2011/08/11

東京電力・東北電力管内の需要と気温 Update

東京電力管内の電力需要(時別最大)と東京の日平均気温のグラフを更新した(使用データはこちら)。
TepcoVTokyo_0810.png
ここ数日は気温が上昇しており、かつ東北電力へ向けて最大170万kW(うち30万kWは北海道電力からの分)を融通しており、じわじわと予備率が減っている。
TokyoTemp0810.png

一方、受電している側の東北電力の電力需要は無理やり抑え込まれた状態。
TohokuVSendai_0810.png
気温の割に需要が伸びておらず(8/8-10の最大需要は1230万kW, 1247万kW, 1239万kWで推移)、節電要請が強く聞いている模様。
SendaiTemp0810.png
posted by Kumicit at 2011/08/11 07:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011/08/09

東北電力管内の需要と気温 Update 2011/08/08

東北電力も2008/4/1以降の時別電力需要を公開している。これと気象庁の仙台の観測値とあわせて、東北電力最大需要 vs 仙台日平均気温の分布を更新しておく。
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昨日(2011/08/08)は7月前半よりも気温低めにもかかわらず、この夏の最大需要の記録を更新している。(赤点でちょっと飛び出してるやつ)

東北電力は新潟・福島豪雨により、新潟県、福島県の水力発電所が被害を受け、第二沼沢発電所の45万kWをはじめ、約100万kWの供給力が減少している。この他に、東北電力管内では、合計340万kWの火力発電機がダウン中。
  • 仙台火力4号機 44.6万kW (1,2,3号機は老朽化して廃止)
  • 新仙台火力1号機 35万kW (長期計画停止中)
  • 新仙台火力2号機 60万kW
  • 原町火力1号機 100万kW
  • 原町火力2号機 100万kW
新仙台と仙台は2012年7月復旧を目指すという状況。原町火力は福島第一原発の30km圏内にあり、復旧についての調査も進んでいないらしい。この他、女川原発1〜3号機217.4万kWも脱落している。老朽化力 東新潟1号機 35万kWを再起動したものの、それ以上の対策は2012年になる(合計103.4万kW)。

7月前半は気温が高め推移したものの、台風などにより8月の初めまでは低め推移で、需要も落ち着いていた。しかし、ここ数日は気温が上昇し、水力発電のダウンとあいまって需給バランスが厳しくなってきている。
SendaiTemp0808.png

このため、2011/08/09は東京電力から最大110万kWの融通を受ける。
posted by Kumicit at 2011/08/09 07:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011/08/08

たぶん剥いだ表土の処分場は確保されない

福島県内で進行中の除染では、おおよそ以下のことを行っている(南相馬市の例)。

  • ミニホットスポットの処理
  • 清掃
  • 高圧洗浄機を用いた洗浄
  • 窓ガラス拭き
  • 建物外壁の洗浄
  • 表土剥ぎ
表土などの除染廃棄物は、日本原子力研究開発機構の実験に基づく原子力安全・保安院の推奨である「耐水シートを敷いて地下埋設」する形で一時保存される。

この方法は「放射性物質を含む表層土を埋め込み、上に土をかけることで、放射性核種が地中に広がり、検出がいっそう困難になってしまう。汚染部分が拡大すればするほど、ますます手に負えなくなる」とキアフォット教授(原子力工学・放射線医学・生体工学)の指摘するところでもある。

でも埋設するのは、前回見たような状況にあるから。

  • 除染せずに放置すれば、いずれ放射性物質は土中に染み込み除染が困難になっていく
  • 学校等の施設の除染は最優先課題
  • しかし、除染廃棄物を運び込むべき最終処分場あるいは一時保管場所が確保できていない。

最終処分場あるいは一時保管場所は確保できない理由は、どこも住民の反対が大きいこと。放射性物質がほとんどない、あるいは検出されていなくても、反対の声が大きい現状は問題だとしても、当面、変えようがない。:
[がれきの放射能測定、岩手・宮城 県外処理へ地ならし (2011/07/20) on 朝日新聞 (魚拓)]

受け入れ側自治体の一部で、住民が反発。川崎市では4月に受け入れを表明して以降、住民らから「放射能汚染が不安なので受け入れないで」などの電話やメール約6千件が殺到。東京都や京都市などほかの自治体でも同様の事態が相次ぎ、県外での受け入れは始まっていない。

[陸前高田の松、使用中止に=京都・送り火の薪−放射能懸念の声で (2011/08/07) on 時事通信]

東日本大震災で津波に流された岩手県陸前高田市の名勝「高田松原」の松を、「大文字」で知られる京都の伝統行事「五山送り火」で燃やす薪として使用する計画が、福島原発事故による放射能汚染を懸念する声が寄せられたため中止になったことが7日、分かった
結局のところ、最終処分場あるいは一時保管場所として利用可能な国内の場所は「警戒区域内」に確保するほかない。警戒区域内であれば:

  • 既に汚染されている場所が多くある
  • 住民が退避していて現時点では住んでいない
  • メルトダウンした核燃料の処理など廃炉に至る工程が続く限り、退避を継続する必要があり、数十年は住民が還ってこれない
実際、最終処分場を福島県内に確保しようとした環境省だったが、6月9日に福島県佐藤知事が県内最終処分場を拒否したことで、確保できないでいる

警戒区域を最終処分場にすることは、警戒区域を「永久帰還不可能区域」にするものであり、福島県庁そして、双葉・浪江・大熊・楢葉などの各町役場/町長も受け入れることは「政治的」にできない。事故以前にはこんな動きもあったが、現在はとても無理だろう。
[「原発のごみ」最終処分場、福島・楢葉町が誘致検討 (2009/03/15) on 朝日新聞(archive)]

東京電力の福島第二原子力発電所が立地する福島県楢葉(ならは)町の草野孝町長が、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場誘致を検討していることがわかった。朝日新聞記者の取材に明らかにした。処分場は02年から公募中で、これまで高知県東洋町など約10の自治体で誘致の動きが起きたが、反対運動で未定のまま。応募すれば、原発を抱える自治体では初めてになる。

草野町長によると、処分場を公募している経済産業省の認可法人「原子力発電環境整備機構(NUMO)」の担当者を来月にも町内に招き、誘致に向けた勉強会を町議や住民代表と開くことを考えている。草野町長は「福島県には原発が10基あり、原発との共生は町の課題。安全性が確保されれば、住民の理解を得て処分場の受け入れを考えていきたい」と話している。

まとめると...
  • 除染を急ぐべき
  • そのときの廃棄物を現地地下埋設で一時保管するのは汚染拡大を招くのでNG
  • 県外に最終処分場を確保することは住民の反対が大きくて困難
  • 福島第一原発周辺の「警戒区域」に最終処分場を確保することは、「永久帰還不可能区域」化を意味し、福島県も各町も受け入れられない

で、このままいくと「除染しない」か「一時的地下埋設とその永久化」の二者択一。

ここまでの登場人物は、福島県と福島市・郡山市・南相馬市などの除染が必要な自治体と警戒区域にあって仮想自治体化している浪江・双葉・大熊・楢葉など、最終処分場について環境省・学校の除染について文科省・地下埋設について原子力安全保安院などの政府機関。明らかに、政府各省庁と地方自治体と住民で調整不可能な問題があって、解決は急がないといけない状況で、登場すべきなのに登場していない人物がいる。「警戒区域への帰還が早々に実現することはなく、それを前提に最終処分場を警戒区域内に設定する」ことを宣告し、それを自治体及び住民に強要し、悪者になることができる最終責任者が。

登場していない理由はもちろん、その動機がないからだと思われる。

  • 悪者になっても、脱原発を支持する人々からの評価は下がることはあっても、上がることはない
  • 原発消極容認〜積極推進な人々からの評価が上がるわけでもない
  • 自分がやらなくても次期首相がやることになる。その場合、次期首相の評判は下がるが、その反動で自分の評価が上がると思われる

posted by Kumicit at 2011/08/08 07:13 | Comment(0) | TrackBack(1) | Earthquake | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011/08/04

特定避難勧奨地点のランダムぽい分布

原子力災害現地対策本部は「事故発生後1年間の積算線量が20mSvを超えると推定される特定の地点への対応について」に基づき、「特定避難勧奨地点」を設定している。
これらは福島県による以下の測定に基づくもの。

  • 伊達市 (石田・小国・相葭)485地点 (2011/06/11-12)
  • 南相馬市 (鹿島区の橲原の一部・原町区の大谷・大原・高倉・押釜・馬場・片倉の一部)111地点 (2011/06/27)
  • いわき市・川内村 (いわき市川前町下桶売の字志田名と荻・川内村大字下川内の字三ツ石と勝追とマリ山とバクと手古岡)(2011/07/12)
  • 福島市大波 (2011/07/23, 26-28)

続いて、いわき市・川内村に対しても特定避難勧奨地点が指定されるはず。
また、メッシュ観測でもホットスポットが確認されている福島市中心部はまだ測定されていない。測定実施に伴い、さらに特定避難勧奨地点は増えると思われる。

ところで、これらの測定はメッシュ観測などでホットスポットが見つかっている場所まわりを対象といているはず。なので、測定対象となった住宅の多くがホットスポットだったとしてもおかしくない。

で、線量について分布を取ってみると....
detailHist20110803.png
いわき市・川内村は測定点数が少ないため分布が歪んでいるが、他は正規分布ぽく分布しており、右側の一部が3.2μSv/h以上となっている(特定避難勧奨地点はホットスポット周辺世帯も含んでいるので、この分布よりは多く指定されている)。この分布形状は、住宅一戸レベルだとランダムに放射性物質がぶちまけられていることを示唆している。
posted by Kumicit at 2011/08/04 07:59 | Comment(1) | TrackBack(0) | Earthquake | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011/08/01

メモ 地下埋設をめぐる

 福島県内の学校の除染が進行している。その除染の方法のひとつが"表土剥ぎ取り"である。その剥ぎ取った表土は、校庭の地下に埋設されている。そのような方法をとる根拠として、日本原子力研究開発機構のレポートがある。
[日本原子力研究開発機構 "学校等の校庭・園庭の空間線量低減のための当面の対策に関する検討について " (2011/05/11)]

学校敷地外へ土壌を持ち出さずに敷地内における空間線量率を低減させる方法としては、表層土を剥離した上で、その土壌をまとめて地下に集中的に置く方法や、下層土と入れ替える(置換する)方法が考えられる。本調査で得られたデータを用いて、これらの方法における遮へい効果や空間線量率を推定することが可能となる。また、覆土の厚さの決定に対しても有効である。
この結果を追認するように、原子力保安院も「一時保管の方法」として地下埋設を推奨する。
[原子力安全・保安院:"「福島県内(警戒区域及び計画的避難区域を除く)における生活圏の清掃活動(除染)に関する基本的な考え方」について" (2011/07/15)]

廃棄物等を一時保管する方法は、@まとめて地下に置く方法、A山積みにする方法、Bコンクリート構造物で囲む方法等が考えられ、地域の実情に応じて選択する。
...
2.まとめて地下に置く方法の留意事項
(1) 帯水層に達しないよう注意し、廃棄物等を保管するための穴を設ける。
(2) 穴の底面及び側面にはあらかじめ遮水シート等を敷き、水が地下に浸透しないように努める。
(3) 廃棄物等は耐水性材料等で梱包し、穴に入れる。
(4) その日のうちに放射性物質が沈着しているおそれが少ない土(数 cm 以上掘り返した土等)を被せる。なお、目安として放射線は、厚さ 10cm の覆土で 25%、15cm で 15%、20cm で8%程度まで低減するとされている
(5) 雨水浸入防止のため遮水シート等で覆う、あるいはテントや屋根等で覆う。また、状況に応じ降雨の排水のために排水溝を設ける。なお、廃棄物等が有機物を多量に含む場合には、ガスの発生に注意する。
(6) 覆土を掘り返さないよう注意喚起を行う。
(7) 廃棄物等が飛散しないよう管理する。
(8) 定期的に線量率を測定することが望ましい。
しかし、この地下埋設は短期的には有効な線量削減対策だが、朝敵長期的には適切ではないとされる。
[【肥田美佐子のNYリポート】米原発専門家に聞く「文科省の学校土壌処理は汚染拡大招く時代錯誤」 (2011/07/29) on WSJ]

キンバリー・キアフォット教授(原子力工学・放射線医学・生体工学)

放射性物質を含む表層土を埋め込み、上に土をかけることで、放射性核種が地中に広がり、検出がいっそう困難になってしまう。汚染部分が拡大すればするほど、ますます手に負えなくなる。埋めた場所を正確に記録する必要があるが、放射性物質が環境内を移動するため、難しさが増す。ビニールシートを使っても、放射性物質は地中で飛び散り、四方に拡散しかねない。地中に埋めると、さらにコントロールできなくなる。
...
表層土を専用の保管コンテナに入れるのが、はるかに望ましいやり方だ。米国でも使われているが、天候や放射性元素にも耐久性のある非常に頑強な大型コンテナがいい。あくまでも一時的使用が目的だが、水など、あらゆるものを遮断する。
それでも、福島県中通にある市は地下埋設へと動いている。

南相馬市は当面は線量半減を目指し、最終的には1mSv/年未満にすべく、当面は公共施設・民間施設をすべてを対象とし、国の除染方針明確化後はの内・森林・河川についても除染を行うこととしている[南相馬市放射性物質除染方針, 2011/07]。この除染において、剥ぎ取った表土を地下埋設することとしている。
[南相馬市災害対策本部: "放射性物質除染マニュアル" (2011/07) ]

(6) 表土剥ぎ
放射線に対する感受性は年齢が小さい子どもほど高いとされています。このことから、保育園、幼稚園、小・中学校の校庭についてはその表土を剥ぎ取り放射線量率を低減させることとします。
校庭等の表土剥ぎについては、表層土を機械又は人力により剥ぎ取り、また、砂場、花壇、植栽帯などについても現地の状況、放射線量率の測定結果を確認しながら剥ぎ取ります。加えて、敷地内側溝に堆積した土砂を全て除去します。
剥ぎ取られた表土及び側溝の土砂等は、基本的に学校等敷地内にトレンチを掘削し遮水シートを敷き込み、その上に転圧しながら埋め戻し、遮水シートで包み込みます。包み込んだ表層土等の上に、トレンチから発生した土砂を転圧しながら埋め戻します。
本宮市も同様の方針であり、たとえば、本宮市立白沢中学校でも「表土剥ぎ取りと地下埋設」を行っている。

その措置をあくまでも一時的なものと明言してるのは福島市:
[福島市教育委員会:"学校等の校庭等の表土改善事業の実施について" (2011/04.24)]

2.市が行う表土除去の工事方法について

市では、校庭等の状況や工事期間等を考慮し、工事方法は国が示した敷地内に「まとめて地下に置く方法」により工事を行います。この方法は、作業工程的に短期間で作業が可能になるほか、遮水シートを用いることにより地下水への影響を防ぐことができるなどのメリットがあります。

[福島県教育委員会; "校庭等の表土改善事業についてのQ & A 集" (2011/0/24)]

Q7 表土を敷地内に埋設しておく期間の見通しはあるのか?

A 汚染された表土は、敷地外に搬出して処理すべきであり市としても国に強く要望しています。しかし、現時点では搬出しても処分できる場所がありませんので、暫定的な対応として敷地内に埋設しておくことになります。なお、国から放射性物質を除去できる技術や搬出処理について方法等が示されれば早急に対応します。[郡山市: "小・中学校、保育所の校庭等における表土除去に関するお知らせ" (2011/07/08)

校庭の表土除去及び地中への仮置きについて(7月8日更新)

 除去した土は、校庭・所庭の一角に仮置きして、凝固材で表面を固め、シートで覆うとともに、周囲をロープで囲み、児童、生徒が近づけないよう、安全に配慮した措置を講じてきましたが、子どもたちのさらなる教育環境等の向上を図るため、除去した表土については、校庭等の状況に応じ、順次地中へ仮置きしています。
この他、伊達市が学校ではなく別の公有地に仮置きとして埋設しようとしたものの、仮置き場所も確保できていないもよう。

そして、このまま最終処分場が決まらないままになると、この地下埋設が恒久化してしまい、地下埋設は最終処分と化してしまう。


で、最終処分場を福島県内に確保しようとした環境省だったが、6月9日に福島県佐藤知事が県内最終処分場を拒否したことで、確保できないでいる

もちろん、拒否する側も政治的な立場がある。最終処分場として、福島第一原発に近く汚染の強い地域をつかうことは、帰還不可能領域とすることを意味する。これは、たとえば「半数が大熊町にもどれるなら2年以内に」という状況からも、大熊町・双葉町・浪江町・楢葉町・富岡町レベルでも、福島県レベルで政治的にOKできないのは当然。
[福島県大熊町(全域が警戒区域)の町民アンケート (2011/07/25) on 日経新聞 copy]

全世帯11,042名にアンケート用意配布、3419名が6/30までに回答。

Q 2-2 収束プログラムが進み、大熊町へ戻れる状況になるといて、あなたは最大何年位であれば待てますか

  1. 半年以内 9.0
  2. 1〜2年以内  41.7
  3. 3〜5年以内 19.7
  4. 10年以内 5.1
  5. いつまでも 13.2


[クローズアップ2011:原発工程表見直し(その1) ステップ2、課題山積 (2011/07/20) 毎日新聞

村全域が警戒区域と緊急時避難準備区域に指定されている川内村の遠藤雄幸村長は「避難区域の解除に向けた検討が始まるというのは期待したいと思う。
なので、地方自治体の権限を強制的にオーバーライドして、最終処分場を確保したいところだが、文科省・環境省にはおんな権限はおそらくない。したがって、このまま、剥ぎ取った土を環境中に埋めるしかない。

経産省(保安院)・環境省・文科省そして、福島県・福島市・二本松市・本宮市・伊達市・郡山市・南相馬市・大熊町・双葉町・富岡町・浪江町という登場人物たちでは決着をつけられにない。そして、結果として「文科省の学校土壌処理は汚染拡大招く時代錯誤」ということに。


posted by Kumicit at 2011/08/01 00:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | Earthquake | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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