天然ガス価格が、2013年上期に上昇したことによる。

[Wholesale electricity prices rose across the United States(2013/07/23) on EIA]
  • 北東部(ニューイングランド)は、天然ガスパイプライン容量の制約により、もともと全米最高値。そのため、ニューイングランドとニューヨークでは冬場に数日間ではあるが、$200/MWhになった。
  • 北西部は降水量減少による水力発電量の減少も加わって、82%上昇。
  • カリフォルニアではSan Onofre原発トラブルによる運転停止の継続も加わり、59%上昇。
  • テキサスでは、冬場の温度が穏やかであったため、価格上昇も大きくはない。
EIAによれば地域別の天然ガス価格の上昇は以下の通り:

[U.S. natural gas spot prices increased during first-half 2013 (2013/07/22)on EIS]このような大きな価格変動が、電力自由化の面白さである。そして、このような価格変動をヘッジするエネルギーデリバティブ取引にも面白味が出てくる。
posted by Kumicit at 2013/08/24 06:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013/08/22

送電変電系の投資不足と自然災害原因の停電の増加

米国エネルギー省の送電線強化による自然災害原因の停電への対処についての報告によれば、送電投資は減少しており、送電及び変電施設の70%は建設から30年以上が経過している。

送電線投資の推移
[ECONOMIC BENEFITS OF INCREASING ELECTRIC GRID RESILIENCE TO WEATHER OUTAGES, Executive Office of the President August 2013 via By Brad Plumer, Washington Post Blog ]
このような古い送電系では障害も発生しやすくなる。これとともに、最近の送電施設にあるような、機械的障害を自動検知するセンサはなく、ダウン時の初動の遅れを招いているという。

自然災害の激甚化も影響しているとおもわれるが、自然災害を原因とする停電件数が増大している。

停電の原因別発生件数の推移
[ECONOMIC BENEFITS OF INCREASING ELECTRIC GRID RESILIENCE TO WEATHER OUTAGES, Executive Office of the President August 2013 via By Brad Plumer, Washington Post Blog ]
送電系の脆弱性は、2003年の北米大停電は送電線のダウン(自然災害が起きてないのに送電線ダウン)から始まったことからも、注目されてきた。しかし、最初のグラフにあるように送電系への投資は進んでいない。おそらくは収益の小さい送電系への投資が、電力自由化のもとでは進みにくいという現実があるのだろう。

そもそも、送電変電配電まとめれば、発電所関連よりも、資産としては大きい、日本の東電を見ても、資産価値でみると設備の2/3が送電変電配電系である。米国では、そのような送電変電系の投資、すなわち設備更新や増強が進んでいないという。米国エネルギー省としては、何とかしたいところ。

posted by Kumicit at 2013/08/22 07:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013/08/19

ラドンの濃い韓国

今年(2013)の5月に、韓国環境部は飲料水として使用されている地下水の17.4%で、ウランもしくはラドン濃度が、米国の飲料水水質基準を上回っていたと発表している。
[地下水の17.4%でウラン・ラドン検出値、米国基準を超過 (2013/05/28) on Yonhapnews]

28일 환경부에 따르면 지난해 전국 92개 지방자치단체의 마을 상수도와 개인 음용 지하수 563개 지점에서 자연 방사성 물질 함유 실태를 조사한 결과, 전체의 4.3%인 24곳에서 미국의 먹는 물 기준치를 넘는 우라늄이 검출됐다. 또 전체의 16.3%인 92곳에서 미국 기준 이상의 라돈이 나왔다. 이로 볼 때 우라늄이나 라돈 가운데 한 가지라도 기준치를 초과한 지점은 전체의 17.4%인 98곳으로 집계됐다. 마을상수도에서 검출된 우라늄 최고 수치는 436.3㎍/ℓ로 미국 먹는 물 수질기준의 14.5배, 라돈 최고 수치는 3만2천924pCi/ℓ로 미국 먹는물 제한수치 대비 8배가량 높았다.

5月28日 環境部によれば、2012年に、全国92の自治体及び個人の飲用地下水563か所について、自然放射性物質の含有実態を調査した結果、全体の4.3%にあたる24か所で、米国の飲料水基準値を超えるウランが検出された。また、全体の16.3%にあたる24か所で、米国の飲料水基準値を超えるラドンが検出された。ウランやラドンのうち一つでも基準値を超過した地点は、全体の17.4%にあたる98か所だった。村の水道水から検出されたウラン最高値は436.3μg/ℓと米国の飲料水水質基準の14.5倍、ラドン最高値は32924pCi/ℓと米国の飲料水水質基準の8倍だった。

[5軒に1軒で、肺に健康被害を与える発癌物質ラドン検出 (2013/06/13) on Chosun]

폐암뿐 아니라 땅속 지하수에 녹아 든 라돈을 섭취하면 위암 발생 가능성도 높이는 것으로 알려졌다.
肺癌のみならず、地下水に溶け込んだラドンを摂取すると、胃に癌が発生する可能性を高めることが分かった。

201306RadonKoreaWater.jpg
全国ラドン分布図
これとあわせて、今年初めに触れたが、韓国の戸建て住宅の33%で、屋内ラドン濃度が米国基準を上回っている。
KoreaRadon201301.JPG

全国の一戸建て住宅の33%で、冬の室内の空気中の1級発ガン物質であるラドン濃度が、多重利用施設の勧告基準以上に蓄積されていることが分かった。この数値は、環境省と国立環境科学院が、住宅の屋内ラドン管理方法を準備するために、2011〜2012年の冬に全国の一戸建て住宅、アパート、集合住宅など1万世帯を対象に、室内ラドン濃度を調査した結果だ。

環境部は現在、多重利用施設にのみ148Bq/m3の勧告基準値に設定し、住宅については基準作りのための研究を進めている。148Bq/m3は、米国において建築物のラドン対策を勧告する基準である。

調査結果によると、アパートは3階以下の世帯の6%で、室内空気中のラドン濃度が勧告基準を超過した。自然放射性ガスであるラドンは主に地面から昇ってくるので、4階以上のマンションは、汚染の可能性が少なく、調査範囲から除外されている。集合住宅では14.4%が勧告基準を超えていた。

地域別では、江原道の調査対象住宅の室内ラドン濃度が平均213.3Bq/m3を記録し、42%が勧告基準を超過して最も高かった。次に、基準超過率が高いのは全羅北道40.7%(平均184.0Bq/m3)、大田31%(平均161.9Bq/m3)、忠南30.6%(平均148.4Bq/m3)、忠30.2%(平均140.2Bq/m3)の順に高かった。市・道の中で勧告基準超過率が最も低いのは蔚山(ウルサン)で7.2%(平均75.2Bq/m3)であり、ソウル8.6%(平均84.8Bq/m3)、釜山(プサン)11.7%(平均93.0Bq/m3)、仁川(インチョン)13.9% (平均101.4Bq/m3)の順で低かった。室内の空気中のラドン濃度の地域差は、地質の違いによるもので、主に花崗岩が広く分布した地域で高いことが知られている。

[冬の換気の緊急...室内発癌性物質ラドンが基準値以上の蓄積 (2013/01/24) on ハンギョレ新聞]
公共施設として、地下鉄の駅へのスクリーンドア設置による地下鉄車内のラドン濃度の増大も問題になっている。いまのところ、米国基準値の半分程度であり、ただちに対策が必要というわけではないが、継続監視することとなっている。

このラドン関連で、全米では年間20000人以上が肺癌で死亡していると推定され、ラドン検査&対策を推奨する公共広告もながされている。

以前も触れたがが、韓国のラドン濃度は、その米国のラドン濃度(濃淡あるが全米平均すると)を上回る。
ArithmeticMeanRadonLevelByCountry.gif
[Arithmetic Mean Radon Level By Country on R. Samuel McLaughlin Centre for Population Health Risk Assessment (Canada)]

これから韓国は、米国以上にラドン検査・ラドン対策を進めることになりそう。
posted by Kumicit at 2013/08/19 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013/08/06

共和党支持者の世論の分裂

米国では、今や、政党支持による世論の差異が、人種や性別や収入や学歴よる差異よりも大きくなっていることは、以前から取り上げてきた。

先月(2013/07)行われたPew Research Centerの世論調査によれば、共和党支持者の世論も割れていることが見えている。
The Pew Research Center’s latest national survey, conducted July 17-21, 2013, among 1,480 adults, including 497 Republican and Republican-leaning registered voters, finds broad dissatisfaction among GOP voters with the party’s positions on a number of issues. 




[Whither the GOP? Republicans Want Change, But Split over Party’s Direction (2013/07/31) on PEW Research]
共和党支持者の67%が重要な問題に取り組むべき、59%が立場を再考すべきと回答しているが、「もっと保守的になるべき 54%   もっと穏健になるべき 40%」と、共和党の方向性について支持者の意見は大きく割れている。

また、Tea Partyの影響力も低下してきており、共和党支持者内の意見の分裂が進行していることが見えている。


[Whither the GOP? Republicans Want Change, But Split over Party’s Direction (2013/07/31) on PEW Research]
このような変化に現れかはわからないが、気候変動をめぐる政策についても、共和党支持者の意見は分裂し始めている。先月(2013/07)取り上げたが、共和党議員及び共和党支持者たちは、「共和党か科学か」と「共和党も科学も」に分裂しつつあると、Natinal Journalのエネルギー及び環境関連記事執筆者Coral Davenportは指摘している。共和党は政策決定が難しいことになって行きそうである。
posted by Kumicit at 2013/08/06 06:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。