2016/08/05

143年の歴史を誇る都市伝説「ブアメードの血」Update 2016/08/05

2009/07/11から、ときどき追いかけてきた「(1999年に笠巻勝利氏が命名した)ブアメードの血」だが、前回(2016/03/29)から少し進展があった。(Googleの雑誌スキャンが進んで、オンライン情報が増えているようだ。)

  • 英国のLancetが"Can Imagination Kill"という記事を掲載したのが1886年。それよりも13年前に、同様の記述を掲載した医学誌が米国にあった。
  • 英国のLancetの記事では、傷つける箇所は「首」だったが、米国では1884年まで「腕」とする記載が複数見られた。
  • いつ実験が行われたか記載はなく、場所もフランスだったり、ドイツだったり


で、まずは、1873年、米国ミシガン州Battle Creekの"The health Reform Institute"が発行している"The Health Reform"に、「多くの読者にとって新たに知ることではない」事例として、死刑囚を使った実験例に触れた記事が掲載された。
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「実際に死の瞬間まで、まったく疾患ではないのに、想像力によって人が死ぬことがある」と私は言った。ここでは、多くの読者にとって新たに知ることではないが、そのような症例をここで指摘しよう。一人の男が、フランスで犯罪により、死刑を宣告された。数人の医師たちが、その男をただちにギロチンにかけるのではなく、実験に使うことを許可された。実験計画では、男の想像力を刺激し、心の働きによって、実際に死亡するのか、見極めることになっていた。医師たちは男に、出血死することになると信じ込ませたが、実際には、その男は一滴の血も流れることはなかった。医師たちは、「自分が出血するという想像が神経系に強く働きかけ、男は死亡する」と主張した。その男の例では、それが実証された。

男に見えるように、血液を受けるためのボウルが置かれた。一人の医師の手にある鋭いメスがきらりと光った。傷をつけるために、男の腕がむき出しにされた。そして、男は目隠しをされ、テーブル(台)の上に寝かされた。医師たちは話し合い、大動脈を探し、男がすぐに出血死する、適したところを指した。医師たちは、出血しない程度に、男の腕を刺した。医師たちは、血が流れ出ているかのように会話した。欺瞞を完全なものにするため、暖かい水を男の腕に流して、ボウルへと流し落とした。医師たちは出血量を話した。医師たちは男の脈をとり、そのゆらぎを話した。経過時間を少し長めに話した。男は実際に意識が遠くなり、出血死の症状を呈して、実際には一滴も出血することなく、死亡した。医師たちが男の想像力に働きかけた欺瞞だが、男にとっては実際に出血死すると思っていたことにより、男は死亡した。

[Good Health 1873, p233]
具体的な記述だが、いつ、起きたのかは書かれていないが、フランスで起きたことになっていた。。また、出血したと思い込ませるために傷つける箇所は腕だった。

1879年、米国ペンシルバニア州Wernersvilleの医学誌に、同じく「腕」を傷つけるストーリーが掲載された。ただし、場所はフランスではないようだ。
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私は別の例にも触れずにはなるまい。多くの医師たちが、ドイツ王子に、死刑を宣告された犯罪者を使って、心がどの程度、身体に影響を及ぼすのかの実験を求めていたという。ある人物が、首を刎ねるかわりに出血死させられると信じ込ませされた。指定時刻に医師たちは、彼の独房に出かけた。彼は簡易ベッドに寝かされ、目隠しをされた。そして、医師たちは血液を受ける容器を用意した。医師たちは彼の腕を傷つけ、暖かい水が腕を流れるようにし、床に落ちるようにした。目隠しされた人物は、出血死すると信じ込んでおり、医師たちはそのように印象付けるべく、脈拍を計測し、流れ出た血の量を計測し、弱っていく状態を調べた。彼が聞こえることは、彼が死にかけていると彼の心に思い込ませるものだた。そして彼は死亡した。まさしく想像力によって死亡した。彼は一滴の血も失っていなかった。これは凄いことだろう? 出血死するところ、あるいは事故か何かで死亡しかかっていると考えたとき、どんな気分になるか考えたことがあるだろうか?

[Laws of Health, 1878, p96]


続いて、1880年に、米国オハイオ州シンシナティの医学誌"The Cincinnati Lancet and Clinic"に、次のような記事が掲載された。これも出血したと思い込ませるために傷つける箇所は腕だった。
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Attention with imagination is a fruitful source of physical disorder. The schoolmen had an axiom: A strong imagination begets the events. The suggestion of a disease has been known to cause that disease, more especially if the disorder be a neurosis. Even death has ensued from a vivid imagination. A criminal is blindfolded, it having previously been represented that he was to be bled to death: a scratch is made upon his arm and trickling water represents to his ears the flowing blood, and he dies. Another dies upon the scaffold, just awaiting the descent of the fatal ax; a reprieve comes, but the man is already dead.

想像力に注意することが、身体的障害の豊かな源泉である。教師は格言を持っている。強い創造力は事象を生み出す。疾患を示唆すると、疾患を生じることが知られている。特に神経症ではそうである。死さえもが鮮やかな想像力によって起きた。一人の犯罪者が目隠しをされる。彼は出血死させられると、事前に告げられる。彼の腕に引っかき傷がつけられ、彼の耳には血の流れに聞こえるように、水を滴らせる。そうすると、彼は死亡する。別の死亡例もある。男は死刑執行を待っている。そこに執行猶予の知らせが来る。しかし
男は既に死亡している。

[The Cincinnati Lancet and Clinic 1880, p528]
この記事では、「腕に引っかき傷」以上の情報はない。いつ、どこで起きたのかも、椅子に座っているか、ベッドの上かもわからない。

そして、1884年のDaniel Hack Tukeの本には、1880年の記述と同様に、腕から出血していると信じ込んだ男と、執行猶予前に死亡した男の話があった。
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[Daniel Hack Tuke: "Illustrations of the Influence of the Mind Upon the Body in Health and Disease: Designed to Elucidate the Action of the Imagination" (1884)]



この後、傷つける箇所が「首」になったLancet (1886)の記事が登場する。そして、「首」系列から、指などの派生バーションが登場する。
出典人名場所年代針の場所固定場所流出したと信じた量
Lancet (1886)---台(table)- (6分後)
Items of Interest (1886)---台(table)- (6分後)
Chambers's Journal (1887)------
Chambers's Journal, Volume 64 By William Chambers, Robert Chambers (1887)-フランス(の医師)数年前(ナポレオン3世の許可)台(table)- (6分後)
Columbus Medical Journal (1889)------
Annales médico psychologiques (1886)-英国前世紀7-8パイント
Rochas 1887-英国前世紀7-8パイント
Flammarion (1900)[F]-コペンハーゲン1750台(table)7-8リットル
Flammarion (1900)[E]-英国前世紀台(table)7-8クォート
フラマリオン 著 ; 大沼十太郎 訳(1924)-英國先世紀テーブル六、七升
Toledo News Bee (1922)-英国の医科大学-心臓近くの皮膚手術台-
St. Petersburg Times (1926)-フランス(の医師)数年前動脈台(table)- (5分)
Arthur Brisbane (1930)---裸足の裏全体椅子-
谷口雅春 (1932)--或る時頸部椅子全身の血液の三分の二
PHILADELPHIA NEUROLOGICAL SOCIETY (1935)-インド(の医学誌)-四肢の先端台(table)-
谷口雅春 (1962)--あるとき頸椎椅子全身の血液の三分の二
広告屋のネタ帳 (1998)-アメリカ----
笠巻勝利 (1999)ブアメードオランダ1883足の親指ベッド全身の1/3
長谷川淳史(2000)ブアメードヨーロッパのある国第2次大戦前足の全指ベッド全身の10%
Lowel(1996)-インド(の医師)-四肢の先端ベッド-
Sones&Sones(2004)-インド1936四肢の先端ベッド-
Minasian(2010)--20世紀初頭--(翌朝)

posted by Kumicit at 2016/08/05 06:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016/07/24

メモ「人種偏見と発砲判断」

米国では、警官が誤って非武装の黒人に対して発砲する事件はときどき報道され問題になっている。「普通の市民よりは警官の方が誤判断が少ない」こと、しかし、「それは人種バイアスが小さいからではない」ことを示した、「武装あるいは非武装の白人と黒人の画像を瞬間的に見せる心理学実験」研究がある。
社会心理学者Joshua Correllはビデオゲームを使って、人種バイアスが容疑者に対する発砲に影響するか調べた。

かつて、連邦検察は、ニューヨーク市警の警官が、西アフリカからの移民であるAmadou Dialloを射殺した事件を起訴しないと決定した。彼が手にしようとしていた物体が銃ではないことが判明するまでに、41発の銃弾を受けた。社会心理学者Joshua Correllはデンバーでこのニュースを父親と見ていた。それは2001年1月31日のことだった。11か月前、陪審員たちは警察官たちを故殺について、ニューヨーク州の刑事裁判で無罪評決をしていた。そして、この起訴しないという発表は、Diallo殺人事件は警察の暴力性と人種差別性の証拠だとみている抗議運動者たちを怒らせた。

University of Coloradoで博士課程の研究を始めたCorrelは、「1999年の夜に何が起きたか解釈しようとするところから問題が起きている」ことに気付いた。他の条件、特に人種では、結果は違っていただろうか?警官が近づいていたのが白人で、Dialloがしたように、自分のアパートの玄関に走っていて、サイフを手にしようとしたとしたら。未明のブロンクスだったら、何が起きていただろうか。実際のところ、わからない。

しかし、彼はそれ以来、答えを求めて進んだ。4年間の博士課程の研究と、2年間のシカゴでの心理学助教授としての研究で、Correllは、警官の容疑者に対する発砲判断に、人種バイアスがどう働くか調べた。携帯電話かサイフかハンドガンを持っている、白人と黒人の画像を使って、Correllとコロラドの共同研究者たちは、瞬時判断を求めるビデオゲーム実験をつくった。絵が次々にでてきて、被験者は画像の人物がハンドガンを持っているか判断しなければない。850ミリ秒(あるいは、どれだけ被験者を急き立てたいかにより、さらに短い時間)で、被験者たちは発砲するか、そのまま放置するかキーを押す。Correllがターゲットと呼ぶものたちは、膝をついていたり、立っていたり、腕を組んでいたり、手をポケットに近づけていたりする。ターゲットたちは、公園の噴水や集合住宅の前や建設現場や樹木のある公園や駐車場などなど、よくある都市の風景を背景にしている。

実験を繰り返し、Correllは学部学生やDMV顧客やモールのフードコートの常連客や警官をテストして、まれではあるが、人々の誤りが、パターンに従っていることを見出した。非武装の白人よりも非武装の黒人に対して発砲する可能性が高く、武装した黒人より武装した白人に対して発砲し損ねる。2002年の4回の実験を列挙したJournal of Personality and Social Psychologyの論文で、Correllたちは、「黒人のターゲットの方が、発砲の閾値が低い」と書いた。その傾向は、被験者が黒人の場合でも変わらなかった。

Correllによれば、その傾向は、アクティブな偏見よりは、社会的なステレオタイプの影響と思われる。この文化バイアスは、被験者が何を信じているか、あるいは何を信じたいかによるものではない。長い時間かけて、映画を見たり、新聞記事を読んだり、ジョークを聞いたりするごとに、頭にねじ込んできたものによる。被験者を調べて、Correllはゲームの結果が、人種偏見よりもステレオタイプの認知度によって予測できることを見出した。「実際に黒人が暴力的だと考えている人々よりも、黒人は暴力的だと思われていると述べた人々の方が、人種バイアスを示す傾向がみられた」

2006年6月のJournal of Experimental Social Psychologyに掲載された論文では、どれくらい深くステレオタイプが根付いているか調べられた。実験で、Correllは被験者の頭部に電極を付けて、ビデオゲームプレイ時の神経系の活動を記録した。「驚いた。P200 (脅威に対する反応に伴う神経電位の上昇)は、白人の顔より黒人の顔を見たときの方が大きかった。」特に強くP200と、ビデオゲームでのバイアスは関連していた。「この電位変動は画面に人物像が表示されてから200ミリ秒で発生していた。我々はとても素早い前意識を見出していた。これが直感的反応だ。」とCorrellは言う。

Correllの最新の事件では、市警の警官も参加した。全体的には、警官たちは普通の市民より、素早く、かつ正確に反応した。「警官たちはほとんどミスらなかった。これは間違いない」とCorrellは言う。しかし、警官たちもバイアスから逃れてはいない。Journal of Personality and Social Psychologyの6月掲載論文で、Correllはデンバー市警の警官と、デンバー市民と、14州の警官の参加を募って、ビデオゲームを行った。主要な計測対象は、人種と反応時間の相関だった。警官と市民は同様の相関を持っていた。「ステレオタイプに反するターゲットを見た場合(銃を持たない黒人や、武装した白人)、彼らはためらう。数ミリ秒だけ遅れるが、判断を間違えるわけではない。」とCorrellは言う。

同じJPSPの2つの論文で、訓練でバイアスが除去可能であることを示す証拠を提示した。警官であれ市民であれ学生であれ、被験者たちが連続4日間ゲームをプレイすると、成績は良くなった。しかし、反応時間は変わらなかった。変わったのはミスの数だった。「複雑で変化する背景の中で、銃のような小さな物体を特定することには、コントロールと規律が必要だ。特に、根深い期待に反する画像の時には」とCorrellは言う。警官の訓練は、コントロールと規律を教えていて、これが警官のミスをほとんどなくしている。「この国の文化的ステレオタイプを変えられないとしたら、誤りを減らすことが、我々のできることのすべてだ」とCorrellは言う。

研究は充実しているとCorrellは言う。彼は警官の参加した実験の知見の探求を計画している。大都市の警官は小都市の警官よりも、人種に影響された判断遅延が大きい。Correllは神経電位変動の計測をさらに実行したいと考えている。さらに、Correllはヒスパニックやアジア系の人々の画像も使った実験や、多くの地域や人種の人々を被験者とする実験を始めている。すべての実験で、Correllは何が警官に発砲させているのか迫っている。「これは未だ、やっかいな問題だ」と言う。

story2.jpg
photo: Correllのビデオゲーム: 武装あるいは非武装の、黒人あるいは白人の容疑者が画面に表示される。秒単位の時間で、被験者は発砲するか否か判断しなければならない。

[Shooter’s choice (2007) on University of Chicago]


その後も、白人と黒人以外も含めたバイアスや、疲労度と人種バイアスの関係などの研究が続けらている。

posted by Kumicit at 2016/07/24 11:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | Others | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016/05/30

ハーブレメディは見過ごされている世界的健康被害

そういえば、今月初めに、ハーブレメディ「アリストロキア」によるアリストロキア酸腎症について警告する論文がEMBO reportsに掲載されたというリリースがBaylor College of Medicineから出た。

アリストロキアの使用から数か月あるいは数年経過してから発症するため、これまで危険性が知られていなかったという、伝統医薬品に見られる問題を再認識させるものであり、CNBCなどの報道機関の記事にもなった。
Herbal remedies are an overlooked global health hazard
ハーブレメディは見過ごされている世界的健康被害である


世界中の数百万〜数億の人々が、数千年前に始まった伝統に従って、ハーブ健康レメディを使っている。多くの人々は、長年にわたり使われてきたのでハーブは安全だと信じている。しかし、Baylor College of MedicineとStony Brook Universityの研究者たちは「ハーブレメディが長きに割って使われてきたことが、安全性の保証にならない」との関心を高めている。これはEMBO reportsの招待コメンタリーとして掲載される。

Baylorの医学免疫学の名誉教授であるr. Donald M. Marcusと、Stony Brook Universityの著名な薬学教授であるDr. Arthur P. Grollmanは、植物アリストロキアが、アリストロキア酸腎症を起こすことを示す科学的証拠について論じた。アリストロキア酸腎症になると、間質性腎炎や腎不全や尿道癌などの症状が起きる。

著者たちは「台湾では全国処方データベースによれば、1997〜2003年に800万人がありストロキアを含むハーブを使っていた」ことを指摘する。台湾と中国における、腎不全と腎臓癌の患者の研究は、両国の数千万人がアリストロキア酸腎症のリスクをかかえていることを示した。

遺伝的にアリストロキアの影響を受けやすい人々は、アリストロキアを使うと、アリストロキアに含まれる化合物アリストラクタムと、腎臓組織のDNA付加体を形成する可能性がある。これらの付加体は、腫瘍抑制遺伝子TP53に突然変異を起こし、腎臓障害へのプロセスを起動する。追加研究で、このプロセスは肝臓や膀胱に癌の発達にもつながる可能性があることが示されている。

MarcusとGrollmanは「他のハーブ薬品や伝統薬品により、アフリカやアジアでの重篤な有害事象が起きているが、これらの症例では疫学データがない」と言っている。

アリストロキアはハーブレメディは2000年以上にわたって使われてきたが、「主としてハーブ使用と発症の間の潜伏期間が長いことと、ハーブ使用者の約5%のみが遺伝的に影響を受けやすいことが、内在する毒性が認識されなかった理由だ」という。

大半の発癌物質と多くの毒物は、発症するまでに長い時間を要する。数か月から数年前に使っていた場合、特定の化合物が病気の原因であることを特定することは、素人にとっても専門家にとっても非常に困難である。

「アリストロキアの歴史は、長きにわたって使われてきた他のハーブも有毒だったり、発癌物質だったりする可能性があることを示唆している。多くのハーブが人間の健康に問題を起こす毒物あるいは発癌物質を含んでいる可能性があると仮定するのが、堅実だ」と著者たちは言う。

「アリストロキアがそうであるように、ハーブレメディの効果を支持する科学的証拠がないことや、有害事象があることに言及することなく、伝統薬品は性質が実証されているという命題のもとで」伝統的ハーブレメディを推奨する世界保健機関(WHO)には、MarcusとGrollmanは同意しない。

著者たちは、「主たる関心はハーブ薬品の使用に伴う有害事象の防止にあり、伝統医薬品全般の否定ではない。世界の医薬関係者には、世界的に使われている植物製品の長期及び短期の安全性と有効性の評価を行ってほしい」ことを強調した。

なお、著者たちは利益相反はないと宣誓している。

  • A. P. Grollman, D. M. Marcus. Global hazards of herbal remedies: lessons from Aristolochia: The lesson from the health hazards of Aristolochia should lead to more research into the safety and efficacy of medicinal plants. EMBO reports, 2016; 17 (5): 619 DOI: 10.15252/embr.201642375


[Herbal remedies are an overlooked global health hazard (2016/05/02) on Baylor College of Medicine, also on ScienceDaily]
なお、英語圏だと"Herbal remedy"という記述されるものには、漢方薬も含まる。以前、Jin Bu Huan(鎮痛錠剤)による死亡事例Huo Luo Jing Dan(活絡金丹)による死亡事例を取り上げたように、ハーブ製品として流通している(医薬品として法規制のもとで管理されることがない)漢方薬で死亡する場合がある。
posted by Kumicit at 2016/05/30 07:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | Quackery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016/05/08

メモ「メスメリズムで死人が蘇生すると書いてたHahnemann」

ホメオパシーの始祖Samuel Hahnemannは、晩年、メスメリズムを信じるようになったらしい。彼の著書Organonの第5版になかったメスメリズムへの言及が第6版に登場している。
[Samuel Hahnemann: "Organon", § 288 Sixth Edition (via Quackometer)]

I find it yet necessary to allude here to animal magnetism, as it is termed, or rather Mesmerism (as it should be called in deference to Mesmer, its first founder) which differs so much in its nature from all other therapeutic agents. This curative force, often so stupidly denied and disdained for a century, acts in different ways. It is a marvellous, priceless gift of God to mankind by means of which the strong will of a well intentioned person upon a sick one by contact and even without this and even at some distance, can bring the vital energy of the healthy mesmerizer endowed with this power into another person dynamically (just as one of the poles of a powerful magnetic rod upon a bar of steel).

(創始者メスマーに敬意を表して)メスメリズムという用語で呼ばれる動物磁気について、ここで触れておく必要があるだろう。これは他の全ての治療手段と、その性質が大きく異なっている。過去一世紀にわたり、しばしば愚かにも否定され、軽蔑されてきた、この治療力は異なる方法で働く。それは、神から人類への素晴らしく貴重な贈り物である。患者に対して善意を持つ人物の強い意志が、接触によって、これがなくても、ある程度離れていても、健康なメスメライザーのバイタルエネルギーを、この力とともに、(鉄の棒のパワフルな磁気ロッドの一方の極のように)他の人物にダイナミックに与えることができる。
さらに、もわっとメスメリズムを取り入れるだけでなく、「そこそこの時間、見た目に死んでいる状態だった人物を蘇生させる」力があるとまで、Hahnemannは描いている。。
The effect of communicated human power upon the whole human organism was most brilliantly shown, in the resuscitation of persons who had lain some time apparently dead, by the most powerful sympathetic will of a man in full vigor of vital energy, and of this kind of resurrection history records many undeniable examples.

ある程度の時間、見た目に死んでいる状態の人物が、バイタルエネルギーに満ち溢れた人の最もパワフルで共感する意思によって、蘇生した事実によって、コミュニケートされた人間のパワーの、人間の全身に対する効果は、鮮やかに示される。そして、この種の蘇生の歴史は、否定できない多くの例を記録している。

[Samuel Hahnemann: "Organon", § 288 Sixth Edition (via Quackometer)]
かなりトンデモ耐性弱かったのかも?
posted by Kumicit at 2016/05/08 11:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | Quackery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016/05/05

メモ「ホメオパシーとデュナミスの関連調査中...」

ホメオパシーの始祖Samuel Hahnemannを肯定的にとらえていたMartin Gumpert (1945)によれば、ホメオパシーが呪術とみなされないように、HahnemannはSchellingのDynamis(デュナミス)の概念を使った。そして、その過程で、物質を無限に希釈できて、それにより物質はより純粋になるという考えを、Schellingから取り込んだという。

Hahnemann saw things with an independent, timeless eye, but he was forced to speak and express himself in the language spoken by all those around him. A vast number of most necessary physical and physiological conceptions were still lacking. The law of the "conservation of energy" had not yet come into existence. Thus Hahnemann was compelled to take over the conception of the "dynamic" from the highly suspect natural philosophers, in order to avoid the danger that the increased effects he had observed in his homeopathic medicine would be classed as mere magic. The first revealed facts of colloidal chemistry were thus veiled in the cloud-high abstractions of Schelling, the "philosopher of medicine." The "dynamic" idea, premising a strange, immaterial, "spirit-like" function, satisfied a medical science which was beginning to turn away in ... from the humoral pathologists' "atomic" material world of ideas.

ハーネマンは物事を、独立した時間を超えた目でみていたが、彼の周りにいる人々の話す言語で、自らを表現せざるを得なかった。物理学及び生理学の多くの概念は、まだなかった。エネルギー保存則もなかった。したがって、ハーネマンは、ホメオパシー薬剤について観察できた増大する効果をただの呪術だと見なされないために、疑いを持っている自然哲学者の概念用語「ダイナミック」を流用するしかなかった。したがって、コロイド化学の事実は、まず、医学哲学者シェリングの高度な抽象化で隠さなければならなかった。奇妙で非物質的でスピリットライクな機能である「ダイナミック」という考えは、[血液・粘液・黄胆汁・黒胆汁の4種類を人間の基本体液とする]体液病理学者たちのアトミックな物質世界という考えから、転換を始めていた医学を満足させた。

Hahnemann already knew that "although theories may imagine that they can observe a weakening of the action of a dose of medicine by its dilution with a large quantity of liquid, experience asserts exactly the opposite, at all events in the homeopathic employment of medicines."

Schelling taught the infinite divisibility of matter. The more unsubstantial the matter became by dilution, the purer and more effective could be its "spirit-like" and "dynamic" functions. Hahnemann discovered the increased power of shaken or grated medicines, which constitute the basis of homeopathic preparations;

ハーネマンは既に「大量の液体で希釈した薬剤摂取の効果が弱くなることが観察できると理論は想定していたが、ホメオパシーを採用した医療での事象すべてで、真逆であることを実験は示していた。」

シェリングは物質の無限分割可能性を教えていた。物質はその実態を希釈によって失うほど、より純粋で影響力が強くなるのは、そのスピリットライクでダイナミックな機能によるものだ。ハーネマンは、シェイクした薬剤のパワーが増大することを発見し、これがホメオパシーレメディの基礎的構成要素となった。

[Martin Gumpert: "Hahnemann: The Adventurous Career of a Medical Rebel", p.147, 1945]
Hahnemannは、その時代の医学とは折り合いを付けて、ホメオパシーを語ろうとしていたといのうが、Matrin Gumpertの主張。Hahnemannが医学教育を受けた時代は、まだ生気論も健在だった。細菌が病気を起こすことや、ウィルスの存在や、進化論の登場は、Hahnemannの死後。ドイツ観念論の3人の有力な思索家の一人であるFriedrich Wilhelm Joseph von Schelingのアイデアを使うことも、おかしなことではない。

ただし、Hahnemannの後継者たちは、Hahnemannの生きていた19世紀前半の生物学・医学の世界から前へは進まなかった。かつては時代の生物学・医学から大きくは離れていなかった場所が、オカルト世界に分類される領域になり、結果として、後継者たちは、オカルト世界の住人になってしまったようである。
posted by Kumicit at 2016/05/05 11:44 | Comment(1) | TrackBack(0) | Quackery | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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