2009/12/04

メモ: "On the origin of gods"

NewscientistのAmanda Gefterによる書評から:
[Amanda Gefter: "On the origin of gods: The evolution of religion" (2009/11/30) on NewScientist -- Cluture Lab blog]

宗教の深い歴史と文化を超えた広がりから、多くの科学者たちは他の人間の行動と同様に、宗教が進化の産物ではないかと考えてきた。

New York TimesのサイエンスライターNicholas Wadeの楽しく読める新刊"The Faith Instinct"は、遅くとも5万年前までには、宗教の進化が始まり、それらは人間以外の霊長類に見られる基礎倫理本能に根ざし、音楽と踊りの能力の進化によって出現したことを示す論を作り上げている。

Wadeは初期の人類社会における2つの主たる脅威に対抗する最良の解決策を宗教が提供したと論じる。すなわち、グループ内の無法と、グループ外との戦争である。宗教は個々人に対して、自らの必要性よりも社会の必要性を優先させようとする。これは時として、より大きな価値のために自らを犠牲にすることを意味する。

社会の結合についての能力によって宗教が進化したという主張は納得できるものだが、これは個体とともに群に対しても自然選択が働くことを必要とする。宗教行動を指示する遺伝子や神経モジュールを特定しないと、Wadeの論証は"just-so-story"に陥る。

Wadeは将来は、宗教の超自然への役に立たない信仰は廃れて、宗教は社会的機能のみを残すだろうとみている。これは良い考えだが、迷信にしがみつく人々と理性の方を向く人々が、これまでになく両極化している現状の世間の気分との調停はは困難だろう。

Book Information:
The Faith Instinct: How religion evolved and why it endures
by Nicholas Wade
Penguin, $25.95
Kin Selectionと同様のネタなので、群選択を持ち出すこともないが。また、究極の陰謀論である"超越的神"への信仰は、陰謀論あるいは目的論な思考傾向とも絡まっていると思われるので、Wadeの解説する要素のみというわけでもないかもしれない。
posted by Kumicit at 2009/12/04 01:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | ID: General | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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