2012年05月19日

2000-2010年度の原発発電量

電力事業連合会の電力統計情報から、電力会社の原子力発電の実績発電量および全発電量に占める比率を見てみた。
AtomicPower2010.png
  • 北海道電力は2009年12月22日に91.2万kWの泊原発3号機の運転開始で原子力の比率が高まっている。最近のことなので、火力発電所はまだ休止されたとしても、まだ再稼働の手間は小さめと思われる。
  • 東京電力は2003年の原発停止を、老朽火力の再稼働・稼働率向上・電力融通及び冷夏などで対処。それよりも今回は条件が悪い(電力融通を期待できない)が、緊急電源を加えている。
  • 原子力依存度の高い関西電力・九州電力・四国電力は、発電量の順に対処が困難になると思われる。
  • 中国電力・北陸電力は原子力依存度低め。
  • 東北電力は原子力の比率は大きくはないものの、原町火力・仙台火力・新仙台火力へのダメージおよび水害による水力発電へのダメージがある。
  • 中部電力は東北電力と同程度だが、特に災害ダメージがない。

以上から関西電力が最も原発再稼働を必要としていると考えられる。

なお、これ以外に、日本原電の敦賀発電所1号機(35.7万kW)・敦賀発電所2号機 (116万kW)が中部電力・北陸電力・関西電力に、同じく日本原電の東海第二発電所(110万kW)が東京電力・東北電力に原子力発電による電力を供給していた。
posted by Kumicit at 05/19 14:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2012年05月14日

関西電力管内の夏場の需要(2005-2007)

関西電力の「電力需給のお知らせ」には過去実績がないが、たまたま持っている数字だと夏場(7〜9月)は...
KansaiWeekdayOld.png

月の平均気温に差異があっても、最大需要に大きな違いは見られない。
(大阪)789
200527.528.726.1
200627.229.824.6
200725.929.927.2


で、冬場は需要を150万kW押し下げて乗り切ったが...
KandenOsaka201203.png
さて...


ちなみに、関西電力の揚水発電所は喜撰山(46.6万kW)+奥多々良木(193万kW)+奥吉野(120.6万kW)+大河内(128万kW)+三尾(3.4万kW)である。動作時間はおおよそ発電7時間、揚水10時間程度と思われる(東電神流川発電所の場合、揚水発電はフル出力だと7時間程度で打ち止め。その後は10時間程度かけて揚水)。一般に、発電可能な電力は、揚水に要した電力の70%程度。
posted by Kumicit at 05/14 07:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

東京電力管内の需要と東京の気温 (Update 2012/05/12)

久しぶりに、東京電力管内の電力需要(時別最大)と東京の日平均気温のグラフを更新してみた(使用データはこちら)。
TepcoWeekday_20120512.png
TepcoHoliday_20120512.png
春夏秋とかなり強力に節電していたが、冬場はわりとゆるめ。昨秋までに170万kWの緊急電源増設もあり、昨夏よりは平穏。それでも500万kW程度、需要は抑え込まれている。
そして、春になっても、500万kW程度、需要は抑え込まれた状態が維持されている。


5月11日時点の気象庁長期予報は以下のようになっており、夏場は、やや高め予報となっている。
(関東甲信)平年より低い平年並み平年より高い
6月204040
7月304030
6〜8月303040


また、常陸那珂火力発電所敷地内の小型集合体な緊急電源25万kWが廃止され、2012年7月に千葉火力発電所33万kWと鹿島火力発電所80万kWが稼働予定となっている。この他、川崎火力2号系列1軸(50万kW)の2012年7月前倒し稼働があるかも。常陸那珂火力2号機(100万kW)は2013年冬になりそうで、常陸那珂火力3号機(100万kW)や川崎火力2号系列2軸/3軸(71万kW×2)はずっと先。柏崎刈羽原発が止まった分にはまだ及ばない。
posted by Kumicit at 05/14 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2012年04月28日

SPEEDI Revisited

なんとなく、言えることは言った気もしないでもないけど...

東京電力の「福島第一原子力発電所構内での計測データ|アーカイブ」には、2011年3月11日〜21日のニュースリリースは残っておらず、モニタリング追加・修正データ(3月11日〜21日)の形で修正追加された値が置かれている。

そこで、www.archive.orgを見たところ、2011年3月25日のスナップショットが残っていた。
福島第一・第二原子力発電所モニタリングによる計測状況 (2011/03/25時点)
これらから、最もデータ数の多い「正門付近」の線量と、ニュースリリースのデータ公表(**現在)をグラフにしてみた(公表までには1時間程度かかっていると思われるので、たとえば、3/15 13:30時点のデータを見れるのは14:30頃)。
OriginalTepco0315.png
ここで注目すべきは、最も多く放射性物質が放出されたイベント(2011年3月15日 6:00頃〜12:00頃)のデータが13:30時点(おそらく公表は14:30頃)として公表されていること。

その頃には、既に白河市および郡山市には放射性物質が流入していた。そして、そのことは16:00頃に福島県が公表していた。

==>最初の一週間くらいの福島県の発表情報サルベージ中... (2011/08/27)

その後の流れは....

09:00 [福島第1] 正門付近で11930μSv/hを観測
11:00 [官邸] 20〜30kmに屋内退避指示
14:30? [東電] 最も多く放射性物質が放出されたイベント(2011年3月15日 6:00頃〜12:00頃)のデータを公開
14:30? [SPEEDI] 北西方向に細長く伸びる予測を算出し、各部署に展開
19:00? [福島県] 観測値公開(7方部第3報): 17:00に福島市で20.26μSv/h
21:00? [福島県] 観測値公開(その他第1報)]: 18:20に飯館村で44.7μSv/h
23:00? [福島県] 観測値公開(7方部第5報): 22:00になっても福島市で20.70μSv/h
「なるべく屋内に居てください」


これらをまとめると、飯館村に出すことができた警告(3/15〜3/16)は以下のようになる。
IIdateC2.png

東電の公表が遅めだったことから、SPEEDIで警報を出すことによって稼げる時間はあまりない。

そして、実際に飯館村の積算被曝量(3/15〜5/31)が積もって至った過程は...
IIdateC1.png
実測値(1時間値)が1時間遅れで公開されている状況の下で、被曝量が積もっていったことは明らか。刻々と被曝量が積もっていることを誰もが知りうる状況で、飯館村と官邸の間の調整に1か月を浪費したことによるもの。


関連エントリ


posted by Kumicit at 04/28 10:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2012年04月10日

除染前後の


昨年(2011年)12月に自衛隊により飯館村役場の除染が実施されている。
[原子力災害派遣による活動 on 防衛省]

(12月19日)
・飯舘村役場の引き渡しを完了し、浪江町役場、富岡町役場及び楢葉町役場を含めた4ヶ所の町村役場の拠点除染を完了。
(12月15日〜12月16日)
・第6特科連隊(郡山)により、富岡町役場の除染を実施。
(12月14日)
・第44普通科連隊(福島)により、飯館村役場の除染を実施。
・第6特科連隊(郡山)により、富岡役場及び楢葉町役場の除染を実施。


文科省による放射線モニタリングを見ると、飯舘村役場の線量は隣接するモニタリングポストの値よりかなり小さい。
[放射線モニタリング 全国及び福島県の空間線量測定結果]

2012年04月10日 07時30分時点(μSv/h)

飯舘村立草野幼稚園 2.093
飯舘村立飯舘中学校 3.079
草野小学校 1.943
福島県立相馬農業高等学校飯舘校 4.560
関根松塚集会所 2.126
飯舘村役場 0.933
関沢コミュニティーセンター 2.959


map20120410.png福島県による観測値(過去の放射線モニタリング結果)とつなげてみると...
IidataV1.png
(雪の効果で一時的に線量が小さくなったが、春になり、もとのトレンド上にもどってきている)

対数にすると明らかに、9月までの値からジャンプしている。観測機器が変われば値はずれるにしても....
IidataL1.png
長泥コミュニティセンターとの比を見ても...
IidataR1.png

そこそこ除染は効いているもよう。
posted by Kumicit at 04/10 06:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2012年03月29日

関西電力管内の需要と大阪の気温

関西電力でんき予報のページでは、東電や東北電力と違って、過去の需要実績を公開していない。

そこで、公開されている2011年12月1日以降の時別需要と、たまたま持ってた2005年と2006年の冬場の時別需要を比べてみた。
KandenOsaka201203.png
2005年と2006年は同じ線上に乗っているが、2011年度の冬場は節電により150万kW程度下側を推移している。

それでも供給力はあやうく、「関西電力:今冬の需給について」によれば、水力発電が好調だったのと、揚水発電を積み上げて、なんとか乗り切っている。
posted by Kumicit at 03/29 01:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2012年03月27日

東京電力・東北電力管内の需要と気温 (Update(2012/03/25)

久しぶりに、東京電力管内の電力需要 (時別最大)と東京の日平均気温のグラフを更新してみた(使用データはこちら )。
TokyoDemandTempWeekday_20120325.png
TokyoDemandTempHoliday_20120325.png
春夏秋とかなり強力に節電していたが、冬場はわりとゆるめ。昨秋までに170万kWの緊急電源増設もあり、昨夏よりは平穏。
ついでに、東北電力管内についてもグラフを更新してみた
posted by Kumicit at 03/27 01:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2012年03月15日

たまには震源分布の時系列でも...

前回から4週間ほど経過したので、また震源について気象庁作成の分布図(2011/02/04〜2012/03/13)を並べてみた(全国M3以上・関東/東海・東北地方)。これは全地震が収録されているので、3.11以前からの連続性がある。



posted by Kumicit at 03/15 07:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2012年02月18日

たまには震源分布の時系列でも...

前回から3週間ほど経過したので、また震源について気象庁作成の分布図(2011/02/04〜2012/02/16)を並べてみた(全国M3以上・関東/東海・東北地方)。これは全地震が収録されているので、3.11以前からの連続性がある。

なんとなく収まってきた気もしないでもない状況。
posted by Kumicit at 02/18 15:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2012年01月20日

SPEEDIを使わない?

2012年1月19日に、原発事故のときの対応用SPEEDIを基にしないという報道があった。
これまでの議論で、放射性物質の拡散状況を予測する緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)を基にする日本独自の手法から、放出された放射性物質の実測値などに基づくことへの変更方針は出されていた。東京電力福島第1原発事故でSPEEDIが機能しなかったため。作業部会の主査を務める本間俊充・日本原子力研究開発機構安全研究センター長は18日、「緊急時にSPEEDIは信頼性に欠ける。予測システムで何かができるというのは幻想だった」と指摘した。

[比嘉洋: "原子力安全委:3段階で被ばく対策 原発事故防災指針見直し" (2012/01/19) on 毎日新聞]
これは原子力安全委員会の原子力施設等防災専門部会防災指針検討ワーキンググループ(2011/07/27から11回の会合を開いている)の検討結果のこと。

官僚サイドはおそらく最初からSPEEDI不使用を決めていたようで、2011年10月20日の事務局作成たたき台として、SPEEDIを使わない案を出していた。
事故の不確実性や急速に進展する事故の可能性等を踏まえ、予測的な手法による意思決定ではなく、計測可能な判断基準である運用上の介入レベル(OIL)に基づく避難、屋内退避等を準備する区域を設ける。

[防WG第6−3号 (原子力安全委員会事務局作成たたき台) 原子力発電所に係る防災対策を重点的に充実すべき地域に関する考え方(案) (2011/10/20) 防災指針検討ワーキンググループ]
このときは、委員からの反発があった。
(1)防災対策を重点的に充実すべき地域
・実施の考え方として整理すべき。
・意思決定スキームは、別項目を立てるべき。
・予測手法を否定すべきでない。補助的な使用も検討すべき。
・SPEEDI を参考利用する。
・SPEEDI を削除するのは極端。

[防WG第7−3−1号 各委員の意見を反映した修正案 (2011/11/01)]
しかし、それら意見に基づくと称する2011年11月1日バージョンでも、SPEEDI不使用な記述になっている。
東京電力福島第一原子力発電所の事故においては、事故が急速に進展したため迅速な対応が求められた。防護措置の実施に当たっては、このような事故の不確実性や急速に進展する事故の可能性等を踏まえ、これまでは予測的な手法に基づく意思決定を行うこととしてきたが、今後は、国際基準等を踏まえ、主として緊急事態の区分と区分決定のための施設における判断基準(緊急時活動レベル(EAL:Emergency Action Level)及び環境における計測可能な判断基準( 運用上の介入レベル(OIL:
Operational Intervention Level))に基づき迅速な判断ができるような意思決定手順を構築する必要がある。

[防WG第7−3−2号 原子力発電所に係る防災対策を重点的に充実すべき地域 に関する考え方(案) (2011/11/01) 防災指針検討ワーキンググループ]

これで、SPEEDIが消えるかというと、何らかの形で存続する。というのは、IAEAの安全要件を満たすために、必要だから。
IAEA 安全要件 GS-R-2 原子力又は放射線の緊急事態に対する準備と対応防災指針等での対応
4.24. 脅威区分T、U、V又はWの各施設あるいは行為の事業者は、「[緊急時対応が必要とされる状況を同定し]、以下に関する十分な情報を迅速に作成し、それを責任ある関係当局に通達するための十分な[取り決めが]行われることを確実なものとしなければならない。
(a) 放射性物質の環境への[計画外の]排出[又は被ばく]の範囲と程度の早期予測又は評価。
(b) [原子力又は放射線の緊急事態]の進展に伴う迅速かつ継続的評価
10条、15条事象の判断基準と通報を事業者に義務つけている。
被ばくの範囲、程度の予測はERSS, SPEEDIに基づいて行う。
5.18. 「緊急時計画には、適宜、以下が含まれなければならない。
(e) [原子力又は放射線の緊急事態]及びその敷地内外への影響を評価する方法と機材の説明
ERSS, SPEEDI,モニタリング指針が準備されている。
5.21. 運転及び対応組織は、第4 章で制定した緊急時対応要件を満足するために規定された機能を遂行可能とするために、必要な手順、解析ツール及び計算プログラムを開発しなければならない。
5.22. 緊急時対応要件を満足する機能遂行に用いる手順、解析ツール及び計算プログラムは、模擬した緊急時条件で試験を行い、使用前に妥当性を検証しておかなければならない。
防災基本計画や防災指針に ERSS, SPEEDI の運用が記載してある。
既に何回も訓練において使用され、妥当性が検証されている。


[IAEA安全要件(GS-R-2)への対応 (2012/01/18) 原子力安全委員会原子力施設等防災専門部会防災指針検討ワーキンググループ(第11回会合)]

posted by Kumicit at 01/20 03:04 | Comment(2) | TrackBack(0) | Earthquake

2012年01月15日

残っていたテレメータサイトの記録

2011年7月20日に、福島県災害対策本部原子力班は、原子力発電所周辺に設置しているモニタリングポスト(全23地点)の2011/03/11〜16のデータをを公開している

ただし、2011/03/11 15:38までに4地点が津波で喪失し、18地点が停電などによりネットワーク不通(おそらく機器も停止)で脱落して、残ったのは自家発電機のある福島県原子力センター敷地内の大野(福島第一原発の西南西6km)のみ。とはいえ、自家発電機が燃料切れになったのが2011/03/16 16:44だったため、3/15-16の大規模な放射性物質放出を2分値で捕捉できている。

2011/03/11〜2011/03/14 21:00までは、とても線量は小さく、1号機のベントによるプリュームが通過した南相馬市(北24km)よりも小さい。(したがって、北方向への流れはモニタできない)
OhNo1.png
その後は、800μSv/hを超えていき、100μSv/hくらいに落ち着く。
OhNo2.png
同じく原子炉から西南西にある原発正門付近と比べると、一桁以上違っている(さらに近い事務本館北は、正門付近の一桁上)。距離をとることの重要性がわかる。

この大野の値は、おそらく停電によると思われるネットワーク不通により、福島県ではリアルタイムで見ることができなかった。自家発電で電源が確保できてもに、一方的に垂れ流すFM放送などのデータ伝送手段がないので、記録のみに。「原発が単独でコケル」ことに備えていたが「大災害のついでに原発もコケル」ことには備えてなかったというところ。
posted by Kumicit at 01/15 17:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2011/03/15 11:00の「屋内退避指示」は注意報だったのかも

2011年3月11日から16日にかけての政府の避難指示を振り返ると...事故翌日の3/12に避難指示を3km圏内から20km圏内へ拡大し、その後は3/15 11:00の屋内退避指示まで動きがない。

原子炉まわりのイベントを拾ってみると...
1号機の冷却機能喪失とベントと水素爆発で20km圏内避難が確定しているが、その後は2,3号機の冷却機能喪失や2,4号機の水素爆発が起きても、20km圏内から避難指示を拡大していない。20kmで十分だと判断していたように見える。

福島第一原発の敷地外での線量観測についても、20km圏外で一時的に線量増大を観測しても、20km圏を堅持している。
  • 2011/03/12 09:00 浪江町[北約8km]で15μSv/h
  • 2011/03/12 20:00 南相馬[北約24km]で17.8μSv/h(==>20:00 20.0μSv/h==>3/13 09:15 4.02μSv/h)

  • 2011/03/15 02:00 "いわき"[南南西約43km]で18.04μSv/h(==>04:00 23.72μSv/h==>09:00 2.59μSv/h)


東電による福島第一原発敷地内の観測値を見てみると、連続的に観測されていた「正門付近」で、2011/03/15 09:00に11.93mSv/hを記録している。

この後、11:00に政府は「避難指示」ではなく「屋内退避指示」を20〜30km圏内に出している。

イベントの流れから見て、この「屋内退避指示」は「東電の正門付近の観測値」に基づく「線量注意報」のように見える。この時点ではSPEEDIは北西方向への細長い流れを予測していないので、もわっとした同心円な注意報でも妥当と思われる。

その後、「東電の正門付近」で線量増大が観測され、SPEEDIは北西方向の細長い流れを予測するのだが、政府には2011/04/11に計画的避難区域の考え方を公表し、2011/04/22に設定するまで動きは見られない。

一方、福島県は2011/03/15午後から線量観測値の公開を開始し、30km圏外に汚染が拡大して、深夜に「なるべく屋内に居てください」と広報している。



実際のところ、2011/03/15 11:00の「屋内退避指示」が「東電の正門付近の観測値」に基づく「線量注意報」の意図を持っていたのかはわからないが、「浪江町北西部、葛尾村、南相馬市南西部」については注意報として機能したように見える。

関連エントリ




posted by Kumicit at 01/15 16:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2012年01月09日

線量減少が速すぎる

福島県による環境放射能測定のうち、「県内7方部」の福島市および「20キロメートル〜50キロメートル圏付近」の飯館村長泥について、長期トレンドを見るために10日平均をとってグラフにしてみた。
Ave10days2011.png
半減期8日のヨウ素がほぼなくなったと思われる6月以降の推移を眺めてみると、「半減期1年」な挙動をしている。これは、半減期30年のセシウム137の他に、それなりに半減期2年のセシウム134があるにせよ、物理的な崩壊よりも速い。

  • 雨により流出(いずれは河川経由で太平洋へ流出したり、低地に滞留したり)
  • 雨水とともに土壌中へ浸透
  • 風と共に周辺へ拡散(偏西風世界なので、多くは太平洋へ)
など、何らかの形で、別の場所へ移動していることが考えられる。
posted by Kumicit at 01/09 11:46 | Comment(3) | TrackBack(0) | Earthquake

2012年01月06日

まだまだ日本はゆれている

日本気象協会のページにある地震のデータ(気象庁発表)を拾って、週単位でマグニチュード4以上について頻度分布を描いてみた(面倒なので、日本全体の地震をカウントした)。
EqHisto_20120105.png
3月11日から4月中旬にかけて、最大深度の小さい地震について発表が省略されたり、復活したりで、データの連続性が失われているが、もはや、あの頃のことは過去のこと。

で、2011年5月くらいからのトレンドを見てみると、ゆるやかではあるが着実に地震活動は小さくなってきている。ただし、2011年3月11日以前と比較すると、かなり地震回数は多い。もとの静かな状況にもどるのが、いつになるかはわからないが、トレンドを見る限り、だらだら数年は続いてもおかしくない。
posted by Kumicit at 01/06 01:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2011年12月29日

たまには震源分布の時系列でも...

前回から3週間ほど経過したので、また震源について気象庁作成の分布図(2011/02/04〜12/27)を並べてみた(全国M3以上・関東/東海・東北地方)。これは全地震が収録されているので、3.11以前からの連続性がある。

なんとなく収まってきた気もしないでもない状況。
posted by Kumicit at 12/29 01:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2011年12月08日

たまには震源分布の時系列でも...

久しぶりに、震源分布について気象庁作成の分布図(2011/02/04〜12/06)を並べてみた(全国M3以上・関東/東海・東北地方)。これは全地震が収録されているので、3.11以前からの連続性がある。

まだまだ2月と比べれば地震の回数は非常に多い。
posted by Kumicit at 12/08 07:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2011年10月17日

コントロールの回復 Re^n visited

地球も宇宙も6000歳という"若い地球の創造論"を信じる人々が40%以上いる米国では、公立学校の理科の授業で創造論を教えようという動きが州議会・州教育委員会・学区教育委員会などで繰り返し起きている

ただ、この動きは"科学"そのものを否定しようというものではない。Ron Numbersが指摘するように...
MR. NUMBERS: To me, the struggle in the late 20th Century between creationists and evolutionists does not represent another battle between science and religion because rarely do creationists display hostility towards science. If you read their literature, you'll rarely come across an anti-scientific notion. They love science. They love what science can do. They hate the fact that science has been hijacked by agnostics and atheists to offer such speculative theories as organic evolution. So, they don't see themselves as being antagonistic to science any more than many of the advocates of evolution - those who see evolution as God's method of creation - view themselves as hostile to Christianity.

私にとって、20世紀後半の創造論者と進化論者の戦いは、科学と宗教の戦いの新たな局面ではない。それは、創造論者たちは科学に敵対的になることは、ほとんどないからだ。彼らの文献を読めば、反科学的な概念に出会うことはまずないだろう。彼らは科学が好きだ。そして彼らは科学ができることが好きだ。彼らは、科学が不可知論者によって乗っ取られたという事実と無神論者が生物進化のような推測の理論を提供するのを嫌う。彼らは、進化論支持者すなわち、進化を神の創造だと見る人々が自らをキリスト教に敵対すると考える以上に、自分たちが科学に敵対しているとは見ていない。

[Ron Numbers Interview on PBS]
創造論支持者たちから見れば、不可知論者・無神論者によって乗っ取られた科学を自分たちの手に取りもどそうという行動である。

同様のことは、否定論に広くみられる。否定論を考えるNew Scientistの連載で、Debora MacKenzieは次のように指摘する。
Many people see this as a threat to important aspects of their lives. In Texas last year, a member of a state committee who was trying to get creationism added to school science standards almost said as much when he proclaimed "somebody's got to stand up to experts".

It is this sense of loss of control that really matters. In such situations, many people prefer to reject expert evidence in favour of alternative explanations that promise to hand control back to them, even if those explanations are not supported by evidence.

これを、多くの人々は、自らの生活の重要な面を脅かすものだと見ている。昨年テキサス州では、創造論を学校の理科カリキュラム基準に入れようとした州教育委員は「誰かが専門家に対して立ち上がらなければならない」といったことを述べた。

ここでの問題はコントロールの喪失である。このような状況では、多くの人々は、自分たちの手にコントロールを取り戻すような代替的説明を選好し、専門家の証拠を拒絶する。たとえ、代替的説明が証拠に支持されていなくとも。

All denialisms appear to be attempts like this to regain a sense of agency over uncaring nature: blaming autism on vaccines rather than an unknown natural cause, insisting that humans were made by divine plan, rejecting the idea that actions we thought were okay, such as smoking and burning coal, have turned out to be dangerous.

This is not necessarily malicious, or even explicitly anti-science. Indeed, the alternative explanations are usually portrayed as scientific. Nor is it willfully dishonest. It only requires people to think the way most people do: in terms of anecdote, emotion and cognitive short cuts. Denialist explanations may be couched in sciency language, but they rest on anecdotal evidence and the emotional appeal of regaining control.

すべての否定論者はこのようにして、手の届かない自然に対するコントロールの感覚を取り戻そうとする。たとえば、自閉症について、未知の自然の原因よりもワクチンのせいだと批難する。人間は神の計画によって創られたと言い張る。そして、自分たちがOKだと考えている喫煙や石炭火力が危険なものだとわかったという考えを拒絶する。

これは必ずしも悪意あるものでもなければ、直接的な反科学でもない。実際、代替的説明は多くの場合、科学的だと描写される。そしてまた、意図的な不誠実でもない。多くの人々が使っている逸話と感情と認知のショートカットを使うだけで、否定論者となれる。否定論者の説明は科学っぽい言葉で表現されるが、実際には逸話的証拠と、コントロール回復という感情的に魅力に基づいている。

[Debora MacKenzie: "Living in denial: Why sensible people reject the truth " (2010/05/19) on New Scientist]
「専門家たちが行う研究の方向性をことコントロールできない」あるいは、「そもそも専門家たちの研究を理解・評価できない」というコントロールの喪失感を、補償してくれる否定論(あるいはカウンターナレッジ)。「専門家たちが行う科学」への信頼を失った人々にとっては、抗いがたい魅力を持つだろう。特に、その否定論(あるいはカウンターナレッジ)が理解しやすい単純なものであれば。それは、理解できれば、「専門家たちが行う科学」を自分たちが取り戻したという感覚を得られるからだ。

で、この「理解できる」ということは、もう一つのコントロールの回復にも効く。すなわち、「事態に自分が影響を及ぼせるという感覚の回復」である。
The reason, suggest Jennifer Whitson of the University of Texas, Austin, and Adam Galinsky of Northwestern University, is that pattern perception compensates for feeling out of control in a sea of forces you do not comprehend. It balances the sense that life is random and restores the sense that you do understand what’s going on and might even be able to affect them. It can be more comforting to believe that a vast conspiracy explains, say, the stock market crash than to acknowledge that the financial system is beyond your comprehension, let alone control: conspiracy beliefs, write the scientists, give “causes and motives to events that are more rationally seen as accidents ... [in order to] bring the disturbing vagaries of reality under ... control.”

その理由は、AustinのUniversity of TexasのJennifer Whitsonと、Northwestern UniversityのAdam Galinskyによれば、理解できない力で制御不可能になったという感情を、パターン認識が埋め合わせていること。パターン認識は、生命はランダムだという感覚を均衡させ、何が起きているか理解し、その事態に自分が影響を及ぼせるという感覚を回復させる。株式市場の崩壊を巨大な陰謀論で説明する方が、金融システムが自分の理解を超えていると考えるよりも安心できる。陰謀論を信じれば事件の原因と動機が定まり、単なる偶発時と考えるよりも合理的だと思えるようになり、乱れて予測のつかない現実をコントロールのもとにおくことができる。

[Sharon Begley: "Feeling Powerless? Do I Have a Conspiracy Theory for You" (2008/10/02) on News Week]
自分が次に何をすればいいか、何をすれば問題が解決するのかが確定すれば、あとはそれを遂行するだけ。特にそれが「悪しき事態を引き起こした存在を打倒せば、問題が解決する」というものなら、もはや何も考える必要はない。攻撃あるのみ。



posted by Kumicit at 10/17 07:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2011年09月17日

東電管内需要と気温の関係UPDATE(2011/09/16)

東京電力管内の電力需要(時別最大)と東京の日平均気温のグラフを更新した(使用データはこちら)。
TepcoVTokyo_0916.png
TokyoTemp0916.png

2011年のみ前半だけだが、9月の時別需要(平日)を見ておくと...
TepcoSept16.png
2011年9月高め推移の前半だけの値だが、2008年9月全体と同程度。かなり抑制されている。

とはいえ、9月9日で電気事業法27条に基づく電気の使用制限が終って、翌週は最大需要も大きくなっている。
TepcoVtokyo_20110916.png
posted by Kumicit at 09/17 19:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2011年09月08日

ひさしぶりに放射線量(〜2011/09/06)

久しぶりに福島県主要地点の放射線量を見てみた。最初期のヨウ素が大きいので、その後の変化が読めないので、対数グラフにした。
HistF-0906.png
おおよそ4月末にはI-131がほぼなくなって、その後はCs-134の崩壊やら、地中への浸透やら、雨による流出やら要因は不明だが、指数関数で(対数グラフなので直線で)漸減中...
posted by Kumicit at 09/08 01:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake

2011年09月06日

メモ: Poll on Nuclear Energy

米国の原発に関する世論調査の推移をちょっと見てみた。
ABC News/Washington Post Poll. April 14-17, 2011. N=1,001 adults nationwide. Margin of error ア 3.5.

"In general, would you favor or oppose building more nuclear power plants at this time?" (Half sample)


Favor Oppose Unsure
% % %
4/14-4/17/2011 33 64 3
<== 3/11/2011 1-Fukushima
7/23-7/28/2008 44 53 3
6/ 2-6/ 5/2005 34 64 2
6/2001 42 52 6
4/2001 37 59 4
3/1990 22 76 2
5/1986 19 78 3
<== 4/26/1986 Chelnobyl
4/1986 28 68 4
1/1985 26 67 6
4/1983 27 65 8
<== 3/28/1979 TMI

[Polling Report]
TMI事故以前の数値がないので、TMIのインパクトはわからないが、福島第一原発事故後の世論は、TMIの3年後よりも少し反原発弱め。長い目でみると、今世紀中のゆらぎの範囲内に見える。

直近の数値がないが、原発支持・不支持には男女差があり、男性の方が支持率が一貫して高い。

G2009nuke.gif
[Gallup poll (2009/03/20)]


なお、世界的には原発支持は急降下
posted by Kumicit at 09/06 08:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake