2014/06/17

ベネフィシャリーバッシングの心理

米国の宗教右翼には「聖書によれば飢饉のときも銭払え」や「政府による福祉は神に背く行為」といった反福祉傾向が見られる。同様なことはニュージーランドにも見られるようで、"beneficiary bashing"という記述がnzドメインでは見つかる。

このbeneficiary bashingは、他集団に対する敵対性というハードワイヤードな心理に根ざすにではないかと、心理療法士Kyle MacDonaldは指摘する。
I think it’s important to recognize that one of the unfortunate side effects of a capitalist, “work is value” based ethic is prejudice.  Nowhere in the west is this more clear than in the United States of America, where some studies suggest that people react with “revulsion and disgust” to those struggling with poverty, and that the strength of their negative prejudice is even greater than that of racism.

To understand prejudice we need to understand in-group/ out-group psychology.  At the risk of over simplifying a rather large body of research, basically as human beings we’re hard wired to treat “not like me” with suspicion, and at times outright hostility.  This hostility is generally strengthened by increased “in group” identity.  

資本主義の「勤労は美徳だ」をベースとする倫理の不幸な副作用の一つが偏見だということを認識することが重要だと思う。幾つかの研究で、貧困との闘いに対して最も嫌悪と反感を示し、負の偏見が人種差別以上に最も強い西側国家が米国であることが示唆されている。

偏見を理解するには、集団内/集団外の心理を知る必要がある。あえて膨大な研究を単純化するなら、我々は「自分たちとは違う」者たちを疑いの目をもって、時には完全に敵対的に扱うようにハードワイヤードされている。この敵対心は集団内アイデンティティの増大とともに強くなる。
...
Modern market capitalism has created a new in group, the hard working middle class.  ... they are told that their success is because of a system that allows them to profit from hard work, perseverance and their own natural talents.  ... 

But it is a myth.  It’s a myth because our own egos (some more than others) simply don’t allow us to see or acknowledge the role that luck, the help and support of others plays (including the government) and this help is not only necessary, but vital in individual successes.  It’s also uncomfortable to acknowledge that “just” being Pakeha, or male, or born into a non-abusive or non-neglectful environment, also gives people an advantage.  And this is also, obviously, luck not talent.

The flip side of this myth is: “if you’re poor you must deserve it”.  It’s the logical inverse of “hard work equals success.”  And it’s this logic that drives welfare policy and the recent welfare reforms that see work as the only “treatment”, and the ultimate, or only measure of success.  

現代資本主義はハードワーキングミドルという新たな集団をつくりだした。彼らは自分たちの成功が、ハードワークから利益を得られる体制と努力と才能によるものだと聞かされている。

しかし、それは誤った俗説である。幸運や、政府を含む他者からの手助けと支援、そしてそれらに手助けが成功に必要というより不可欠であることを我々がわかる、あるいは認めることを、我々のエゴは許さない。ただ白人である、あるい男性である、あるいは虐待やネグレクトされない環境に生まれたということがアドバンテージになると認めることは不快なことだ。そして、もちろん明らかなことだが、幸運は才能ではない。

この俗説のコインの裏側は「貧乏なのはオマエのせい」 これは「ハードワークは成功」の反対向きの論理である。この論理は「労働こそが唯一の治療法であり、成功ための究極あるいは唯一の手段だ」という福祉政策及び現在の福祉改革を推進する。

[Kyle MacDonald:"Beneficiary Bashing"(2014/04/18) ]
そして、物事に偶然を排除した因果関係を見出そうという心理も絡んでいると。

同様な指摘はこれとかこれなどにもある。確定的ではなさそうだが、尤もらしい論である。



posted by Kumicit at 2014/06/17 09:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/06/07

Girard Hendersonの地下シェルター

ネヴァダ州ラスベガスのGirard B. Hendersonが1978年に建設した地下シェルターは、その豪華さから、とても有名である。

1983年にGirard B. Hendersonが亡くなると、夫人Maryも1989年に亡くなると、遠い親戚のTex Edmundsonの手にわたり、その後は2001年に銀行所有となった(ことのきは800万ドル)。そして、2013年に170万ドルで売りに出されている(Review Journal)。

核戦争で荒廃した地上を逃れ、地上の風景を模した設備を持つ大きな地下シェルターで長期間過ごすというのは、冷戦時代のロマンである。ただ、これだけの設備を建設するコストを負担できる者は極少数であり、現実にここまでの施設を建設した者は多くない。

そんな旧Girard B, Hendersonシェルターの風景を使って、音声合成エンジンMiyabiの関西イントネーションを楽しんでみたのが...

かなり自然な関西イントネーションであり、豪華で長閑なシェルターとマッチして、よい味わいとなっていると思う。
posted by Kumicit at 2014/06/07 10:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/05/24

Mushroom clouds without Explosions 2

遠景で見ると、とてもそれらしいキノコ雲の形をしているが、これはマウイの風物詩で、サトウキビ収穫のときに、まず葉を除去するため、畑を燃やしている光景。

[LucidMaui]


これも、見上げるばかりのキノコ雲のある、のどかなマウイの光景。

[Akitaicho's channel]

遠景だと美しいキノコ雲だが、すぐ下は、ただの迷惑な煙。煙反対の声を上げている人もいる。

カラー画像だと重みがないが、モノクロだと、とてもそれらしい...
mauisugarcaneburn2.jpg
[Original by Douglas Peebles]
posted by Kumicit at 2014/05/24 22:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/05/03

動画「A Guide to Armageddon」のコメントを見てみる

昨日に引き続き...

のコメントを見てみた(暫定版のも合わせて)。

単語統計の上位はほぼ絶叫状態...
ああ153
57
死ぬ47
www46
ええ40
wwww35
35
ww31
24
無理23
22
wwwww19
18
おお16
作る16
だめ15
15
おい15
シェルター14
うわ14
言う13
日本12
wwwwww12
12

「BBCの核攻撃時の予定原稿」とはかなり違ったノリになっている。

KH coderによる共起グラフも...
nico_ga_comments.png
左下あたりに、絶叫つながりが見えている。
右下の「目・爆心・諦める・結論・防空壕・wwwwwwww・秒・最初・地下」つながりは、全編に散らばったコメントの集合体であるが、マルチバッドエンディングを反映したもの。「秒」はナレーション「ジョーンとエリックは生き延びるはずだ。少なくとも17秒間は」に対応したもの。
同じく「爆発・リア・充」もジョーンとエリックを粉砕する爆風に対応したもの。
「死ぬ・結局・ダメ」も同様。
上の方にある「意味・安い・リーズナブル・思う・手動・言う・無駄・ブリ・ジョーク」は、高級品なシェルターを紹介した部分に相当する。

ほぼ、マルチバッドエンディングを繰り返すという演出の狙い通りの反応をしているようだ。


なお、動画の中でジョーンとエリックが見ていたブックレット(の日本語訳)は以下の2つ:

posted by Kumicit at 2014/05/03 21:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014/05/02

動画「BBCの核攻撃時の予定原稿」のコメントを見てみる


これのコメントを見てみた。といっても、そのまま読んでいるだけでは傾向が見えないので、まずは単語統計から...
54
シェルター41
放送38
日本33
怖い31
27
死ぬ26
ヤマト23
絶望20
20
攻撃20
ラジオ17
放射能16
トイレ12
音声12
状況12

特に興味をひく単語は上位にはいない。「音声」は熟語「機械音声」あるいは「音声合成」が分解されたもの。

KH coderで共起グラフ(単語60個で)を描いてみると...
nico_bbc1_commentsS.png
2つの大きなグループとそれ以外のつながりがみえる。

ひとつめの単語のつながりは...
nico_bbc1_commentsSa.png
予定原稿は「地下」と「作る」を含まないが「地下・シェルター・作る」がつながっている。「核攻撃」は「地下シェルターの作成」を想起させるものなのだろう。

また、「勝ち」は14日間引きこもる必要があるので、引きこもりは勝利という流れ。ヤマトはBGMによるもので、福島は3.11以降に見られる。

ひとつめのグループと弱いつながりでつながっている2つめは...
nico_bbc1_commentsSb.png
注目は「トイレ・方式・水・生命・汚染」あたり。水洗トイレの使用を禁じるのは、水道供給が止まるので、残された水を飲料に使うために、トイレでムダに使うなという意味。しかし、予定原稿には明示的に書かれていないため、「トイレの水は汚染されている」といった違った方向の発想が生まれている。

断片的な単語群は...
nico_bbc1_commentsSc.png
この中で目立つのは「機械音声, 怖い」と「聞ける, ラジオ, 壊れる」だろうか。

「聞ける, ラジオ, 壊れる」は核戦争では「高空爆発による電子機器破壊攻撃」が行われるという知識によるものだろう。BBCのThreads(1984)やABCのThe Day After(1983)でも、高空爆発で電子機器が壊滅する描写がある。

もうひとつの「機械音声, 怖い」は、読み上げをMISAKIにさせたことによるもの。MISAKIリリース以後も新たな音声合成エンジン・データが世の中に出されているが、自然さではMISAKIはまだまだ強い。それでも、合成音声である違和感があるようだ。

実際のBBCの予定原稿に関して、誰が読むかの議論があった。このとき、見知らぬアナウンサーの声や合成音声だと、BBCが壊滅した印象を与えるのではないかという意見があった。同じ調子で繰り返される放送だと、録音テープが流れているだけだと思われるという懸念もあったようである。「機械音声, 怖い」はそれらの懸念が杞憂ではないことを示唆しているかもしれない。

とはいえ、開き直って、「ゆっくり朗読+明るいBGM」で作ってみると、「怖さ」が完全に失われるようである。
posted by Kumicit at 2014/05/02 12:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする