2005/09/20

「百匹目の猿」そろそろ終わり

2005年09月18日 「100匹目のサル」をめぐって(4)(福田::漂泊言論)で、福田氏は英文解釈に限って訴訟テクニックをまだ続けている。これについては別の面から反証をあげておこう。

Lyall Watsonは"Lifetide"で

Not only that, but the habit seems to have jumped natural barriers and to have appeared spontaneously, like glycerine crystals in sealed laboratory jars, in colonies on other islands and on the mainland in a troop at Takasakiyama.

それだけでなく、地理的な障壁を超えて、自然発生的に、密封された実験容器のグリセリン結晶が結晶化したように、他の島のコロニーや本島の高崎山の群れにも現れたのです。

と言っているが、もしこれが「海水使用」だとすると、海岸まで生息域が及んでいない高崎山(海岸との間には日豊本線と国道があり、山が海に迫っていて、砂浜もなく消波ブロックもあったりする)には「海水によるサツマイモ洗い」は伝播しようがない。ついでに高崎山には涸れることのない淡水プールも用意されている。(もちろん、海から遠い大阪箕面・京都嵐山(岩田山)には絶対に「海水によるサツマイモ洗い」は伝播できない。)従って、海水説は棄却される。


このあとは、調べ物の残り....
posted by Kumicit at 2005/09/20 00:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | Hundredth Monkey | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005/09/13

「百匹目の猿」何が論点なのか

前のエントリのコメント欄のやりとりが長くなってきたので、別のエントリとして続きを書こう。

無駄に長々しいだけかもしれないが...
posted by Kumicit at 2005/09/13 02:52 | Comment(2) | TrackBack(1) | Hundredth Monkey | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005/09/10

「百匹目の猿」塩水ですか?


と私のエントリ「百匹目の猿の原論文には百匹目の猿はいない」
「百匹目の猿の嘘を暴いた"The Hundredth Monkey Phenomenon"by Ron Amundson」
で終わったと思っていたのだが...

まだ続いていたようだ。

福田氏の解釈では

SPWの初期的獲得について問題としているわけではないことが分かります。そうではなくて、その先の段階としての「“海で”洗う」という行動こそがここでは問題とされているわけです。

ということで、「"海で"洗う」がLyall Watsonの主張だそうである。
これを整理すると

  • サツマイモを洗うという行動には閾値はなくて徐々にしか広まらない
  • 淡水を塩水に切り替えるのには閾値があって、それを超えると一気に広まる。
  • 閾値を超えると一気に広まる範囲は、大人9匹とNamiの子供4匹と赤ちゃんたちを除いた群の残りである。

ということになる。そしてその論拠は「否定するデータがない」。

これに対しては、原論文(Kawai 1965)では観察記録には

  • 個々のサルの記録はない
  • 1952〜1953年には塩水を使っていない
  • 1957〜1958年には、ぼすべてのSPW-サルが塩水を使っていた
  • 1962年にはすべてのSPW-サルが塩水と淡水を使っていた。

塩水を使うようになった理由は
  • 渇水期には小川が干上ってしまうなど、十分な淡水がなかったこと。
  • 塩水により味がよくなることを覚えたこと。

    によるものと推定している。

    以下に該当部分を示す。
    著作権が気になるというか、福田さん $30でSpringerから買ってください...
  • posted by Kumicit at 2005/09/10 17:35 | Comment(6) | TrackBack(1) | Hundredth Monkey | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2005/09/07

    補足

    十分な情報を"引用"で許されそうな範囲でエントリに貼り付けておいたつもりだったが、図を読むのがめんどい人々もいるみたいだ。ということで整理しておく。

    とはいうものの、
    Springerのページで、
    Kawai, Masao. 1965. On the newly-acquired pre-cultural behavior of the natural troop of Japanese monkeys on Koshima Islet. Primates, 6:1-30.
    を買って読むことをお奨めする。むつかしい数式も物理法則も出てこない。日本人の英語だから読みやすい。そして、なんといっても、「研究ってこういうものなんだ。」という感動を与えてくれる名品だから。
    図を読むのがめんどうな人は続きを...
    posted by Kumicit at 2005/09/07 00:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | Hundredth Monkey | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

    2005/08/03

    「百匹目の猿」の原論文には百匹目の猿はいない

    ライアル・ワトソンが「生命潮流」で、「百匹目の猿」の出所(ではなく道具として)として挙げたのが、Koshima(幸島)のニホンザルの行動についての河合雅雄の論文
    Kawai, Masao. 1965. On the newly-acquired pre-cultural behavior of the natural troop of Japanese monkeys on Koshima Islet. Primates, 6:1-30.
    である。もちろん、この1965年の論文には「百匹目の猿」はいない。



    • 幸島のニホンザル全員を1949年(20匹)から1962年(59匹)まで観察し、新しい行動の習得と伝播、その原因と意味を研究
    • 新しい行動とは、サツマイモ洗い・麦洗い・海水浴・なんかくれポーズ。
    • 1958年までは、サツマイモ洗いは年1〜4匹の年少の猿が習得したが、成人した猿11匹のうち習得したのは2匹(いずれも母猿で、サツマイモ洗いをする子猿をまねたものと考えられる)。
    • 1959年からは、サツマイモ洗いをする猿たちが成人し、子供を生むようになった。それ以後は、母から子へとサツマイモ洗いが伝わるようになった(つまり、サツマイモ洗いは新技術ではなく、普通の行動になった)。
    という、奇跡も神秘もないお話。爆発的に行動が広がることもなく、成人した猿のほとんどはサツマイモを洗うこともなかった。

    なお、原論文を掲載した論文誌「Primates」は大学の理学部動物学教室か農学部の図書館にはあると思うが、一般の図書館にあるような雑誌ではなさそう。なので、出版社であるSpringerのページ でPDFを購入した。お値段は$30""


    原論文の主な図表を見る
    posted by Kumicit at 2005/08/03 08:46 | Comment(0) | TrackBack(4) | Hundredth Monkey | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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